人生は愛と友情と裏切りでできている

▲「西村京太郎記念館」で販売されている先生の色紙

▲先生書きたてホヤホヤの色紙

 西村京太郎先生(87歳)は、色紙にサインをされるときには、必ず「人生は愛と友情と裏切りで成り立っている」「愛と友情と裏切りと これが人生だ」という言葉を添えて書かれます。西村京太郎記念館」でも販売されていますね。展示されている色紙 に「人生 は、愛と友情と裏切りで 成り立って いる」と書いてあります。ご覧のように、西村先生は非常に達筆なんです。「愛と友情」ならわかるのですが、そこに「裏切り」とある のは、トラウマのようなものがあるのか、それが作家としてのエネルギー 源になっているのではないかと。そのあたりはどうなの でしょう か。」という質問に答えて、西村先生は「ミステリー だ からね(笑)」と答えられました。確かに、「人生は愛と友情である」と書い ても、ごくありきたりであまりインパクトはないですね。西村先生のご 経験 から、作品を書くときに「裏切り」を入れるということでしょうか、という質問に対して、先生は次のようにお答えになりました

  分の経験からです。親友が「矢島(本名)くんだけが 頼りだから」と言ってきたんですよね。そしたらそいつは全員に同じ手紙 を出していた。あれでがっくり来ちゃって、親友でもこんな ものかと。でも一人にだけ出したからって助けてくれないかもしれないから、僕だってやったかもしれ ない。そんなことがあって「裏切りで」と書きましたけれどもね。  ―日垣 隆『日本一有名な作家直撃・西村京太郎さん公開インタビュー』(2016年6月改訂版、Kindle版)

▲色紙を書く西村先生ご夫妻

 このお話をもうちょっと詳しく補足しておきましょうね。西村先生がいろいろと騙された経験のお話は、重田 玲さんが西村先生にインタビューした『人生は愛と友情と、そして裏切りとでできている』(SUN POST、2015年)に数多く出てきます。バブルの頃に、京都の東山に1億5000万円で買った家が、池の上に建っていた!(今でも持っておられます)、先生の作品を映画化したいと近寄ってきたプロデューサーを名乗る人物が、突然「あの原作はもともと私が書いたんだ」と言い出したとか、有名女優の名前を出して「よく知っているから」とか、プロデューサーの経験があるからとか、お金が絡むと、いろいろな人が先生の下に寄ってきました。これが人生です。

 「若いときの友達がいてね、役所時代の友だちなんだけど、彼は途中で役所を辞めちゃったんです。そして、彼から電話がきて、『友だちがいなくなっった』と。『親友は君だけだからなんとか助けてくれ』っていわれてね、お金を送ったりしていたんですよ。そしたら彼は誰にも『西村京太郎の親友だから』といっていたらしくて……」
 「お金持ちの作家さんが友だちだから、お金の都合はつくといったような…」
 「まぁ、よくある話と思ったけどね」
 「そういうときに相手を恨んだとかは?」
 「あんまり起きないね」
 「なんだか、達観されているような感じがします」
 「もともと、楽観主義だから(笑)」  (pp.112-113)

 私自身も、今までにずいぶん騙されたことがあります。J・スタインベックの短編「真珠」を苦労して訳した原稿を持ち逃げされたとか、母がお世話になった人から泣きつかれてお金を送ったら、返してもらえなかったとか(後日談があるのですが…)、ここ数年では、教育関係者に「英語センター本」を大量に送っても、いくら請求してもそのまま代金を払ってもらえなかったりとか(何度もあります)。人生は愛と友情と裏切りでできている」 まさにその通りだと感じます。上記のインタビュー本の帯には、騙されても裏切られても笑って許す。だけど忘れられないこともとありますね。これは、松本清張さんのことです。私が、松本さんの小説や2時間ドラマを好きになれないのは、この話を読んだことも影響しているんです。 ❤❤❤  

 

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