鞁嶋校長先生の教え~金土日の活用

 新学期も始まり、生徒たちにはこれから1年間の心構えを話すんです。私の考える「伸びる生徒」の要件は、①基礎・基本を大切にする、②「勉強の仕方」を知っている、③単語力がある、④時間の使い方がうまい、⑤素直な、生徒です。④の時間の使い方に関しては、故竹内 均東大名誉教授から教えてもらった「チョットした15分の活用」を話します。「隙間時間」の活用ですね。誰もに24時間平等に与えられた時間を、少しでも有効に使うことができれば大きな差になって現れます。私のいる図書館でも、朝6時半から登校して勉強に励む北高生の姿が今年も見られます。

 今日は意外とできていない、金・土・日の使い方についてお話ししましょう。これは故鞁嶋弘明前松江北高校長(一昨年の12月に東出雲町長在任中に急死なさった)が、繰り返しお話されていたことです。金曜日は翌日が休みということもあって、のんびりしてしまってダラダラと過ごすことが多いようです。松江北高の「生活時間調査」でもはっきりとその傾向は出ています。実はこういう金曜日とか、余裕のある土曜日・日曜日に次週の予習を溜めるだけ溜めておくと、次の週の毎日にゆとりが生まれる、そしてその浮いた時間を自分のやりたいことに充てるのだ、とおっしゃっておられました。「予習の先取り」ですね。力のつかない生徒は、明日のことを今日行うその日暮らし、自転車操業になっていることが多いようです。「やらされる勉強」ではなく、「自分でやる勉強」は力がつくのです。そういえば、定期考査の準備も、通例は1週間前の試験発表で始まるが、自分は2週間前から生徒に取り組ませている、とおっしゃっておられましたよ。鞁嶋校長が在職された3年間は、松江北高は国公立大学合格者が公立高校で日本一を連続して記録していたのも、こういうチョットしたことを、「組織の力」で着実に実践していたからだと思います。また、学年の途中からぐ~んと伸びる生徒がいるのでなぜか?と調べたら、その生徒たちの共通点は、とてもよく本を読んできた生徒だった、という信念で、鞁嶋先生は地元の東出雲中学校の校舎新築にあたって、4教室分もの広さを持つ素晴らしい設備の最先端図書館を作られました。

 かくいう私も、このブログをほぼ毎日更新できているのは、隙間時間を利用して3週間先(!)の分までもう既に作ってあるからです。鞁嶋先生の教えはこんな所にも生きています。本当にすごい校長先生でした。退職後、来校される度に、私の体のことを気遣ってくださっていたのに、ご自分が逝ってしまわれました。悔しかったものです。

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