栗城史多さん遭難死!

 今から5年前、松江北高2013年の学園祭「紅陵祭」の記念講演は、島根県民会館で、栗城史多(くりきのぶかず)さん(35歳)の「NO LIMIT~限界という壁を超えて」でした。凍傷で壊死した両手の指を包帯でグルグル巻きにした状態で、大学登山部での登山との出会い、山登りの喜び、苦しみの体験談、現在の苦労話を伺いました。インターネットで登山の様子をリアルタイムで生中継するという新しい試みと、資金調達・スポンサー探しの苦労に関して、興味深いお話をお聞きしました。この講演を聞いた直後に、栗城さんの『一歩を超える勇気』(サンマーク文庫)を読んで、「一生懸命に生きる。弱音を吐かない、そして最期に『ありがとう』と言える人生を送ること」という言葉に感動したのを覚えています。

 世界最高峰エベレスト(8848メートル)登頂を目指していたその栗城さんが、5月21日、遺体で発見されました。栗城さんは「無酸素」「単独」でのエベレスト登頂を目指しており、過去7回失敗しており、今回が8度目の挑戦でした。2009年に初めてエベレストに北側から挑戦し、2010年には南側から挑戦も失敗。2011年は7800メートル地点でカラスに食料を食い荒らされテント用ポールも無くしたことから登頂を断念します。そして2012年の挑戦では、ヒマラヤのジェット気流の強風に悩まされ断念。下山途中に両手、両脚、鼻に重度の凍傷を負い、両手の指9本の大部分を失っていました。それでもエベレスト挑戦を続け、2015年、2016年、2017年も挑戦しましたが、ことごとくその壁にはね返され断念、今回が8度目の挑戦でした。「苦しみも困難も感じ、感謝しながら、登ってます」「体調が悪く、7400メートル地点から下山することになりました」と伝えたのが最後のメッセージとなりました。下山途中に無線連絡に反応がなくなり、捜索の結果、低体温で息絶えた栗城さんが発見されました。登山技術や経験に危ぶむ声も聞いたことがありますが、揺るぎない夢の実現に奮闘した姿は素晴らしいものがあります。5年前に栗城さんの生の声を聞くことができたことは、得がたい体験でした。心より御冥福をお祈りいたします。😢😢😢