unlessと仮定法

 先日は、unlessif …notの違いについて考察しました(⇒コチラ)。今回は、「仮定法」とのかかわりについて考えてみます。「unlessは仮定法には用いない」という安易な扱いで済ませてはいないでしょうか?つい最近、改訂版の出た『オーレックス英和辞典』(第2版、旺文社)を引いてみると、unless はif…notと違って事実と異なる仮定を述べるのには用いない。したがってunlessは仮定法を伴わないのが原則である」と出ています。ほとんどの学習辞典も、ほぼ同様の扱いをしているようです。「仮定法の用法はない」と言い切る参考書もあります。

●unlessはifと違って、仮定法過去(完了)には用いられない。(アドヴァン
スドフェイバリット)
●ifには事実に反することを仮定して仮定法過去と共に使う用法があるが、
unless にはふつうこの用法はない。(ユースプログレッシブ
●unless節中に仮定法を用いることはまれ(グランドセンチュリー)

 今日の補習科の授業でも、岡山大学の入試問題の長文に、仮定法と一緒に用いたunlessがあったのですが、それほど「まれ」な用法なのでしょうか?手元にもたくさんの用例が集まっています。学習辞典ということで割り切って記述しているのでしょうが、私は疑問に思っています。

  私たちの『ライトハウス英和辞典』(初版)でも「unlessの後では普通は仮定法は用いない」という注記を入れていたのですが、故ボリンジャー博士とのやりとりの中で、次のような仮定法過去は全く問題がないことが分かりました。仮定法過去完了は、事実なのか仮定法なのか区別が難しくなるために、反対するネイティブが多いようです(ボリンジャー博士の観察)。

A: You're saying he would never bet on a horse race? 
B: Yes, that's right. Unless he knew[were to know] the results beforehand.

 現在の『ライトハウス英和辞典』(第6版)の注記をご覧ください。現在、最も正確にこの語法を取り上げた文献です。個々の「語法の正確さ」がこの辞典の売りでもあります。

≪重要≫ 主節が否定を表すときは仮定法でも用いる:I would not have come unless I loved you.(=if I did not love you.)もし私があなたを愛していなければ来なかったでしょう。しかしそれ以外の場合、特に事実に反する仮定を表す仮定法では普通は用いない: I would have gone if I had not been so sick.(私はあんなに具合が悪くなければ行ったでしょう)でif…not の代わりにunless I had been so sickとは言えない。

 「教師が勉強しないのに生徒が勉強するはずはありません」とは、恩師安藤貞雄先生が、事ある度に説かれた言葉です(英語教師の文法研究』(大修館、1983年)参照)。肝に銘じたい名言ですね。今からもう30年前に書いた小論ですが、ダウンロードサイトに登録しておきますので、ご興味の方はご覧下さい。

    • 八幡成人「誤った英語を教えてはいないか?」『高校英語教育』No.22 三省堂 1983年

DSCN2926 そんな中で、最近読んだ本では、八木克正・井上亜依『英語定型表現研究』(開拓社)が、今までちょっと気づかなかった語法の実態や、新しい事実の検証、新たな着眼点・視点を与えてくれて、大変参考になりました。ちょっと高い本ですが(4200円)、十分元は取れると思いました。

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