東京・墨田区の従業員3人の小さな町工場の代表社員が岡野雅行さん。中学校も中退と、学歴もないこの人の元に、大企業の重鎮、NASA、ペンタゴンから、仕事のお願い詣でが次から次へと絶えません。携帯電話の電池ケース、ウォークマンの電池ケース、ス-パーコンピュータを使って「理論的に不可能!」と大学教授もさじを投げた「痛くない注射針」も、この人の作品。依頼元が「どこに持っていってもできない」と断られた仕事ばかりを引き受ける。「深絞り」の技術でこの人にかなう人はいない。金型やプレス加工で「世界一の職人」を自認する79歳です。「銀行と国は信用するな」「生命保険も入るな」「他人の保証人になるな」「会社を大きくするな」「借金をするな」「他人と違うことをしなければ生き残れない」が人生哲学だそうです。
この人の書くものはみんな面白くて、全部読んできているんですが、最新刊の『学校で教えてくれないお金を生む発想法』(朝日新聞出版)は、お金を扱った最初の本ということで、特に印象的でした。最初から最後までなめるように読んで、特に心に残った部分を書き抜いてみたんです。「情報は金なりだよ。金を払ってでも人と会うんだ」「お金儲けをしようとするなら、無欲でいかないとダメなんだ」「動機が不純なものはいつか必ず消えていくよ」「これは俺の天職じゃない、なんて言って辞めていく人間は、悪いけど一生天職に出会わないね」等々。真実を突いた言葉の宝庫です。
生徒たちには、今日「あむーる」で、岡野さんの印象に残った言葉を全部書き抜いて渡したところです。非常に心に残る言葉ばかりでした。興味のある方は岡野さんの本を読んでみてください。「あむーる」はダウンロードサイトに登録しておきました。今回の目玉はそれと、5月23日~26日沖縄・宮古島で開催された「高校生太平洋・島サミット」(Young Pacific Islands Leaders’ Meeting)に、日本の高校生代表として参加した大谷 慧くんの体験記です。ぜひご覧ください。
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「あむーる」第3号 松江北高校