英単語倍増計画

 3月になりました。2月いっぱいで三年生・補習科の授業も全部終了して、3月中は授業が全くないので、久しぶりに家でノンビリすることができます。原稿執筆、読書三昧、旅行三昧の日々を送ろうと思っています。さあ、どこへ行こうか?

 センター試験が終わってから、二次試験に向けて、毎日英文読解の難しい問題を取り上げて読んできましたが、英語の勉強は、何といっても「単語の勉強」に尽きる所があります。私は8割までは単語が占める、と生徒にいつも言っています。生徒たちが一番苦労しているのも、英単語の暗記です。どうやって単語を忘れないように記憶に定着させてやることができるか、それが一番の教室での苦労なんです。まず英語の成績を上げたければ、単語を必死こいてやりましょう。

 そんな中、私のたどりついた解決方法は、接頭辞・語幹・接尾辞を使うことでした。当時、松江北高で教鞭をとっておられた、故・山本和夫(やまもとかずお)先生(島根県立短期大学教授)にその面白さを教えていただきました。山本先生はまだ若くしてお亡くなりになったんですが、先生に教えていただけたことで、単語勉強の大きなヒントをいただくことができました。実に運が良かったと思います。幸運な巡り会いに感謝しているところです。先生とは、玉造温泉の旅館の大浴場の中で、偶然お目にかかってご挨拶したのが、最後となりました。

 先日も、京都大学の入試問題を読んでいて、eruption(噴火), abruptly(突然に), interrupt(邪魔する)という、いずれもruptを含んだ単語が続けざまに出てきました。これをバラバラに覚えるのは実に効率が悪い。私はrupt(破れる、崩れる)が出てくると、風船がパ-ンと破裂するイメージ」と、生徒には伝えています。そのように理解すると、eruptはe+rupt(破れて外へ出る→噴火する)、それに名詞の語尾-tionがついたもの、 abrupt はab+rupt(静寂を破って離す→突然の)、それに副詞の語尾-lyがついたもの、 interruptは inter+rupt(間に入って静寂を破る→邪魔をする)と、その意味するところが簡単に見えるようになりますね。生徒たちがよく知っているbankrupt もbank+rupt(銀行が壊れた→破産した)、  corruptも  con+rupt(一緒に(人間性が)壊れた→腐敗した・堕落した)と確認することができます。実は、お馴染みのroute(道路)も「切り開かれた道」から、routine(日課)も「日々崩れることのない一定の小さな道筋」から来た単語なんです。大学へ行って学ぶであろう rupture(破裂、ヘルニア)やdisrupt(混乱させる、分裂させる)も、rupt(破れる)という語根を押さえておくことで、容易に理解できますね。私は高校一年生入学時から、教科書に出てきた単語を取り上げて、少しずつ「語根」を指導してきました。そうすると三年生ぐらいになると、ある程度貯まった「語根」の知識で、他の単語との相関性が見えるようになってきます。ここが狙い目なんです。知らない単語のおおよその意味が見えたり、他の単語との関連性が分かったりすることで、語彙力」を大きく伸ばすことが出来るんです。単語の成り立ちを「頭」「お腹」「しっぽ」というように、パーツに分解して理解するのです。ちょうど日本語の漢字が、「偏」「つくり」から出来上がっているのと同じですね。こういう「勉強法」を長年実践してきましたが、医学部や薬学部に進んだ卒業生たちからずいぶん感謝されました。専門用語の理解が楽になったというのです。このような勉強法の利点としては(1)語彙力アップにつながり、そしてさらに良いことに、(2)覚えた単語を忘れにくい、(3)他の多くの未知語に応用できる、(4)大学、社会人と一生語彙の勉強を続けることができる、といった点が挙げられるでしょう。今日、本屋さんをのぞいたところ、田畑あや子『絵で見て、らくらく記憶 会話で使える英単語をどんどん増やす』(永岡書店、2018年2月)という、単語のアタマオシリを利用した語彙力増強ブックが並んでいました。分かりやすい絵で頭に入りやすく工夫されています。ぜひみなさん、授業に盛り込んでみてください。

 身近なところでは、『ライトハウス英和辞典』(第6版)の目次(p.8)に「単語の記憶」のコラムの一覧表が出ていますから、これらを拾い読みするところから始めるとよいと思います。このコラムをまとめられた私たちの仲間、池田和夫(いけだかずお)先生の労作『語根で覚える英単語』(研究社、2008年)『語根で覚える英単語プラス』(研究社、2010年)の2冊も役立つでしょう。私はこのような「単語の覚え方」を、約200枚のプリント「語根の指導」にまとめて、松江北高で、1日1枚ずつ昼休みに配布していました。職員室前に長蛇の行列ができたというのは、北高の歴史にもなかったことでした。その中でも、特に代表的な物だけを取り上げて、八幡成人『英単語はアタマ・オナカ・シッポで攻略だ!』(400円、自費出版、2011年)としてまとめています。少しでも効果的に、楽に単語の暗記に努力してもらいたい、そして大学受験だけでなく大学に進んでからも、さらに社会に出てからも英語の勉強を続けてもらいたい、という思いでこのような指導を続けています。この本は、全国でもたくさんの先生方にお求めいただいて、喜んでいただきました。今でも時々、欲しいと言って問い合わせをいただく先生がおられるんですが、全部売り切れてしまい現在品切れです。当時の先生方からいただいた感想です。

●英単語攻略本は内容はもちろんですが、ヴィジュアル的にもすばらしく、松江北高校の生徒さん達が行列を作ってもらいに行くのもわかります。また、この本に書かれていることは高校を卒業してからも、英語の勉強を続けていくのに大変役立つもので…(以下略)

●中身を見てびっくりいたしました。大学受験だけでなく、その後、大学生、社会人になってもずっと役立ちますね。早速英語科の教員に紹介しました。

●なんだかんだいって語彙は多くの生徒が苦しみ、少しでもラクできないかと思うところです。アルファベットの綴りが暗号のようにしか見えない生徒にとって、この冊子は大いに助けになると思いました。


 tend(伸びる)ject(投げる)を含んだ英単語を例に、このような「勉強の仕方」を分かりやすくビジュアルにまとめた資料を「ダウンロードサイト」に登録しておきました。ぜひご覧下さい。❤❤❤

・「英単語記憶法~tend/jectを例に」島根県立松江北高等学校 八幡成人  ⇒コチラです

 

 

 

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