Student Timesが最近「英語のやさしい使い分け」(So, What’s The Difference?)において、「electricとelectricalってどう違うの?」と題して解説をしていました。それによりますと
electric : 「電気の、電気で動く」という意味。具体的な名詞と結びつく
electrical :「電気の、電気で動く」という意味。総称的な名詞と結びつく
どちらも「電気で動く」という意味があり、置き換え可能なことが多いですが、「電気自動車」「電動モーター」など具体的なものを修飾するときにはelectricが、「電気器具」「電化製品」ののように「器具、製品」などの総称的な名詞と共に使う場合にはelectricalが好まれる傾向にあると覚えておきましょう。
しかし、これについてはもう少し考えてみる必要があると思います。ネット上の解説でも「electric は「電気で動く」の意味で具体的な物の名前を指定して使われる。それに対して、electricalはもっと一般的な意味で用いられ、総称的な名詞と共に使われる。物の名前を指定して使われることもあるが、その物体は電気で動くのではなく、電気に関連したという意味で用いられる」とあります。『ライトハウス英和辞典』(第6版)には「electricは直接電気そのものに関係して、「電気で動く」「電気を[で]生じる」などの意。これに対してelectricalは直接の関係は薄く「電気に関する」の意が普通」(この辞典の「類義語欄」は私が若い頃全部書いた基礎原稿が基になったものです)とあります。
「電気器具」という日本語を英語に直すときは、上の区別で考えると、eletcrical applianceとなりますね。ジョージア大学名誉教授のアルジオ博士にお尋ねした時には、「electric/electricalの両方が使われる。自宅の電話帳では”Electric appliance”の項目に掲載されている。大半は単にappliancesと呼んでいるが、electric appliancesと呼んでいる店もあった。自分自身ではelectric applianceの方が普通で、electrical applianceはかなり格式ばった表現で古めかしいと感じる」と答えられました。イギリス英語の立場からロンドン大学のイルソン博士は、electrical appliancesを載せているALD, COBUILD、electrical apparatus/electrical machinesを載せているLDOCEを挙げて、対してelectric clock/ typewriter/oven/blanketのように、上記の区別を支持されました。このように、お二人の意見が微妙に異なっていたので、もう少し調査をしてみることにしました。
(1) When the electricity goes off, the deepfreeze, the television, and all other such ( ) appliances stop working.
(2) Gas appliances seem odd to some people, who prefer ( ) appliances instead.
(3) Something always goes wrong with our electrical appliances.
(4) He’s so old-fashioned that he won’t have an electric appliance in his house.