私は文房具には目がありません。「文房具の八ちゃん」と呼ばれています。最新文具情報の載っている雑誌・本はすべて、目を光らせていただいている担当の井上さんが届けてくださいます。
最近東京・銀座の「伊東屋」がリニューアル・オープンしましたね。東京に出るたびに、私が長時間居座る老舗の文房具屋さんです。新聞やネット等を見ていると、以前の商品を半分くらいに絞り込んで、集中的な品揃いの店になったそうです。カフェを併設したり「おしゃれ雑貨屋化」したという批判も耳にしました。私は長く伊東屋に通い続けている大ファンですが、あそこへ行けばどんな文房具でも揃う、という圧倒的な品揃えに惹かれていたんです。最近の仮店舗での営業時は、ちょっとそれに不満が残り、新店舗に期待していたんですが…。やはり行ってこの目で確かめに行かねばなりませんね。
『モノ・マガジン』7月2日号(ワールドフォトプレス)が、「ニッポン発のレジェンド文具列伝」という興味深い特集を組んでいます。数ある文房具の中で、長く愛されるロングセラーやヒット商品に焦点を当てて、それらに共通する条件を探り出しています。モノマガジンと東急ハンズのコラボ企画です。文房具界にその名を刻む「レジェンド文具」の6つの条件とは、以下の通りです。
(1)優れた機能をコンパクトにまとめる技術力
(2)誰もがどこでも使える汎用性の高さ
(3)持つ・使う喜びを体現した完成度
(4)誰もが認知するデザインの普遍性
(5)使い勝手をひそかに高める慎ましさ
(6)ニッチなニーズに応える着眼点
懐かしの定番から最近のヒット商品まで、その納得の実力を検証していました。確かに、どれも私は持っていて長年使っている商品ばかりです。面白い企画でした。
これと同様に、昔から愛されている文房具を取り上げた『究極の文房具カタログ』(2006年)が改訂になりました。文具王の高畑正幸さんの『究極の文房具カタログ』(河出書房新社,1300円税別)がそれです。そこには文具界の定番商品76アイテムの、他にはない特徴と背景が詳しく述べられています。繰り返して読みたい、時代を超えた実践の文具、文具論となっています。「文具王」の、永遠のバイブルの復活です。必携完全保存版です。
