日本三景「天橋立」

 むかしむかし、大昔。この世にまだ、天と海しかなかった頃のお話じゃ。高い高い空よりも高い神様の国から、二人の若い神様が長い長い矛を担いで、空の中ほどにかかる浮橋を降りてきた。そうして二人の神様は、浮橋の上から長い矛で下の世界をえんやらえんやらかきまわした。そうして矛を引き上げると、矛の先からしずくが落ち、塩が固まって一つの島が出来上がった。そうやって二人の神様は、また矛を海に降ろし、いくつもの島を生んだのじゃった。生まれた島々は大層な出来栄えで、たくさんの神様達が見物に集まって、大喜びで下の世界にできた島々を見下ろした。そのうち、神様達は口々にあの島に降りてみたいと言い始めた。そこで、神様達は島に降りる道を創ってもらうため「道の神様」にお願いに行ったそうじゃ。思慮深い道の神様はしばらく考えておったが、「神様達だけが、本当に入用な時にだけ使うこと」を条件に、神様の国から下の島へ梯子の道をつけたのじゃった。大喜びした神様達が梯子を伝って降りていくと、下の島では美しい娘達が遊んでおった。神様達は娘達とたちまち仲良くなって、歌ったり踊ったり、幾日も楽しい時を過ごしたのじゃった。ところがある時、娘達は梯子を見上げて、自分達も神の国へ行ってみたいと言い出した。神様達は困った挙句「声を立てないこと」を条件に、内緒で娘達を連れていくことにしたそうじゃ。神様達は娘達の手を引いて梯子を登って行った。じゃが、登るにつれて美しい島々の景色が見え始め、娘達は嬉しくなって大声をあげて騒ぎ始めた。すると、その声を聞きつけて道の神様が目を覚ましたそうじゃ。道の神様は大変お怒りになり、イカヅチを落として天地をつないだ長い梯子をくだくだに砕いてしもうた。その梯子のかけらの一つが、京都府の宮津湾に落ちたそうじゃ。今も、宮津湾にある天の橋立がその時の梯子のかけらじゃと言われておる。

   約4000年前に川から流出した砂や小石が海流とぶつかって、直線状に積み上がってできたとされる日本三景の天橋立。全長3.6キロに及ぶ砂州ですが、その成り立ちは、今もって分かってはいません。古来より景勝地として知られ、多くの文人墨客に愛されてきました。私の大好きな西村京太郎先生の『丹後殺人迷路』は、まさにここを舞台に繰り広げられるミステリーです。天橋立の入口にある、駅南側エリアの「文殊エリア」に到着しました。天橋立へ渡る「廻旋橋」や、智恵を授かる文殊さまとして親しまれている「智恩寺」があり、土産物屋さんも軒を並べています。「智恩寺」は大同3年(808年)に平城天皇の勅願で創建された「日本三文殊」の一つです。混沌とした現代社会にも、知恵を授けて欲しいところですね。境内を出てすぐ、海際の観光船乗り場の近くには「智恵の輪灯篭」があります。本来は船の航行を見守る輪灯籠です。3回くぐると智恵を授かるとの言い伝えがありますが、海に突き出すように建っており、これは到底無理、無理、至難の業です(笑)。

 ドラマでは、十津川警部が「智恩寺」から天橋立に行こうとして、亀井刑事から「天橋立の風景は傘松公園の展望台に行かなきゃ見られません」と教えられます。天橋立を渡る方法は、徒歩・レンタサイクル・観光船の3つが選べるんですが、私は「天橋立観光船」で渡ることにしました。あまり観光時間もないことから、できるだけ早く駅に戻ってきたかったんです。天橋立の両岸を12分ほどで結んでいます。向こう岸に着くと、少し歩いて、有名な天橋立の「股のぞき」を体感ができる傘松公園」を目指すために、ケーブルカーに乗ります。15分おきに発車しており、所要時間は約4分です。かなりの急角度で昇って行きます。

 スカイテラスに到着しました。天橋立を北側から一望するスポットで、ここから見る眺めは「昇龍観」と呼ばれ、まるで龍が天に昇っていくような姿です。有名な見学の仕方「股のぞき」発祥の地です。デッキの上に立ち、股の間から天橋立を見ることを「股のぞき」と呼んでいて、逆さにのぞく「斜め一文字」のその景色は、海と空が逆になり、まさに天に架かる浮き橋のように見えるんです。開放感あふれる円形のウッドデッキ、椅子やテーブルが設置されたスカイテラスなど、公園内の各所から天橋立のダイナミックな景色を楽しむことが出来ました。天橋立(傘松公園)の観光大使として、美しい環境を守るとともに、観光客を優しくもてなすし、天橋立のことなら何でも知っている観光ナビゲーター「かさぼう」がお出迎えです。なんでも、天に架かっていた橋が倒れて天橋立ができた時、その一部が落ちる途中で妖精となり、人里離れた山の上(現在の傘松)へ舞い降り、以来、ずっと傘松に住み、天橋立を見守っているそうです。運試しの「かわらけ投げ」(3枚200円)も楽しめます。なが~い柱の先についた輪っかのなかに、円盤状の「かわらけ」(土器)を 投げて、うまく輪の中をくぐると開運が訪れるかも?!というものです。コントロールに自信の無い(?)私はやりませんでしたけどね(笑)。あ、そうそう。もう一カ所反対側の「天橋立ビューランド」では「飛龍観」を見ることが出来るんですけど、今回は時間がなかったので行けませんでした。

  2016年の「イグ・ノーベル賞」「知覚賞」を受賞したのが、立命館大学の東山篤規特任教授(ひがしやまあつき、心理学)の「股のぞき効果」でした。立った姿勢でものを見る習慣がある人間は、習慣と違うことをすると脳が混乱する。前屈みになって股の間から後ろ方向にものを見ると、風景の奥行きがなくなり、遠くのものが小さく見え、なおかつ実際よりも手前にあるように見える、というものです。天地が逆さまになり、直立して見る景色とは異なり遠くのものが小さく、かつ手前にあるように見えるのです。❤❤❤

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