「変なホテル」の疑問2題

 最近、ハウステンボスの「変なホテル」に泊まってきました。⇒私の詳細なレポートはコチラです この「変なホテル」というのは、「奇妙な」ホテルという意味ではなく、変わり続けるホテル」「進化し続けるホテル」という思いを込めてネーミングされています。泊まってみていろいろなことに気づきましたが、疑問に思ったことが2つだけありました。

 一つ目は、「変なホテル」のこのロゴ、一見すると何なのか分かりませんね。コーヒーカップ?湯船かな?ホテルのロゴといえば、格調高く高級感のあるものが多いのですが、変なホテル」のこのロゴはいったい何を表しているのでしょうか?松江に帰ってからいろいろと調べてみました。実はコレ、「すやり霞(=大和絵特有の表現手法で、画面の随所に“霞”を描き込むことによって、余白的効果をもたらして画面が煩雑になるのを避けたり、日本的な遠近法として、画面の上方が標高が高いという約束ごとを積層する霞で表現する時に用いられる)という和の意匠に加えて、国蝶「オオムラサキ」の羽がモチーフになっています。蝶は幼虫からサナギへ、そして成蝶へと完全に変態する生きものです。変わる」「進化する」というホテルの哲学に沿う形でデザインされているんですね。このロゴ、公式HPをしばらく見ていると、オオムラサキ」のように羽をパタパタしてHP上を飛んでくれますよ。この画像を見て初めて納得しました。

 「変なホテル」のフロントでは、人間型の女性「ゆめこ」恐竜型ロボット2体「きぼう」「みらい」が対応してくれます。初めてロボットが働いたホテルとしてギネス認定もされています。テレビやマスコミなどで大きく報道されたので、多くの人がご存じですね。ゆめこ」は分かるにしても、なぜ「恐竜」なんでしょうか?これが二つ目の素朴な疑問でした。澤田秀雄社長の最新刊『変な経営論 澤田秀雄インタビュー』(講談社現代新書、2017年11月)を読んで、疑問が氷解しました。

 高い生産性の象徴として、フロントにロボットを立たせることは開業前から決めていた。そこで、さまざまなロボットをテストしたのである。ところが、9割がたは耐久性がなくて使えなかった。数時間もすればモーターが焼き切れてしまう。人間の世話をするべきロボットが、介護を必要とするのでは、話にならない。
 結局、もっとも強かったのが、博物館で使われていた恐竜型ロボットだった。人間がフロントにいる必要はないと考える私たちだって、「恐竜はさすがにやりすぎかな…」との思いはあった。おちょくられている気分になるお客様もいらっしゃるのではないかと。ただ、「テーマパークにあるホテルだから、恐竜でも許されるのではないか」という結論になった。
 要は、耐久性が最優先だったわけだ(1号店だけにいる人型ロボット「夢子」も、同じメーカーの作った強いロボットである)。 
 開業から2年がたつが、これらのロボットは一度も壊れたことがない。チェックアウトとチェックインのあいだの4時間は、このロボットを止める。部屋を掃除する時間帯だから、お客様にチェックインされては困るからである。それでも毎日20時間、壊れず働き続けている。人間なら、ここまで元気に働けない。
消去法でホテルの顔に決まった恐竜型ロボットは、逆にホテルのインパクトを強める結果になった。特に子供たちの人気が高いので、その後も使い続けている(1号店・2号店では小型肉食獣ヴェロキラプトルだったが、3号店では大型肉食獣ティラノサウルスにパワーアップさせた。恐竜シフトがより鮮明である)。(pp.126-128)

 そうだったのか!「いらっしゃいませ。変なホテルへようこそ」 フロントの前に立つと、恐竜型ロボットが歓迎のあいさつをしました。鋭い牙や爪をむき出しにして、ややドスの効いた声で応対されるのはかなり恐ろしい感じがしますが、「本人」は制帽、蝶ネクタイに身を包んで、目をパチパチ動かし、口をガバッーと開けたり、身振り手振り(?)を交えながら、うやうやしくお辞儀するなどし、いたって真摯に接客にあたっていましたよ。 ❤❤❤ 

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