一カ所だけ間違えろ!

 昨年9月21日放送の「アウト×デラックス」(フジテレビ系)で、大好きな推理小説作家・西村京太郎先生が、電車オタクたちから、ものすごく苦情が来ることを明らかにしましたね。これは面白かった。サスペンスやミステリードラマの原作も多く手がける西村先生をゲストに、ナインティナインの矢部浩之さんとマツコ・デラックスさんがトークを繰り広げた番組でした。西村先生の作品は、鉄道関係の緻密なトリック(例えば「蜃気楼ダイヤコチラです)で有名ですが、最近では寝台列車そのものが無くなってしまったり、列車の窓が全部開かなくなったりしたことから、トリックを創作しずらくなった、とおっしゃっておられました。また、トリック以外にも困っていることがあるとして、列車の詳細な記述を間違えると、ミステリー小説なのに、電車オタクから苦情が来る」「それはすごいですよ」と訴えました。マツコが「そこは大目に見ないんですね」と尋ねると、西村氏は「全然見ないですね」と率直に告白。例として、電車の型番などを間違えると「違ってるぞ!」「見つけたぞ!」という嬉しそうな抗議のクレームがどっと来る、と打ち明けました。一方、出版社の方では「1カ所だけ」間違えろ、と言ってくるのだそうです。その方が、本が売れるのだとか。この暴露話には矢部さんもマツコさんも苦笑し、西村先生「せちがらい世の中なんで…」と漏らしておられました。それを意図的に狙っている出版社の担当者も、相当な策士ですね。本来であれば口やかましいクレーマーとして迷惑・邪魔な存在でしかない「鉄道オタク」を、見事に掌の上で転がしていますものね。おそらく本の中に間違いがあると、一気にオタクの間で大きな話題となって広まり、莫大な宣伝効果が生まれるのでしょう。さらにオタク特有のこだわり気質も相まって、問題箇所が異常に気になってついつい買ってしまう。「鉄オタマーケティング」とでも呼んだらいいのでしょうか。商品にあえてミス(一般人は気づかない程度ですよ)を残しておくというのは、新手のマーケティング手法かもしれません(笑)。

 最新の西村先生の601冊目となる作品、『出雲伝説と木次線』(実業之日本社、2018年1月、840円税別)でそのことを見てみましょうか。この本、私の全く知らない出雲の「スサノオ伝説」に関して本当によく調べて書いておられます。出雲の歴史の勉強にもなる本でした。さて、

 高木と百竹は、山陰本線の宍道駅の三番ホームにいた。木次線の発着ホームである。(中略)「私は、今、いったように、長野県に行かなければならないから、今回の事件については、何も、できないんだよ」と、いってから、「間もなく、京都行の山陰本線の列車が、到着する。失礼するよ」と、立ち上がった。

 宍道駅で、京都行きの山陰本線の列車など存在しません!昔ならまだしも、現在の島根県には京都へ行く列車などないのです。まあ、こんな具合ですかね(笑)。そういえば私自身も、昔の西村先生の小説で松江温泉(現在はしんじ湖温泉)の記述がオカシイことに気づいて、出版社に注意を促したこともありましたっけ。もちろん返事なんか来ませんよ(笑)。

 今私は、602冊目となる『広島電鉄殺人事件』(新潮社、2018年1月)を、そして再刊された『急行奥只見殺人事件』(祥伝社、2018年1月)をチェックしながら丹念に読んでいるところです(笑)。結果は果たして…?

 これに習って、私も授業の中で、1カ所わざと間違える(スリルとサスペンス?)ということを実験的に試みてみました。さすがに北高生、すぐさま反応して誤りを見抜いていましたね。ちょっとこれ病みつきになるかも(笑)。❤❤❤ 

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