「ヘンなジジイ」の三条件

 今年で歌手活動44年目を迎えたさだまさしさん。これまで積み上げてきたコンサートの数はなんと4239回!(日本記録)です。8月25日(金)のNHK「BSコンシェルジェ」に出演したさだまさしさん。ここで、さださんが目指しているのは「ヘンなジジイ」だと述べておられました。20代前半に一緒に酒を飲んだ哲学者谷川徹三さん、文芸評論家山本健吉さん、作家遠藤周作さん、野球選手王 貞治さんたちが自分の人生を変えたという。よく見てみるとみんな変なジジイだと言います。さださんいわく、ヘンなジジイ」には共通の三条件があり、まずは、1)知識が豊富であること。それぞれのジジイの一言にそれぞれに正解があり、正解は一つではないということを気づかせてくれるという。漫然と生きていくと情報が流れていくだけで、知識は増えていかず、変なジジイになる人は流れていかないように紐を離さないという。知識という記憶力の中で培ってきたものを、どう実生活で活用できるかということが本当の知識であり、教養だと思うと話しました。

 次に、(2)「どんな痛みも共有してくれる」。さだまさしさんは山本健吉さんがいなかったらとうに歌をやめていたかもしれないと話しました。根暗」「軟弱」「マザコン」「女性蔑視」「右翼」「左翼」など、歌ってきた曲が批判を受けるたびに、たかが歌でなんで日本中を敵に回すのか?と思ったといいます。さらに「防人の詩」がヒットした時には、戦争の映画だったため、戦争を賛美していると言われました。その時に山本健吉さんは、これは命の詩であり、居なくなった人を歌うことは、日本の詩歌の伝統で、キミは居なくなった人を歌うのはうまいから自信を持ちなさい、と励まされ、胸を張ろうと思えるようになったという。このように「ヘンなジジイ」はいつも背中を押してくれる人です。

 最後は、3)「何か一つスゴイものを持っている」。これは最低条件で、さださんはまだ何も持てていないといいますが、それは謙遜です。さださんは職人が好きで、色んな全国の職人に会いに行くといいます。「人は道によって賢し」という言葉があるが、職人は抜群の知識がある。生活品を作っているので、気負いもないし、カッコもつけない。そんな変なジジイになりたく、自分は歌を歌うので、歌をうたうことで変なジジイになれたらいいと話しました。迷っている青年には、色んな“ジジイ” “ババア”に会って欲しいと言います。男性はジジイで、女性はババアがいい。「あ!この人すごいな!」と思った瞬間に、迷っていた霧がパッと晴れるといいます。

 さださん曰く、僕には夢があります。その夢の実現のために、いろんなことをやっているところなんです。人生はたった一度しか生きられないんです。だから、いろんなことを体験して、それを身体のあちこちのポケットにしまっておきたいんです。僕の夢!年をとったらへんなじじいになりたいんです(笑)。いや、笑ってらっしゃいますけど、僕、本気でへんなじじいになりたいんです。残念ながらへんなばばあにはなれないもんで、身体の構造上ね(笑)

 さて、思い起こしてみるに、さださんは若い頃からコンサートで、ヘンなジジイ」になりたいと公言しておられましたね。ある会場では、こんなことを言っておられました。

 ほらッ、時々いるじゃない、へんなじじいが。いろんなこと知ってやがって、ホラ吹きでね(笑)、なんでも知ってる、どこまで本当かわからないけど、いろんなことを知ってるじじい、そういうのになりたい。そのために、いま、いろんな体験を積んでいるんです。で、年をとったら若い衆を集めてね、ホラを吹くんです。「あのじじいよ、ホラばっかり吹くけど結構おもしれぇんだ。行こうぜ」って、町内の若者連中がワサワサ寄ってくる。それを相手に、そりゃもう、いろんなことしゃべって聞かせる。お茶菓子も出してね、フフッ、お茶菓子で釣る。そのために今からお茶菓子代をためるんです。ああッ、へんなじじいになりてぇなぁ!(笑)だけど、本当のこと言っても信じて貰えないだろうなあ。ホラだと思われるようなこと、僕はいろいろやってきましたからねえ。たとえば、あと三十年も四十年もたってから、もし生きてたとしてね、こんな話をするの。

 「バッキャロウッ、わしの若い頃はなッ、新宿の厚生年金って知ってるだろう。あすこにな、ワアッと、たァくさんのお客さんがな、わしの歌を聴きに」(笑) なんで笑うの? ねえ、なんで笑うの? 歌を聴きにで(爆笑)。フフフッ、「しゃべりもだけどなあ(笑)、そりゃあもう、たくさんの人が集まってくれたんだぞォ」 「嘘つけッ、このハゲッ!」(爆笑)とか言われながら、頑張りたいですよねえ。話だけじゃ信じて貰えないようなこと、たくさんありますもの、わたしの場合は。「わしがな、若い時にな、奈良の東大寺の大仏様に尻向けて歌ったんだぞォッ」 「ほんとォッ? このじじいがァ」(笑)なんて、いわれるような気がするなあ。
「わしの若い頃、中国に行ってな、峨眉山に登った。峨眉山、知ってるか?」
「ああ、あの杜子春に出てくるあの山かな」
「そうだ、その峨眉山、標高三〇九九メートル、わしはな、あの、中国の名山中の名山といわれる峨眉山に登ったんだ、自分の足でな。きれいだったぞォ。その頂点に立ってなァ、雲海の上からゴビ砂漠に向かってションベンをしたんだッ、俺はッ」(笑)本当にしたのに信じないやつがいるんじゃないかと思うんですね。そういう意味じゃ、ずいぶんいろんなことをさしていただきました、おかげさまでね。ああ~ッ、へんなじいさんになりてぇなァ! わたしはそんな夢を抱いております。

