日本電産~永守重信

 平昌オリンピックの女子スケートで、金メダルを2つ(パーシュート&マススタート)取った高木菜那(たかぎなな)選手が所属しているのが「日本電産」です。1973年(昭和48年)、京都で4人でプレハブ小屋から始めた会社が、小型モーターの世界的企業に急成長しました(売り上げ高1兆円を超える43カ国300社以上のグループ会社を抱える巨大企業です)。永守重信(ながもりしげのぶ)会長(73歳、最近社長を譲り会長職に就任)は、会社と自分のポケットマネーから、金メダル1個につき報奨金2,000万円、したがって2個で4,000万円を高木選手に贈りました。実に太っ腹ですね。三階級特進で係長にサプライズ昇進もついていました。「一番以外はビリや」というぐらい負けず嫌いの永守会長。「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」「能力差5倍、意識差100倍」「当たり前のことを当たり前にやれる会社にせよ」「24時間は誰にも平等である」「困難は解決策をつれてやってくる」「1週間練習しないと聴衆に分かり、3日練習しないと同僚に分かり、1日練習しないと自分に分かる」「花の咲かない冬の日は、下へ下へと根を伸ばせ」「一匹のオオカミが率いる49匹の羊の集団と、1匹の羊が率いる49匹のオオカミの集団が戦ったなら、オオカミがリーダーの集団が勝つ」(川勝宣昭『日本電産永守重信社長からのファクス42枚』(プレジデント社、2016年))。私は、このような永守重信さんの生き方・考え方には、若い頃から共鳴するところが多く、今でも永守さんの本は全部読んでいます。私が永守さんの本を最初に読んで、強く感動したときの話はコチラに書きました。彼のおっしゃっていることは、全部教員にも当てはまることなんです。

★ユニークな社員採用試験!!

 永守さんは6年間のサラリーマンを経験した後、まだ会社を興して間もない頃から(28歳で起業)、勉強はできないが、本当は素質を持っている人の発見法を見つけました。それによれば「この人は仕事ができるな!」と感じた人の共通点は、①声が大きいこと ②食事が早いこと ③出勤時間が早いこと だったそうです(ちなみに私も全部当てはまります(笑))。そこで「日本電産」では、早速会社の採用試験に、これらを利用したのはあまりにも有名な話ですね。まだ無名企業だった時代から、異色のモーター専門メーカーとして、少しずつ名が知れ渡り始めた頃の話です。

■昭和51年  大声試験
■昭和53年  早メシ試験
■昭和54年  便所掃除試験
■昭和55年  早く試験場に来た人を採用
■昭和56年  留年組ばかりの中から採用

 他社で行っているようなペーパーテストは一切廃止して、受験者の行動の仕方から、能力を判定しようとした独特の入社試験でした。入社後の追跡調査の結果、『満点に近い採用方法だった』と、後から言えたのはどれだったと思いますか?

 「早メシ試験」でした。応募者に昼食用の弁当を出し、早く食べ終わった者から合格とするものでした。試験当日、仕出し弁当屋さんには、スルメや煮干しなど、噛まないと飲み込めないようなおかずばかり入れて欲しいと注文しました。弁当屋さんは目をシロクロ。事前に永守社長や社員が試食したところ、一番遅い社員でも10分だったので、10分以内で食べ終えた学生33名を無条件で採用しました。それら全員が、もののみごとに同社の中心格に成長したと言います。他の社員にもこの固メシ弁当を内緒で食べさせてみたところ、10分以上かかった人はゼロであったし、出世の早い人ほどタイムも短いことが分かったと言います。「やりっ放し」にせずにこうやって事後に検証しているのもすごいですね。「知識と能力は全く別物」であって、厳しい変化の時代には、変化に適応する柔軟な能力が必要であり、知的な人よりも動物的な人の方が強いという、永守さん独自の信念に基づくユニークな選抜方法でした。

 昭和55年には、試験場に早く到着した者から順番に採用しています。この採用試験を実施する前に、社内の一定期間のデータを調べてみたら、出社時間の早い、遅いによって、成績に差があることが分かったために、この基準を採用条件にしたと言います(私の長い経験でも、朝早く学校に来る先生は仕事のできる人が多い)。どちらも、日本電産が創業時から最も重要視している「スピード」に、当時からこだわっていたことが分かりますね。

 永守さんの考えはこうです。「早飯、早便など何事も手早い人間は仕事も早い。リーダーシップを発揮して人を引っ張る人材は、自信があるから声も大きい。試験場に早く来るのは、『先んずれば人を制す』という気持ちがあるから」。創業間もない企業に、一流大学の学生からどんどん応募が来ることは普通あり得ません。それなのに一般の企業と同じ学科試験や常識テストをして、点数の高い学生を採用したのでは、絶対に大企業には勝てません。「1点だけでも人に負けない面を見つけよう」という切なる思いと、「歩を金にする」(=歩の“人材”を確実に育ててト金にする)という発想で、採用試験を行っていたのでした。すごい!! ❤❤❤

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