先日、「整理・整頓」のお話をしました。→コチラです 今日はその続きです。では、日本語の問題です。「気持ちを整理する」と言えるのに、「気持ちを整頓する」と言えないのはどうしてでしょうか?考えてみてください。
どうですか?解答は、「整頓する」は物の移動を伴うときに使う言葉だからです。したがって、物の移動を伴わない場合には、「整頓する」は使えないのです。「机上を整頓する」「職員室を整頓する」「引き出しの中を整頓する」「本棚を整頓する」などからも分かるように、そこにある物を移動させて、その場所を整った状態にすることが「整頓する」です。これに対して、「整理する」の方は、物の移動を伴わない場合でも使うことが可能です。上の「気持ちを整理する」「問題点を整理する」「論点を整理する」などがそれに相当します。この部分を「整頓する」に置き換えてみると何か変ですよね。
さらに「整理する」には、物の移動だけでなく、捨ててしまう、という意味もあります。「従業員を整理する」「古い洋服を整理する」「いらなくなった本を整理する」などの例で、この感じが分かりますね。先ほどの「気持ちを整理する」も「いやなこと」「思い出したくないこと」を捨てて処分してしまう、といった意味が感じられますよね。北高校舎の耐震工事の工事現場にかかっている垂れ幕(写真参照)を見ながら、そんなことを考えていました。