北九州市立大学の言語学の准教授であり、福岡で新聞連載・レギュラー番組を持つ注目のアメリカ人女性“アンちゃん”ことアン・クレシーニ先生(アンちゃん)の『バリバリウケるジャパングリッシュ』(アルク ソクデジBOOKS、2018年4月)はもう読まれましたか?「和製英語」の読み物として、とっても面白いです。先生方にオススメしておきますね。私たちの日常生活にあふれている「カタカナ英語」を、アメリカ人のアン先生が、自身の体験談を交えながら、カタカナ英語の面白さや、カタカナ英語を「通じる」英語で言うには?を紹介しています。普段から特によく使う言葉「○○アップ」や「マイ○○」など、12個がピックアップされて取り上げられています。本書は(株)アルクの語学情報ウェブマガジン「GOTCHA!」に連載されたものを再構成し、新たな内容を加えて電子書籍としてまとめたものです。先日の先生のテレビ番組「ワタシが日本に住む理由」もずいぶん話題になりましたね。先生の博多弁と英語のバイリンガルブログ「アンちゃんから見るニッポン」も要チェックですよ。日本語と英語の両方で書かれているので、私は生徒たちに英語の勉強になるよ、と薦めています。⇒コチラです
そのクレシーニ先生の最新刊が、『ペットボトルは英語じゃないって知っとうと!?』(ぴあ、2018年8月)です。アンちゃんは、見た目のクールさとは裏腹に、愉快で豪快な人間性に惚れ込む人が続出し、現在ではテレビのレギュラー番組や新聞連載など、九州地方でどんどん知名度を上げ、今や全国区のニュース番組でも密着されるようになりました。本書は、そんなアンちゃん念願の「和製英語本」です。「和製英語は魅力的な日本語のコミュニケーション・ツール」と考えるアンちゃんが渾身の力を込めた、おもしろおかしく、それでいてとっても役に立つ、そして何よりも誰かに話したくなる内容となっています。英語だと思って使っているけれど、実は英語圏では通じない「ペットボトル」、「フライドポテト」、「スリーサイズ」、「ペーパードライバー」「SNS」「ヴァージンロード」「チャイルドシート」などの「和製英語」。日常生活にあふれるこれらの言葉を、200の実例と多角的な切り口で徹底解説したのが本書です。最初から読んでも、もくじより自分の気になる単語からチェックしても、適当に開いたところから眺めても、 驚きながら、笑いながら、いつのまにか愉しく知識が増えていくこと間違いなしの一冊です。肩の凝らない読み物として、それでいてためになる、みなさんにお薦めしたい一冊です。⇒本の詳細はコチラ
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上の写真でも分かるように、この本では、「モーニングコール」は和製英語と断じられています。このことはほとんどの辞典・参考書を参照しても明らかだと思われます。今日はこの話題に触れてみたいと思います。アン先生は、「警鐘」の意味で使われることにも注意を喚起しておられました。
私たちは『ライトハウス英和辞典』(研究社)の改訂作業(1994年時点)で、He requested a morning call at 8 a.m. by the hotel operator. / I asked the hotel desk for a morning call at 6./ Request a morning call at the front desk.のような用例を示して、イルソン博士、アルジオ博士に判定を求めました。イルソン博士は、a wake-up callが普通の英語だから、morning callは削除するようにとおっしゃいました。アルジオ博士は、自分の知る限り、そのような表現は存在しない。a wake-up callまたはa call in the morningというのが普通である、と述べられました。このことから、「和製英語」と考えても良さそうです。
Give me a call in the morning, will you? *Give me a morning call, will you?