lead a dog’s life

 以前にこのブログで、lead a dog’s lifeという成句の意味について、書いたことがあります。再録してみます。

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    lead a dog’s life「みじめな生活を送る、苦労の多い生活をする」という成句に新しい意味があることに気付いたのはもうずいぶん前のことで、Gyles Brandreth, Everyman’s Modern Phrase & Fable (1990)を拾い読みしていたときでした。そこには「興味深いことに、最近ペットの犬が過保護になっていることから、この句は時に皮肉あるいは不正確に、贅沢で心配一つない生活を送の意味で使われる」と、書いてあったのです。「ペット犬のように贅沢な暮らしをする」という意味で使われることがあるということです。イルソン博士に実情をお伺いすると、そのような意味の可能性は認められたものの、まだ辞書への収録は必要ないとのことでした。今度はアメリカ英語での実態をアルジオ博士に調査してもらいました(1991年ジョージア大学での調査)。それによると、52%が悪い意味に、47%が良い意味に、2%が文脈により両義が可能としました。さらには、年配の人は悪い意味に、若い人は良い意味に取る傾向が観察されました。明らかに犬の生活の向上と共に、この成句の持つ意味合いに変化が生まれようとしていることだけは間違いありません。Brandreth(1990)が観察した、”ironically or inaccurately”という但し書きは、良い意味に取ると答えた学生たちには全く無縁のものでした。以来、20年間注意して見ていますが、辞書の扱いには変更はなさそうです。さらに今後の変化に注意が必要な成句です。

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 このことを私は、1996年に島根県立松江南高等学校時代に『研究紀要』No.21に、現代英語の語法観察」として発表しています。この懐かしい論考を「ダウンロードサイト」に登録しておきました。若い頃はこんな問題に興味を抱いていたんだな、ということがよく分かりますね。lamely,  cheap price, wedding night, have only to, police box, traffic light(s)などの諸問題を取り上げています。興味のある方はご覧ください。

・八幡成人「現代英語の語法観察」『研究紀要』No.21 島根県立松江南高等学校、1996年  ⇒コチラです

 あれから20年以上が経過し、気をつけていますが、まだ辞典への収録にはいたってはいないようです。人間以上に手をかけてもらっている犬もたくさんいますからね(人間の散髪代よりもはるかにトリミングの料金が高い。食べるものも高価。ホテルまである!)。私はいち早く『カレッジライトハウス英和辞典』(研究社、1995年)その改訂版『ルミナス英和辞典』(第2版、研究社、2005年)において「[皮肉](飼犬のように)気楽に暮らす」という記述を入れておきました。今日もALTのエドワード先生とこの句について話しておりましたが、先生は良い意味に取ると言っておられました。いずれにしても、「〔大事にされる飼い犬のような〕ぜいたくな暮らしを送る」という意味が生まれてくるのは、当然の成り行きだと思われます。❤❤❤

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