野宮神社

 大好きな故・渡瀬恒彦さんの十津川警部シリーズ第16作『寝台急行銀河殺人事件』では、警察エリートの三浦警視が十津川警部を、京都野宮神社(ののみやじんじゃ)へ案内するシーンがあります。私は最初「のみやじんじゃ」かと思っていました。「ののみやじんじゃ」です。

 みどりが急に行きたいと言い出した野宮神社のことが気になった十津川は、京都へ向か
う。新幹線で、大阪へ向かう理恵と出くわす十津川。十津川が無断で星野に事情聴取をし
たことが大阪府警の上層部にバレ、呼び出しを食らったのだと言う。
「上から圧力でも?」
「圧力でなく苦情です。相手は小山内の身内なんです。で、星野はクロでしたか?」
「シロです」
「ご納得いただけてよかったわ。だから聞き込みの必要はないって言ったのに」
「必要の有る無しは結果判断ですから」
「さすが敏腕十津川警部、カッコいいことおっしゃるわ」
 十津川が野宮神社へ行こうとしていることを知った理恵は、案内を買って出る。嵯峨野
の野宮神社は、縁結びの神として有名な場所だった。自分と好きな人の名前を奉納木に書
いて納めると、2人は末永く結ばれると言われている。今は警察という男社会でバリバリ
働いている理恵も、若かりし頃はよく縁結びを祈願したという。理恵の意外な一面を見て、
十津川は微笑ましい気持になる。

 私も以前、嵯峨野見物で、竹林を抜けてお参りした、ひっそりとした清らかなたたずまいの中にも、どことなく華やかな雰囲気のある素敵な神社です。「嵯峨野巡り」の起点として多くの観光客が訪れる場所でもあります。えんむすびの神様、子宝安産の神様として全国から崇敬を集めています。もともとは「斎王」「潔斎」(身を清める)するのに使われた場所でした。斎王に選ばれた皇女が、伊勢で奉仕に就く前に皇居内で1年あまり潔斎し、それが終わると、浄野(汚れのない地)に仮の宮(野宮)を建ててそこに移って、さらに3年間世俗を離れて潔斎し清廉な日々を送った後、伊勢神宮に向かうことになっていたそうです。宮が野にあることから「野の宮」と呼ばれるようになったそうです。その中で神社として後生に残ったのが、この野宮神社なんだそうです。チョット歴史を勉強したぞ!あのミステリーの女王山村美紗(やまむらみさ)さんも、作品の中に登場させておられます(下記参照)。

 「源氏物語」にも登場する「野宮神社」「黒木鳥居」は、ここでも見ることが出来ます。樹皮のついたまま建てられる原始的な鳥居です。普通私たちが見る鳥居は、朱色に塗られたものですよね。でも「野宮神社」の鳥居は、下の写真でも分かる通り、木の皮を剥がずに、木の質感をそのままに使ったものでした。平安時代当時の様子を残したいという思いから、古来の様式をそのまま使った、と説明を受けました。縁結びの神様として有名ですが、子宝や学問、安産、病気平癒、商売繁盛など多彩や御利益がある神社だそうです。境内社、大黒天の左側にある「亀石」を祈りを込めてさすると、一年以内に結ばれる(願いが叶う)という伝説もあります。霊験あらたかな石ですね。私もなでなでしてきました(笑)。❤❤❤


 嵯峨野は、京都市の北西にある美しい竹林の里である。
 天竜寺の壮大な山門を左に折れると、竹藪がはじまる。
 その小路を、しばらく行くと、野宮神社がある。
 嵯峨野めぐりの起点は、この野宮神社である。
伊勢神宮の斎宮に選ばれた未婚の皇女が、伊勢にくだるのに先だち、潔斎のために、一年
間、おこもりをするため建てられた宮であるためか、何となく、清らかな中にも、淋しい
感じがするたたずまいである。
 ここは、また、「源氏物語」で、光源氏との恋に破れた六条御息所が、斎宮に選ばれ潔
斎する一人娘につき添い失意の日々を送ったとされているところである
      ―山村美紗『京都嵯峨野殺人事件』

 

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