大分シティ屋上ひろば

 大分駅特急ソニック」「或る列車」「ななつ星」もやってくる駅です)、JR「大分シティ」の屋上には、JR博多駅と同じように「屋上庭園シティ屋上ひろば」が設置されています。もちろん私の尊敬する水戸岡鋭治(みとおかえいじ)先生がデザインした、約4500㎡の面積をもつ日本最大級の屋上庭園です。私は一目見てそのとんでもないスケールに目を奪われました。神社があって、滝が流れていて、鳥居をくぐると仲見世があり、広場には三輪車が走っている。デッキの下にはすべり台やブランコがあり、二重螺旋の五重塔まであります。回廊には絵馬がかかり、噴水もあり、ミニトレインまで走っています。子どもも大人も心から楽しめる心豊かな空間となっています。1m50㎝から5mくらいまでの多種多様な樹木約1000本、花木が約1000本、松が9本、竹が22本、球根800ポット、笹4万ポットが植えられた屋上庭園が広がり、四季折々の木々や花々が楽しめます。あと2・3年もすれば林や森になるはずです。野菜や花の畑もあり、家族で落ち着いて憩いの時間を過ごすことができます。

 一緒に中身を少し詳しく見てみましょう。博多駅と同じように鉄道神社」があります。こじんまりとしたミニ神社で、旅の安全や出世開運などのご利益があるといわれています。国指定重要文化財である豊後一ノ宮・柞原八幡宮のご分霊を受けています。神社とお寺があって、お参りができるということで、お年寄りが毎日のように来ています。お参りしてから、下のカフェで飲んだり食べたりして、夕方は買い物をして帰るというのがお年寄りの日課〔微笑〕。夕方からは中高生が集まって遊んでいます。土日は子ども連れの家族で溢れています。まさに「鎮守の森遊園地」です。また、鉄道神社へと続く表参道沿いの「仲見世」には、両側に土産物や食べ物屋店が立ち並び縁日のような賑わいを感じることができます。また、畑の傍らには列車のコンパートメントのような小屋「クラインガルテン」もあり、飲食物をゆっくり味わえる半個室スペースでのんびりですることができます。野菜や花の畑の様子を見ながら、憩いの時間を過ごすことができます。

 なお、こちらの参道には、九州7県の地図の上を、7人の小人が電車ごっこしているかわいいオブジェもあります。これはゆるキャラ「せんとくん」で有名な薮内佐斗司(やぶうちさとし)氏の作品です。これと同じものが「博多シティ」の屋上にもありますね。思わずパチリ!

 「ぶんぶん広場」には、赤と白の展望台があり、それぞれ滑り台を設けています。2つの展望台を結ぶ吊り橋の下方には親子ブランコが。自由に乗れるミニ三輪車など、子どもが遊べる楽しい遊具がいっぱい! さらに、近くには雨の日や日差しが強い日でも天候を気にせず、室内で木のボールプールなどで遊べるスペースやカフェもあります。くろちゃん」がそこらじゅうに見えますね。

 なお、広場にはリアルなワンコが寝てると思いきや、遊びごころのある本物そっくりのオブジェでした。さらに展望台からはJR九州の列車が行き交うシーンや、大分の町並みが眼下に広がります。まさに絶景ですね。また、水戸岡鋭治先生オリジナル・デザインの「くろちゃんぶんぶん号」(有料)は、屋上の景色を楽しみながら広場をぐるっと1周できる楽しい電動ミニトレインです。また、天気を気にせずに室内でこどもと大人が一緒になって遊ぶことのできる「おもちゃのチャチャチャ。ちゃちゃくらぶ」は、木の素材を中心に作られており、木の持つぬくもりややさしさに包まれています(博多駅1番ホームにも同様の施設があります⇒私のレポートはコチラ)。カフェも併設されていて、くつろぎのひとときを過ごすことができるんです。

 シティ屋上ひろばのシンボル的存在である「夢かなうぶんぶん堂」は伝統的な建築様式のお堂です。上りと下りが交わることのない二重らせん階段を進んで行きます。中国風のお堂の中は展望台になっており、こちらにも先ほどの籔内佐斗司(やぶうちさとし)氏の「七福神」がお迎えしてくれます。大分駅には、改札口のぶんぶん童子や、先ほどの鉄道神社前のオブジェもありますが、こちらの「ぶんぶん堂」もさらにパワーアップした、独特の薮内ワールドが広がっていました。

 一角には「鐘撞き堂」があって、いい音が鳴り響きます。高岡の鋳造屋さんに特注で作ってもらったものだそうですよ。こどもたちが一心不乱に鐘をついていました。いい音色でした。

