十津川警部TBS vs テレビ朝日

 この一週間の間に、内藤剛志さん主演のTBS系「十津川警部シリーズ」第6弾高橋英樹さん主演のテレビ朝日系「十津川警部シリーズ」第69弾が矢継ぎ早に放送されました。私は熱狂的な西村京太郎(87歳)&十津川ファンですので、両方を見比べながら鑑賞しました。結論を先に言えば、高橋十津川警部の圧勝です。

 まずは2017年からTBS系で放送されている内藤十津川シリーズ「日光・恋と裏切りの鬼怒川」から。十津川警部と妻の直子(池上季実子)が旅行に訪れた日光で殺人事件が発生します。殺された女は殺害に遭う前に「私は彼を殺します」という不気味なメッセージを残していました。手がかりは被害者の「ゆみ」という名前のみ。事件の鍵を握る東京の美人弁護士(星野真里)は被害者とは面識がないときっぱり否定しました。謎が深まる中、電話で情報提供を申し出てきた男が殺されます。さらに日光でも「ゆみ」の身元を知る手がかりと期待された、石仏を彫った病院院長が拳銃で射殺され、手がかりの書類も消えてしまいます。栃木県警の刑事とともに、懸命な捜査を続ける十津川班の刑事たち。その最中、弁護士を見かけ、後を追った亀井刑事が何者かに撃たれ負傷します。最強のコンビが離脱し、十津川警部最大のピンチが訪れるのです。烏丸せつこ、根本りつ子、ベンガル、早瀬久美、河合雪之丞、井上裕介(NON STYLE)ほかがゲスト出演していました。映画監督の林海象が病院院長役にキャスティング。劇中、河合雪之丞が薪能の「鉄輪」を演じます。迫真の舞です。十津川はその姿に被害者女性の無念、恨みを感じ取るのでした。

 まずこのドラマの原作となったのは、西村京太郎先生『京都・恋と裏切りの嵯峨野』(1999年)です。原作では舞台は京都なんですが、ドラマは日光市でロケが行われています。ドラマ自体はきれいな映像で、日光市、特に鬼怒川温泉近辺の自然美を映像化しており、私も若い頃に訪れているので見覚えのある観光スポットがたくさん出てきていました。「特急スペーシア」や「SL大樹」まで出てきていました。しかし架空のスポットがあたかも実在するかのように描かれていたり(例えば「今一神社」(笑)イマイチだな)、地元の人からするとあり得ないような地理上の設定もあり、「おいおい、それはあまりにも無理だろう」と思わせる部分も多々ありました。内藤十津川警部シリーズは、3時間スペシャルで放映されることが多く、今回も3時間ドラマでしたが、余計なエピソードが数多く挟まれていて、本筋がぼやけてしまった感は否めません。奥さんとのだらだらとした散歩シーン、バーでのIKKOさんのシーン、NON STYLE井上さんと友近さんの取調室でのかけあい(最後も不要)、等々本筋には不要なシーンが多すぎます。渡瀬・伊東さんの前十津川警部シリーズでもこの作品は京都を舞台に映像化されていますが、きちんと2時間でしまった展開を見せていました。たまに3時間になるときは、それなりの理由があって説得力もあったんですが、内藤さんのシリーズは構成がゆるーくなってしまって、ダラダラと間延び感が漂います。余計なシーンをカットすれば、2時間で十分にお釣りがくると思います。ということで、高評価はあげられません。

 さて今度は、テレビ朝日『土曜ワイド劇場』の頃から高い人気を獲得している髙橋英樹さん演じる『日曜プライム』で放送された「金沢~東京・殺人ルート 2時間33分の罠」に移ります。十津川警部シリーズはそもそも『土曜ワイド劇場』(テレビ朝日系)枠でスタートしました。スタート当初は故・三橋達也さんが十津川警部を演じ(時々見直していますが実に味のある演技です)、髙橋さんは2000年の第34作から登板しています。実は1990年から1991年でも『火曜ミステリー劇場』でも十津川を演じていたので、合計すると約28年にわたって同じ役を演じ続けていることになります。安定感があるはずです。そんな髙橋さんがこのシリーズに寄せる思いを語っておられました。

やはり西村京太郎先生の原作が素晴らしい! 人間の本質を深く描いていますし、日本人が愛してやまない鉄道や名所などの魅力をうまく取り入れて、その街に生きる人間たちの悲哀を表現しています。まさに鉄道ミステリー作品の原点ともいえるシリーズですよね。僕たちもよく、風光明媚な崖の上で犯人を追い詰めたり、事件の捜査なのにお城に寄ったりしますが(笑)、これもまた、作品の魅力のひとつなんですよね。