 ほらッ、可愛いじじいってよくいるでしょ、もうッ、あのおじいちゃん、可愛いのォッ、優しくって、いつもニコニコしててね、人がよくって、なぁ~んていわれたかァないんですッ、わたしは(笑)。あのじじい、やなやつだな、なんていわれながら、ご近所の嫌われ者でいてね、子供が道端で遊んでると、パシーンッて横っ面ひっぱたいて、「(年寄りの声で)危ないとこで遊ぶんじゃねえッ、このガキはッ」(笑)なんていいながら歩く。僕の子供の頃いましたよ、松竹じいさんっていって、大きな声で子どもを怒鳴って歩くご近所の嫌われ者が、長崎でね。まあ、怒って歩くだけじゃしょうがないんですけどね。でも、誰かが相談にくるとね、「おうッ、それはな、こうだよ」なんて、なんでも答えられる、そんなじいさんになりたいな。そのためにはなんでもします。今から、いろんな体験を積んでおきたいんです。東に可愛い女子学生いれば行って電話番号を聴き、西に淋しい未亡人あれば共にコブ茶を飲みつつ語らう、そんなじじいにわたしはなりたいッ!(笑)

 死ぬ時がまたいいのッ!(笑) もうッ、最後のひと言を決めてあるんです。いよいよ危ないって思ったら、近所の若い衆を全部集めるんです。みんなワァーッと集まってきますよ。もうねッ、可愛い女の子なんかウジャウジャ来ます(笑)。で、最後、わたしはね、ヨレッとしてるんです。やっと布団から起き上がってね、苦しい息の中から 「(力ない低い声で)わしはなあ、いままでこうして生きてきたがなあ、なかなかおもしろかったあ。最後にひとつ、お前たちに頼みがある。威勢よくいきたい、それじゃあッ、お手を拝借ッ(笑)、イヨーォッ、パ~ンッ」(笑)これで、ガクッといくわけね。そうすっと、若造の中のリーダーがわたしにパーッと駆け寄ってきてね、ガバッと抱き起こすとパンパンパンパンッて頬っぺたを叩いて、わたしを呼び戻すの、「じいさんッ、しっかりしろッ、じいさんッ、じいさんッ!」そうするとわたしはうっすらと目を開けて、息も絶えだえに最後のひと言をいう。こう、手をさしのべてね、聞こえるか聞こえないか、でも聞こえるように、「アアーッ、あ、赤城山のふ、も、とォ~…」ガクッ。すると、若造め、びっくりするわけですよ。まわりの連中の顔見まわして、「おいッ、いま、なんかいっただろッ、じいさん」
「うん、いったよッ」
「なんつった?」
「赤城山のふもと、とか…」
「いったよなッ、赤城山のふもとって、確かに!」
「じじいッ、なんか埋めやがったぞッ、これッ」(爆笑)
「そうだッ、絶対埋めたよッ」

 みんなでツルハシ持って、赤城山のふもとまででかけるわけ(笑)。埋めてないのッ、ぜ~んぜんッ(笑)。わたしは嘘ついたわけじゃあないんです。赤城山のふもとはきれいだっていいかけて死ぬわけですから(爆笑)。まあね、わたしはそれが夢です。実現可能な夢! そうやってホラ吹きたいためにね、いま、どんなことでもやろうじゃないか、なんでも体験してやろうじゃないかってね、頑張っているところでございます(拍手)。楽しいよォ!

 私もこんな「ヘンなジジイ」になりたいものです。そんなことを考えていたら、8月29日(火)朝、泊まっていた「リーガロイヤルホテル広島」のお部屋に入れられた『日本経済新聞』に、さだまさしさんの新著『やばい老人になろう やんちゃでちょうどいい』(PHP、1100円税別)の広告が掲載されていました。とってもタイムリーでした!すぐその足で、丸善ジュンク堂」に急ぎ、この本を買ってきました。帰りの高速バスの中で一気に読み上げました。上で述べたことが、ヘンなジジイの例をたくさん挙げながら、詳しく語られていました。さださん、ヘンなジジイへの道を着実に歩んでいますよ(笑)。今日、さださんの2年ぶりのオリジナルニューアルバム『惠百福  たくさんのしあわせ』が届きました。⇒詳細はコチラ    9月9日(土)には「サワコの朝」にゲスト出演して、阿川佐和子さんとの楽しいトークが繰り広げられますよ。❤❤❤

 

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