 さらに、屋上庭園のすぐ隣にあるのが、人気の「JR九州ホテルブラッサム大分」です。こちらの最上階には「展望露天風呂」があり、大分市の絶景を眺めながらの入浴は是非おすすめです!特に露天風呂からの夕焼けは素晴らしいの一言!(私が泊まった日はあいにくの雨模様で体験できませんでしたが)また、本格的なサウナやカフェラウンジ等がある癒しスポットで、日帰り入浴もできます。このホテルは水戸岡鋭治先生がプロデュースされたもので、あの豪華寝台列車「ななつ星in 九州」「或る列車」の面影を至る所に見ることができる素敵なホテルでした。人気で予約がなかなか取れないんですが、また泊まってみたいホテルです。⇒私の宿泊レポートをぜひご覧くださいコチラです

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 さてここからは、マル秘の後日談です。これだけのすごい目玉のある屋上庭園ですが、最初に設計事務所(JR九州は駅ビルの設計を初めは外部に依頼していたんです)から出てきた案では、屋上には何もなかったんです。エアコンの室外機だけが並ぶだけの、ただの殺風景な空間だったんですね。この絵を見たJR九州社長(当時)の唐池恒二(からいけこうじ)さんが、水戸岡鋭治さんに相談します。水戸岡さん、ひどいよこれ。何か面白いのないの?」と、無茶振りです。唐池さんは水戸岡さんの目の前で南北をつなぐ城門のようなゲートが欲しい。ランドマークになるような」と言って見事なスケッチを描いたそうです(今でも額装して大分駅ビル社長室に飾ってあります)。最新刊の唐池恒二『感動経営』(ダイヤモンド社、2018年9月)の274ページにそのスケッチの現物が出ていました。「これはすごい!これは最高!もうできたも同然!」と叫んだ水戸岡先生は、そのイメージを基に、デザインが始まりました。鉄道神社」があって、後ろに滝が流れていて、鳥居をくぐると「仲見世」がある。広場には「三輪車」が走っていて、デッキの下には滑り台やブランコがある。二重螺旋のさざえ堂の「五重塔」があり、回廊には絵馬がかかっている。仕掛け噴水」もある。ミニトレイン」も特注品です。「しゅっしゅっしゅっ」といい音をさせて楽しく走っています。のれん、看板、パンフレット、スタッフの半纏などのユニフォームまで、全部水戸岡さんのドーンデザイン研究所のオリジナルです。一角には「鐘撞き堂」まであり、子供たちが楽しそうに鐘を撞いていました。試みに私も撞いてみましたが、これがまたいい音がするんです。植栽にも力を入れています。屋上だけで、1メートル50センチから5メートルくらいまでの木を約1000本植えてあります。花が咲く木が約1000本。松が9本、竹が22本、球根800ポット、笹が4万ポット。あと2、3年もすれば立派な林や森が誕生することでしょう。このように大分シティは、緊急のピンチヒッターで入った水戸岡さんが、建築だけでなく、電車のロゴマーク、シンボルマークのデザイン、お守り、おみくじ、といった細かいところまで、一貫してデザインしておられます。一つ一つに水戸岡さんらしくこだわりを持ってデザインした結果、ものすごいものが出来上がりました。あまりのすごさに、私は「屋上ガーデン」で茫然と立ちつくしていました。「ピンチヒッター」で登場した水戸岡先生、渾身の作品です(水戸岡鋭治『鉄道デザインの心~世にないものをつくる闘い』(日経BP社、2015年、2016年10月新潮文庫で文庫化)を参考にさせていただきました)。

 こんな楽しい駅を作ったところ、以前は利用客が年間500万人くらいだったものが、新しい駅ビルができて2,000万人に増えたと言います。地元の人がいっぱい来ているんでしょうね。大分市の人口は約48万人です。みんな何回も足を運んでいるんでしょう。豊かな空間を提供するために、経済性ばかり追求せずに文化を追求して感動体験に出会える仕掛けを作ると、結果的に多くの人が来てくれるということですね。そこには水戸岡先生の哲学が溢れています。九州で博多に次いで2番目の規模の複合型駅施設としてにぎわいを見せています。昨年のちょうど今頃、今井書店井上さんが、「先生、最近こんなものが出ていますが」と持ってきてくださいました。雑誌イラストレーション』2017年9月 No.215(玄光社)で、特集は「水戸岡鋭治 旅をデザインする」でした。水戸岡ファンにとっては読み応えのある特集でした。❤❤❤

 

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