賢島「宝生苑」

 大好きな弁護士高林鮎子シリーズが、スカパーのホームドラマチャンネルで初回から再放送されていまして、第34作の最終作「志摩の旅・みえ6号毒殺連鎖~保険金狙いで魂を売った魔性の女!完全無欠の時刻表トリックを暴く真珠の涙と男の素顔」(2005年)が放送されました。私は初回からずっとDVDに録画していたんです。それにしても、この放送中、草加弁護士事務所の所長丹波哲郎(たんばてつろう)さんの痩せ細った、ガリガリの顔は往年の面影はまったくありませんでした。えー、これが丹波さん??!このドラマが丹波さんの遺作となったそうです(2006年逝去)。火曜サスペンス劇場の作品として続いてきたこのシリーズも、視聴率の不振で打ちきりとなってしまいました(2009年9月)。私はこのドラマの原作者の津村修介(つむらしゅうすけ)さんのアリバイ崩しが大好きで、全作品を読んでいるんですが、先生も2000年にお亡くなりになったので、もう新作を読むことはできません。

 弁護士の高林鮎子(眞野あずさ)が、ビルの工事現場から転落して植物状態になった建設会社社員・手塚文也(西川亘)の保険金について、会社側と交渉。社長の大庭隆三(天宮良)は、保険金の一部を、手塚の妻・貴子(池上季実子)に渡すことに同意する。ところが、手塚の同僚・笠原宏次(永澤俊矢、大庭が次々と毒殺される。警察の捜査の目は、手塚の妹・志穂(中山エミリ)に向けられるが…。

 このシリーズの肝はなんと言っても、竹森慎平(チンペイ)さんの鉄壁な「アリバイ崩し」にあります。今回のドラマでは、容疑者の女は三重県鳥羽市にある鳥羽水族館を観光した後に、最寄りの鳥羽駅から近鉄名古屋線の特急列車に乗り、名古屋駅で新幹線に乗り換えて東京へ帰ったと語りました。ひとつ前の特急電車に乗った同僚が鳥羽水族館に向かうその女を見送っているので、そのアリバイより早く名古屋駅に着ける特急電車に乗ることは不可能と思われました。結果、名古屋駅からアリバイ以上の早い新幹線に乗る術もなく、東京で起こった殺人事件の 発生時刻には間に合わず、最も怪しい容疑者ながらも犯行時刻のアリバイは完全に成立していたのです。この事件と関わり合うこととなった弁護士の高林鮎子は助手の竹森慎平とともに、その女の足取りを確かめるべく三重県の伊勢・志摩へ向かいます。高林鮎子が鳥羽水族館を出た時に、あるものを見てこの鉄壁なアリバイが崩れたのでした。それは鳥羽と対岸の愛知県渥美半島の先端、伊良湖を結ぶ伊勢湾フェリー。その女は同僚と駅で別れた後にすぐこのフェリーに乗船して対岸の伊良湖に移動。停めてあったレンタカーに乗って豊橋駅で新幹線に乗り、犯行時間までに東京に着いていたのでした。志摩の美しい砂浜でその女に対峙した高林鮎子の口から、例の決め台詞が出ました。「あなたのアリバイは崩れました」と。

 この「高林鮎子シリーズ」は私のお気に入りのひとつで、毎度、高林鮎子役の眞野あずささんの魅力もさることながら、相棒の竹森慎平役の橋爪 功さんとのおしどり振りも楽しく、またこのシリーズには、必ず私の大好きな旅行(アリバイを崩すための)が絡んでいて、そして最後は交通機関の時刻表に強い、橋爪さんがその仕組まれたトリックの裏付けをするのです。上記で紹介した第34話は高林鮎子シリーズの最終話となった話で、犯人役に名女優・池上季実子さんと、ラストに相応しいこれまた美しい華が添えられた話でした。  

 さて、この作品の舞台の一つとなったのが、近鉄グループの旅館「賢島 宝生苑(ほうじょうえん)」でした。ドラマの中で、そのエントランス・ロビーの映像を見た時に、私はすぐに「あ、宝生苑だ!」と分かりました。私も数年前、この五つ星の高級旅館に泊まったことがあったからです。夏の高校総文祭「将棋部門」で優勝した松江北高の女生徒を連れて、この旅館に泊まったのでした。高文連・高体連の大会では、宿泊費の上限が決められており、とてもこのような高級旅館に泊まることは通常はできないのですが、このときだけはこの旅館を会場にして「総文祭大会」が行われ、全員がここに泊まるという規程だったものですから、普段なら生徒は絶対に泊まれないような環境の中で、大会運営が行われたのでした。谷川浩二将棋連盟会長(当時)もお越しになられていました。大阪から近鉄特急に乗り、賢島入りした私たちは、タクシーでこの旅館に入ります。建物は温泉宿の雰囲気があり、大変落ち着いていて、広くて気持ちのいい空間です。3階ぶち抜き、ロビー奥に配されたアトリウム(吹き抜け)には大岩や滝、茶席が設けられ室内とは思えない大きな和風庭園が造られていました(写真右)。大浴場、庭園浴場、ボーリング場などの娯楽施設、屋外プール、海沿いの庭園とお客を飽きさせないいくつもの施設を有する近鉄グループが誇る大型旅館です。それら充実した施設もすごいの一言ですが、その最大の魅力は何と言っても窓からの絶景でしょう。賢島の海縁に建つこの旅館は入り組んだ岬や小さな島々からなる英虞湾(あごわん)言われる内海を一望し、すべての窓が絶景で飾られたような宿でした。英虞湾の夜の美しさ、黒い島影と白い光を乱反射する内海のコントラストは、闇と光の饗宴、月光の魔法、夜の女王の宮殿を静かに映していた。私も今まで様々な旅館に泊まってきましたが、こんなに素晴らしい景色に囲まれた宿に泊まったのは初めての経験でした。夜のお食事は、伊勢志摩の食材が使われており、どれを頂いても美味しかったです(生徒も教員も同じ料理を)。朝は早起きして、旅館の目の前にある海の方へと、散歩を楽しみました。館内には、東京芸大の学生が似顔絵を描いてくれるコーナーがあって、芸大の実態を語らいながら(私が担任した生徒が現役合格で芸大に行っていたので)、私も1枚描いてもらいました。あ、そうそう、この旅館は、2016年5月のG7伊勢志摩サミット」安倍首相がお泊りになった宿です。ドラマを見ながら、あの当時を懐かしく思い出していました。プライベートでもう一回泊まってみたい宿でした。 ❤❤❤

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