さだまさしと中島みゆきが…

 以前に、「クリスマスの約束」で、小田さんとさださんがコラボした曲「たとえば」を紹介し、反響がありました。今回は、さだまさしさんと中島みゆきさんが共作した「あの人に似ている」という、少々マニアックな曲を紹介したいと思います。その前に、さださんのコメント(中島みゆき評)を読んでみましょう。

 初め中島みゆきとさだまさしとで、どちらかが詞を書きどちらかが曲を作る「共作」にして欲しいと言われたが、当たり前すぎて面白くも何ともないので作戦を考えた。まず彼女が女歌を作詞作曲してデモテープを僕にくれる。僕はその女歌の合間、つまり隙間に男歌のメロディーをはめ込み、勢いで勝手なサビを作った。この事で、女歌だけ抜き出して聞いても、逆に男歌だけ抜き出して聞いても成立する奇妙な二重構造の歌が出来た訳なのである。これは面白かった。元々僕は個人的に中島みゆきを尊敬していたのでこの仕事は実に楽しかった。彼女のように、人の心に沁みてくるようなメッセージを持ち、きちんとした日本語を書き、しかも太く美しい旋律を書くことの出来るシンガーソングライターは今でも日本にはそういない。更に僕の惹かれる彼女の本質は実は「ロッカー」なのである。「世の中が変だ、と思ったらちゃんと変だぞと歌う魂」こそがロックの根っこ。断じて音の大きさや格好などではない。「反骨」とも「おもねる」とも異なる自立した精神性を持って人々の心の澱みをすくい取り、手のひらに広げて歌うことで聞き手の心を解放してやるような力仕事の出いる日本では希少なシンガーソングライターなのだ。しかも彼女の自分に酔うことを怖れるバランス感覚も好きだ。深い深層心理を素晴らしい表現者として歌う自分に対し、一方で冷ややかにそれを見つめようとする客観的な自分。        (『毎日新聞』平成2年10月28日より)

さださんと中島さんの両方の人柄が十分伝わってくる文章ですね。こんな予習をした後で、この曲を聴いてみると、また違った一面が浮かび上がってくるから不思議ですね。YouTubeで聞いてみましょう。

http://www.youtube.com/watch?v=mr2VwNqBCzY

 ちなみに、私は中島みゆきさんの最高傑作は、アルバムの『寒水魚』だと思っています。苦しい時には、このアルバムに励まされました(落ち込んだときには、「これでもか!というくらい暗い曲を聞け」というのが私のアドバイスです)。黒部から紅白歌合戦に出演した時の、歌詞を間違え、照れくさそうに歌っていたみゆきさんの顔が思い出されます。

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▲岡山後楽園の紅梅

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