『ことばを編む』刊行!

 東京・開拓社から、3月5日に、西岡宣明・福田稔・松瀬憲司・長谷信夫・緒方隆文・橋本美喜男(編)『ことばを編む』(7,000円 税別)という研究論文集が出版されます。この本は、37年の長きにわたり、教育、研究に没頭され、多くの教え子を育てていらっしゃった、熊本大学・登田龍彦(とだたつひこ)教授の定年退職を祝して、友人、同僚、教え子たちが寄稿した40篇から成る研究論文集です。論文の内容は統語論・意味論・語用論・機能論・語法・音声学・音韻論・形態論・言語習得・英語教育・方言学・文体論・文学と多岐にわたり、登田教授のことばの研究と教育を通してつながった学徒たちが、教授への心からの思いを込めて丹念に編み込んだ一冊です。こんな表紙です。

 登田龍彦先生は、私の大学時代の英語研究室の先輩で、当時は生成文法まっさかりの時代。N.チョムスキーの生成文法書を「読書会」で一緒に読もうと声を掛けていただき、生成文法に触れるきっかけを作っていだだきました。いつも「こんな面白い論文があるよ」と、知的好奇心を刺激していただける素晴らしい先輩でした。当時から“there be構文”に強い関心を抱いておられ、いろいろと教えて頂いたのもいい思い出です。名古屋大学の博士課程を終えられ、研究者となられてからもこの問題を追及され、ご研究を完成されました。熊本大学では、教育学部長、研究科長、評議員の要職をお務めになられました。2012年の10月に私が、熊本「Z会セミナー」(⇒会の様子はコチラです)でお邪魔した際には、懇親会が終わった後に、ご自宅を訪問して数十年振りの再会に昔話に花が咲きました。

 さて、私がこの本に寄稿したのは「The other dayの語法」という調査結果です。「日本語の「先日」より現在に近いこともあり,場合によっては1日前のこともある.という、『ジーニアス英和辞典』(2014)、『プラクティカルジーニアス英和辞典』(2004)、『アクティブジーニアス英和辞典』(1999)、『ジーニアス和英辞典』(2011)に挙がっている注記の問題点を分析したものです。結論的には次の通りです:

(1)the other dayの本質的な意味は、近い過去を表すあいまいな表現であって、話し手の状況に応じて幅のある表現であり、現在では通例「数日前」を表すのが一般的である。
(2) 「昨日」の意味での使用は不可能ではないにしても、一般的ではなく《まれ》である。
(3)いくつかの辞書に収録されているthe other morning/ afternoon/ evening/ weekなどの表現は容認度が低い。the other nightは普通の表現である。
(4)かなり以前に起こったことでも、この句を使うことで、あたかも近い最近に起こったような印象を与えることが可能になる。

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