「再婚列車殺人事件」

 「スカパー」テレビ朝日チャンネル2で昔の「再婚列車殺人事件 ~出雲で死んだ女」(1998年)を放送していました。故・三橋達也(みはしたつや)さんが十津川警部を演じて、故・愛川欽也(あいわかきんや)さんが亀井刑事役です。三橋さんの十津川警部は渋くて実に味わい深い。原作者の西村京太郎先生(87歳)が惚れ込むわけです。昔の十津川警部物も全部録画してあるので、暇ができれば1本1本のんびりと見てみたいものです(まだそんな日は来ない!)。こんな筋書きのドラマでした。

 鳥取発博多行きの急行「さんべ3号」のグリーン車で男性が毒殺された。この列車は長門市駅から、山陰本線経由と美祢線経由に列車が分かれ、下関で再び併合し終点の博多までむかう特殊な列車である。 事件が起きたのは美祢線経由の列車で、死亡推定時刻から列車が長門市駅を出てから新下関駅までの間に殺害された事が分かった。捜査線上に浮かび上がった容疑者は、その時間帯に山陰本線経由の列車に乗っていたという鉄壁のアリバイがある事が分かった。容疑者はどうやって、美祢線経由の列車内で被害者を毒殺できたのか?

 急行「さんべ3号」は鳥取を午前8時22分に発車。山陰線を西へ進み、長門市(山口県)に午後3時半に着きます。この駅で同列車は「離婚」。グリーン車を含む編成は同3時36分に発車し美祢線山陽線へ。残りの編成はそのまま山陰線をひた走り、同5時17分に下関に到着する。その3分後、美祢線を回ってきた編成が追い付いて、晴れて「再婚」を果たします。再び元の「さんべ3号」に戻った列車は関門トンネルをくぐり、終点の博多に同6時51分に到着します。いったんは別れて別々になった列車が、その後再び一緒になる、このユニークな運行形態を「再婚」に喩えたものです。この「分割、再連結」という運用は1985年まで実施されたといいます。急行「さんべ」は、長らく山陰地方と九州方面を結ぶ急行として、運行区間の延長と短縮、運行本数の削減、夜行列車の臨時列車化など、時勢に合わせて運行形態を変化しながら、1997年に日中の定期列車を廃止。1999年に臨時の夜行列車も完全に廃止されました。「再婚列車」、この名称は、あくまで鉄道好きの間で言われていただけで、現地で実際にそのように呼ばれていたわけではありません。いったんは別れながら、相手を待たせることなく再会する「さんべ」の絶妙な運行ダイヤを可能にしたのは、長門市-下関の距離にあったようで、調べてみると、山陰線直行が77.7キロ、美祢線回りが79.8キロと、ほぼ同じなんです。

 原作は、西村京太郎先生「再婚旅行殺人事件」(『別冊小説宝石』1981年5月)です。先生はこの作品が収録された1982年刊の『蜜月列車殺人事件(ハネムーントレイン)』の「あとがき」において、「長谷川章さんの『鉄道面白事典』が、簡潔で、しかも面白いので、ときどき参考にさせていただくのだが、山陰本線に、「さんべ」という面白い急行が走っているのを知ったのも、この本からである」として、次のように述べておられます。

 途中で切り離して、別々の場所へ行く列車は、よくあるのを知っていたが、いったん分かれて、また、一緒になって、終着駅へ走るというのは知らなかった。この、いわば再婚みたいな列車のことを、『鉄道面白事典』で知って書いたのが、「再婚旅行殺人事件」である。

▲2016年7月に西村先生をお訪ねした

  「再婚列車」で起きた謎の殺人事件で、現場に残された白い封筒に、完全犯罪の秘密が隠されていました。実際の作品内のクレジットでは、愛川欽也さんがトップに表記されていましたが(出番も一番多い)、新聞欄では緒形 拳(おがたけん)さんがトップに表記されることが多かったようです。もう全部故人となってしまいましたね。今回ゲストで出演した緒形 拳と、主演の愛川欽也島崎喜美男監督は、ともに俳優座養成所の研究生として同じ釜の飯を食った仲だそうです。ドラマ中に、米子「皆生グランドホテル」が出てきて、小さい頃よく行ったので懐かしく思い出しました。皆生ヘルスランド」へもよく行ったものです。❤❤❤

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