元々、三橋さんが出演していた作品を見ていて「面白いなぁ」と思っていたんです。縁あって私がやらせていただくことになり、三橋さんが築いてきたイメージを壊さないよう、自分なりに新しい十津川像を作ろうと、最初は苦心しました。でも、それはとてもやりがいのある仕事でしたね。

これだけ長く演じ続けているキャラクターは、ほかにはないですね。長年演じてきただけあって、どこに行っても“十津川警部”と声をかけられます。僕はよく“100%犯人を捕まえる十津川です”と挨拶するのですが、そうすると皆さんどっと笑ってくださいます。十津川警部なら必ず犯人を捕まえてくれる――そういった十津川の内包する“安心感”のようなものをいちばん大切にしてきました。また、この作品は地方にロケに出かけ、皆で同じ釜の飯を食べながらその街で撮り上げていくというよさがあります。スタッフ、キャスト全員がひとつのものを一生懸命作り上げていくという工程は、本当にほかでは得難いものです。

そして今、“純ちゃん”と一緒ですが、高田純次という人間は、非常に真面目。皆さんが感じるちゃらんぽらんな部分というのは、私に言わせると“演じているのかな”と思うところがあります。芝居に関しては、“そんなに真面目にやらなくていいんじゃない?”と思うぐらい、とにかくすごく真面目な人なんですよ!一方で、彼はロケに行くと、すごく元気なんです。今回も昼間、暑い暑いとこぼしていたので疲れ果てちゃったかなと思っていたのですが、夜になったら元気に出かけていましたからね(笑)。

犯人探しの面白さはもちろんですが、登場する女性たちの苦悩が丁寧に描かれています。必死に生きている人間たちの苦しみ、悲しみ。そしてそれを理解し、真相究明に奔走する十津川、亀井のやさしい思いが胸を打つ作品になっています。ぜひ次回、第70作へと続くよう、大勢の皆さんに見ていただけたらうれしいですね!

 前68作は『土曜ワイド劇場』が終了したために、水曜日の『ミステリースペシャル』で放送されました。しかし曜日移動のための告知不足からか、視聴率がこれまでより少しばかり低かったために、もうこれで新作は登場しないのかもしれない、とファンの間では危惧されていました。これまでの年2回のペースから、2018年になっても今まで新作の放映はありませんでしたから。

 第69弾となる今回は、亀井刑事(高田純次)が北陸新幹線の車内で誘拐犯に間違えられた挙句、殺人事件に巻き込まれるというストーリー。誰が何のために、亀井刑事を誘拐犯の一味に仕立て上げたのか?チケットの交換を申し入れてきた謎の女が関わっていることは間違いありません。古都・金沢を舞台に、十津川&亀井の“最強コンビ”が、憎しみの連鎖が生んだ事件の真相に迫ります。今回は、“亀さん”が事件に巻き込まれ、彼自身が苦悩しながら捜査に当たるストーリーなので、それを支え、事件解決に向かって協力しあっていく、十津川との“絆”を描いたシーンが増えています。背後に見え隠れする2人の美女の影。古都・金沢を舞台に、両刑事の信頼感や仲のよさを、柔らかく、そしてちょっぴり面白おかしく表現していました。

 ロケの大半が金沢で行われており、私も見覚えのある観光名所が何カ所も登場しており懐かしかったです。JR金沢駅、北陸新幹線「かがやき」のゴージャスなグランクラス、金沢城公園、武家屋敷跡、兼六園茶屋街、金沢港大浜埠頭など素敵な映像でした。原作は西村京太郎先生『北陸新幹線殺人事件』です。さらにはお馴染みの東京駅丸の内口新宿歌舞伎町のビルなども登場していました。列車のトリックは一切なしで、北陸新幹線の車内、外観映像をたっぷりと使っていましたね。北条刑事役で山村紅葉さんが出ているだけで、ファンには安心感があります。お馴染みの西本刑事役・森本レオさんが出ていない、とネットで騒がれていましたが、西本刑事は『絹の遺産と上信電鉄』(最近文庫化!)ですでに殉職していますから、仕方のないところでしょう。でも常連の森本レオさんや宇梶剛士さんがいないのは、チョット寂しい気もしますね。高橋さんの十津川警部はもう長いだけあって、安定感と安心感が漂います。亀井刑事役の高田純次さんが愛川欽也さんに変わった時には、ものすごい違和感があったんですが、今はどうして、どうしてなかなかの名コンビとなっています。最後のシーンで十津川警部と亀井刑事がイチャつく場面がありましたが、これはわざとらしかった。笑い転げていました。

 やはり安定感を感じる高橋十津川警部に軍配を上げたいと思います。❤❤❤

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