読書三昧

 松江北高の生徒たちが年々本を読まなくなっていますが、彼らが口を揃えて言うことが、「本を読む時間がない」です。そういうことを言う生徒たち(大人も含めて)は、じゃあ時間があれば本を読むかというと、決して読むことはないでしょう。問題の本質はもっと違うところにある、というのが私の意見です。

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 元松江北高の校長で、東出雲町町長在職時、2010年末に急死された鞁嶋弘明(かわしまひろあき)先生(私の教員としてのスタートは島根県立平田高等学校で鞁嶋先生のクラスの副担任、職員室の席も隣で教務部の時間割担当からスタートしました)は、まず小学校3校、中学校1校に専任の学校司書を配置されました。そしてとてつもない規模と中身の東出雲町立中学校図書館を作られました。その結果、素晴らしい成果を残され、モデル校として見学者が絶えません。なぜ先生は学校図書館の充実に尽力されたか?というと、実は松江北高の進路部長、校長時代の経験に遡ることができます。北高で、学年の途中から、ぐ~んと成績が伸びる生徒がいるので、なぜか?と思って調べて追跡してみたところ、その生徒たちの共通点は、とてもよく本を読んできた生徒だったのです。以来、松江北高が毎年図書館の書籍購入予算(県下NO.1)にことのほか力を入れて頂いているのには(財政難で県内のどこの学校も図書購入費を削る傾向にある)、こんな歴史があったのです。

 確かに、本が売れない時代になっています。1995年に2.6兆円だった出版業界は、今ではその半分の売り上げになっているといいます。電子書籍も登場しました。しかしそれでもやはり、読書は人の心を豊かにし、人間としての知的好奇心を刺激してくれる極めて有効な手段です。尊敬する出版プロデューサーの川北義則(かわきたよしのり)さんは、『死ぬまで好奇心!』(海竜社、2017年12月)の中で、読書という行為は、読む人間の頭の中に「?」や「!」を芽生えさせる。「なんだこりゃ」という疑問と「なるほど」という驚きである。これこそが、知的好奇心のタネなのである。読書は、錆びつつある脳の動きを活性化する手っ取り早い方法なのだ」「そして、読書が習慣化されると、自然と新聞や雑誌などの他の活字への反応もシャープになっていくのだとおっしゃっておられましたが、まさに同感です。キーワードは、この「好奇心」「自己変革」なんです。これがある人とない人の中の一番大きな要素が、「読書」であると私は考えています。別に本を読まなくても、人間生きていけますものね。

 高校時代はエラリー・クイーンを読みまくりました。大学に行ってからは、アガサ・クリスティエド・マクベインに夢中になりました。私は昔、梨木香歩さんの『西の魔女が死んだ』や、辻村深月さんの『ツナグ』を読んだ時の感動を今でも忘れることができません。私は、英語、小説、ミステリー、自己啓発、プロレス、野球、文房具、将棋、音楽、写真、グルメと、ありとあらゆるジャンルの本を読みまくります。江口克彦、川北義則、中島孝志、稲盛和夫、野村克也、 西村京太郎、デイビッド・セイン、Robin Cook, Danielle Steelの熱狂的ファンで、新刊本はすべて読みます。ひんぱんに今井書店(センター店・学園店)を訪れては、ブラブラと本を狩猟しています。そして毎日、『朝日新聞』『読売新聞』『日本経済新聞』『産経新聞』『スポーツ報知』『日刊スポーツ』『大阪スポーツ』週刊のStudent Timesに目を通して、気になる記事はスクラップしています。これらが「ネタ帳」(⇒コチラに詳細が)となって、私のバックボーンを形成しています。今年度は常勤から解放されたことあって、冬休みになってからは、1月5日まで一度も学校に出ず(教員になって初めてのことです)、家で原稿執筆に明け暮れました。そのおかげで、本当にたくさんの本を読むことができ、ハッピーでした。

 「全国大学生協連」(東京)は2月26日、1日の読書時間について、大学生の53%が「ゼロ」と回答した(文系48.6% 理系54.5%)、との衝撃的な調査結果を発表しました。半数を超えたのは、この調査に「読書時間」の項目が入った2004年以降、初めてのことです。著しい「本離れ」が若い世代で進行していて、本を読む学生と読まない学生の「二極化」が著しい実態が明確になり、アルバイトをしている大学生に読書時間ゼロが多い、との結果も報告されました。調査結果の分析を担当した浜嶋幸司同志社大准教授(学習支援)は、「高校までの読書習慣が全体的に身に付いていないことの影響が大きい」と指摘しています。確かに高校生の時に、図書館の常連だった人は、進学してからも大人になってからも、読書を続けているようです。そういう意味では「図書館教育」は大切ですね。この調査は「第53回学生生活実態調査」で、大学生の1日の読書時間は平均23.6分。ゼロと答えた学生は53.1%。読書時間ゼロを除いた「読む学生」の平均読書時間は51.1分。前年よりも2.5分伸びていて「二極化」を示しました。書籍費の平均額は、金額・支出に占める割合は共に1970年以降最低です。自宅生は1ヶ月1340円、下宿生が1510円でした。問題の本質は、本を読まなくても卒業できてしまう大学の授業内容にもあると思います。私の大学生時代では考えられない現象です。バイトでお金を貯めては、岡山の丸善や紀伊國屋に行っていたことが懐かしく思いだされます。教員になりたての頃は(今から40年以上前)、毎月本代に充てることのできたのは5,000円でした。ボーナス時にはお金を持って都会の洋書売り場に出かけたものです。いろいろな所で仕事をさせていただくようになってからは、毎月本代に10万円近くを充てています(洋書は高いんです)。❤❤❤

付箋の貼られた本のイラスト(横書き)
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