コクヨは8月9日、ダンボ-ル箱を刃を閉じたままカッターのように引いて切れる「ハコアケモード」を搭載したアイデアハサミ「ハコアケ」を発売しました。通常の「ハサミモード」から「ハコアケモード」にさっと切り替えて、カンタン&ラクラク二刀流で使うことができる便利物です。私は早速、米子・ロフトに買いに行ってきました。今ガンガン使っています。
近年、ネット通販などが普及し、自宅に届いた段ボール箱の荷物を開けるシーンが増えていますね。ほぼ毎日のように宅急便が届く八幡家も、手ごわい段ボールの開封には苦労させられます。コクヨの調査によれば、段ボール箱を開ける際、約6割の人がカッターとハサミを使っているが、「中身を傷つけそう」「開けにくい」「手を切りそう」などの不満を抱えているといいます。今回の「ハコアケ」は、段ボール箱の開梱シーンにまつわる、ユーザーの不満を解消するために生まれたアイデア商品です。ハサミモードとハコアケモードの2Wayで使うことで、段ボールの開梱からタグ切り、ラベルの切り取りまで、すべてのシーンで活躍してくれます。「ハコアケモード」というのは、スイッチをスライドしながらハサミのハンドルを握ると、刃先から刃が飛び出してくる仕組み。刃を閉じたまま引くだけで簡単に段ボール箱を開梱できます。ハコアケモード時に刃が出る量は最大1mmのため、箱の中身を傷つけにくく、ハンドルの握りをゆるめると刃が出ない状態に戻る安心・安全に配慮した設計となっています。段ボール箱の中身の袋や商品タグなどを切るシーンでは、ハサミとして使用することで、持ち替えることなく、スムーズに作業を進めることができます。ハサミの刃は、内側の接する部分を最小限に抑えた「3Dグルーレス構造」で、クラフトテープを切ってもベタつきにくい仕様になっています。開発者のインタビューです。
――ハコアケはどんなことがきっかけで生まれたのですか?
コクヨ「家庭での段ボールの開梱の際、ハサミの刃をガバっと開いて開梱に使用するシーンがよくありますが、そのような『危険でありながら開梱しにくい使い方を無くすにはどうすればよいか?』と考えたことで企画がスタートしています」
――商品になるまでにどんなアイデアがありましたか?
コクヨ「段ボールの開梱作業を分解して考えていくと、(ダンボールを梱包している)PPバンドの切断や、中身の袋の開封には『ハサミ』、箱の開梱のためのテープカットには『カッター』と、『ハサミ』と『カッター』のどちらも作業の中で使用していることがわかりました。そこで、ハサミを開いて使うシーンを念頭におきながら、そのハサミの刃を上手く利用して、開梱作業により良い形にできないかと考え、この形が出来上がりました。他のアイデアとしては以下2点を模索しました
・ハサミにカッターの刃を取りつけることはできないか
・キッチンバサミのように左右の刃を分解して使えないか
ですが、安全面と作業効率の観点から、現在の商品化された形の『ハサミの刃を使うことが理に適っている』という結論に至りました」
――ハコアケが生まれるまでに苦労した点は何でしょうか?
コクヨ「ハコアケモードとハサミモードの切り替えについて特に試行錯誤を重ねました。元々『ハサミモード』から『ハコアケモード』に切り替えるスイッチ部分は、現在の『ハコアケモード』で使った後に、ハンドルの握りを緩めると自動的に『ハサミモード』に戻るような設計ではなく、単純にON/OFFを切り替えるスイッチにしていました。しかし、『ハコアケモード』がONの状態のときに、気づかずにハサミの受け渡しをした時などの状況を想定したときに危険があると考え、現在のように自動で戻る設計を考案しました。また、ハコアケモード時の刃の飛び出し量も危険性を考えて、1mm未満になるように細かい調整を工場内で行っています」
――ハコアケでデザインなどで注目してほしい部分はどこですか?
コクヨ「まずひとつは、全体的なデザインです。カッターのように『引いて切る』ことができる『ハコアケモード』時に持ちやすく感じてもらえるように、刃からハンドル部のフォルムを直線的にし、刃にも指当てを付ける事で、ハコアケモードで使うときに自然にカッターを扱うときに近いような手の形になるように設計しています。また、ハンドルのエラストマー樹脂をハンドルの外側にも施しており、ハコアケモード時に滑りにくいような設計になっています。そして、刃先にある『刃付け』です。通常のハサミを広げて開梱をしようとすると、刃先の刃付け角度がカッターなどに比べて比較的に鈍角であるため、切り込みがしにくい場合があります。ハコアケは、ハコアケモード時に少し出てくる側の刃先において、通常のハサミの刃付けに加えて、より鋭角な刃付けを行っています(刃の角に注目してください)。そうすることで、ハコアケモードで段ボールのテープに刃先を当てる際に、テープに切り込みやすくなるように配慮した設計を行っています」
――「ハコアケ」の上手な使い方を教えてください
コクヨ「開梱作業の後、発送時のラベルやバーコードなどが張り付いていることがあると思います。個人情報になったりするため廃棄の際には剥がしたいけど、爪で剥がそうとするとシールが剥がしきれずに途中で破れたりして剥がしにくい場合があります。そんな時にハコアケを使えば、『ハコアケモード』でラベルの周りを四角に切って段ボールの表面ごと剥がすことができます」
「ハコアケ」が生まれるまで、様々な試行錯誤があったことが開発担当者の話からわかりました。箱を開けるための「カッター」と、紐などを切ったりするための「ハサミ」が一緒になったということだけでも画期的なのに、安全性まで考えてあるというのはいいですね。ダンボールを縛った紐を「ハサミモード」で切った後、「ハコアケモード」で箱を開ける。荷物の中身のビニールを開封したり、タグを切り取ったりするときは、もちろん通常のハサミとして使用可能。いちいちハサミとカッターを持ち替える必要がないので、スムーズに作業ができます。1本で済んでしまうというのはかなり便利です。グルーレス刃タイプとチタン・グルーレス刃タイプの2種類があります。色は、数量限定カラーを含めて計5色。キャップ付き。右手用。価格は、グルーレス刃700円(税別)、チタン・グルーレス刃1,000円(税別)。❤❤❤