ニック・トロストさん

 ニック・トロスト(Nick Trost, 1935~2008)さんを初めて知ったのは、渋谷の「ウィザード・イン」で買った「インクレダブル・デック」(Incredible Deck)でした。

  デックの上半分の赤裏を相手に私よくシャッフルしてもらいます。演者も下半分の青裏の部Trost_Nick分をよくシャッフルします。相手に持っている赤裏のカードの中から表を見ないでカードを1枚選んで、演者の持つ青裏のカードの上に乗せてもらいます。よくカットして、今度は演者も1枚青裏のカードを相手の赤裏のカードに乗せます。カットしてもらいます。お互い持っているカードをそれぞれテーブル上にリボンスプレッドしてもらいます。演者の青裏デックの真ん中辺には1枚相手の選んだ赤裏カードが、相手の赤裏カードの中には演者の選んだ青裏カードが1枚入っています。それぞれのカードを取り出してみるとどちらも「ハートのQ」で完全に一致しています。とても不思議です。「ひょっとしたら全部が同じカードだと思っているんじゃないですか?」「実は…その通り!全部同じカードだったんです!」と言って、すべてのカードをスプレッドすると、さっきとは全く違う別の同一カード「スペードのA」なのです。えーーっ?

 あまりにも見事なフィニッシュに魅せられてしまった私は、以来、せっせと彼のDSCN0281作品を集め始めます。今でこそインターネットで直接海外から取り寄せることが可能になりましたが、当時はそのような環境になかったので、日本中のお店で発見したものから、ポツポツと一つずつ収集していったのです。非常に多作なクリエーターで、ものすごい数の作品が残されていますが、かなり集まりました。2008年10月23日にお亡くなりになったのですが、最近では、彼の作品を集めた個人全集が第4巻まで出ています(写真)。鬼才アルド・コロンビニも彼を崇拝しているらしく、DVDによるNickの作品解説集をシリーズで発表し続けています。

 彼の作品を数多く集めていく中で、彼の本領は数枚で行うパケット・トリックにあると感じるようになります。「ラズル・ダズル」などはその代表的なものです。ギャフ・カードを使うにせよ、使わないにせよ、彼のパケットには最後に意外性が秘められているのです。最近では、L&L PublishingやWild Columbini Magicから、傑作のパケットが発売されています。 彼の代表作を一つだけ、映像で見ていただきましょう。お見事!

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