「サッチャー錯視」

 「サッチャー錯視」という現象をご存じですか?「上下を反転させた倒立顔において、局所的特徴の変化の検出が困難になる現象」(ウィキペディア)ということです。もっと分かりやすく言うと、顔の画像の一部を変形すると不気味な印象を引き起こすはずなのに、同じ画像をひっくり返してみせると、そういう印象があまり起こらない、という現象を言います。

 ヨーク大学のピーター・トンプソンにより、元英国首相のマーガレット・サッチャー氏の顔写真が見本に使われたことから、この名前が付けられています。人間は顔を認識するときに、目や鼻や口の配置や位置関係など、全体的な情報を手がかりにして行っていますが、歪ませた顔の画像を倒立させて提示すると、この全体的な情報を使えなくなるので、奇妙な感じを受けなくなるのです。

 最近この「サッチャー錯視」を、マジックに応用したカードを手に入れたんです。「サッチャー・イリュージョン・カード」という商品です。今、結構話題になっています。錯覚の不思議を楽しんでください。

 演者は、トランプより一回り大きなカードを取り出して示します。きれいな女性の写っているカードが何枚もあります(中には男性も・・・)。「この中に一人くらいは、好みの方がいるもんでしょう。何となく覚えておいてください。」その後で、後ろ手などに回したりして、ごそごそします。「1枚だけ予言をします」と言い「1枚ちょっと変えておきました」。再度、お客さんの前にカードを取り出して、1枚ずつテーブルに置いていきますので、ストップと言ってください。配っていくと、途中でストップがかかります。
「本当にこれで?」
と言って、そのカードをよく見ると・・・

「アレ・・・なんじゃこりゃ!!」
といった感じ。人間の目と頭が、いかにいい加減にできているのかを、あらためて実感します。

▲実は上の写真を元に戻すとこんな顔に…

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