京都駅のホーム

 英作文の授業で、次のような和文英訳問題が出てきました。

「大きな駅のホームに日本各地に向かうさまざまな列車が並んでいる光景は鮮明に覚えている。」

 私は生徒たちに、「これはどこの駅だと思いますか?」と問いかけました。「大阪駅、東京駅…」などという答えが返ってきました。鉄道大好きな私は、京都駅だと思っています。

 JR京都駅には、日本一の記録が二つもあります。まず京都駅は、ホームの番線の数字が多いことで知られています。なんと「0番」から「34番」線まであります。この「34」という数字は、「のりば」に振られているものとしては、日本で最も大きな数字です。しかし、実際に「のりば」が34もある、というわけではありませんけどね。JR京都駅では1番のりばと、15から29番のりばまでが欠番になっています。「のりば」の数は、「0番のりば」もあるため、全て合わせると、実際の乗り場の数は「19」です。きっかけは、1992年の駅ビル改良工事。これは平安遷都1200年記念事業の一環として、駅舎ごと建て替えるそれこそ大規模なもので、この時運転番線(線路の番号)の改訂も行われました。その際11~14番ホームは新幹線であるJR東海の管轄であるため、JR西日本在来線11本の運転番線は0~10の11本に、ホーム番号は1から順に割り振られました。つまり、1番ホームに0番線路が走っていたのです。利用者にはホーム番号さえわかれば良いので、紛らわしいながらもそれで10年間運行。が、やはり紛らわしいということで、トラブル予防のため、2002年運行管理システムの導入の際に線路呼称を変更、線路番号とホーム番号を一致させることになったのです。かくして2002年3月、晴れて京都駅には不思議な0番ホームが誕生したのです。京都駅の0番から34番までのホームの見取り図はコチラをご覧ください。

 大好きな西村京太郎先生、作家活動50周年記念の特別描き下ろし作品の『京都駅0番ホームの危険な乗客たち』(角川書店、2010年)には、当時の「京都駅0番ホーム」の様子が描かれています。こんな描写です。

 京都駅には、0番線ホームがある。0番線ホームという
のは、その駅の歴史的なことから残っている場合が多いの
だが、そのほとんどは比較的小さな駅で、京都駅のような
大きな駅で、いまだに0番線ホームが残っているというの
は、極めて珍しい。
 京都駅の0番線ホームは、正式には、東海道本線上り(北
陸方面)のホームである。
 しかし、面白いことに、京都駅を通過する東海道本線の上り列車は何本もあるのだが、
いずれも、0番線ホームを使用せず、ほかのホームを使っているのである。
 よく調べてみると、京都駅の0番線ホームを使うのは、特別な列車ということが分かっ
てくる。東海道本線(上り)のホームだが、北陸本線のホームでもあるからだ。
 大阪発で青森、あるいは札幌に行く寝台列車、つまり、大阪発青森行きの「日本海」、
大阪発札幌行きの「トワイライトエクスプレス」、この二本の夜行列車が、京都では0番
線ホームを利用するのである。この列車は、京都から北陸本線に向かうのだ。
(pp.47-48) 

 当然のことながら、ホームの長さは、列車より長めに造られており、これは列車の停止位置が多少ずれても対応出来るような長さになっています。もっとも長いホームは、16両編成の新幹線で、1両あたり25mなので、単純に計算しても400m以上のホームの長さとなります。しかし、もっと長いホームが、在来線にあります。それが記録の二つ目、京都駅「0番線ホーム」です。長さは558mあります。でも、このホームに長い編成558mの列車が停まる訳ではありません〔笑〕。複数の列車が、同時に使用しているのです。実は途中に切り替えがあり、2ホーム分が繋がった形。手前部分323mが「0番ホーム」、奥部分235mが「30番ホーム」なのです。この30番ホームは、一部の当駅終着列車が停まる以外は、基本的に関西空港行きの特急「はるか」専用。1994年9月の運転開始当初は「はるかホーム」がホーム名でした。同年12月にホーム番号の呼び名が整理され30番ホームとなりましたが、今でも「はるかホーム」の通称で親しまれています。⇒実際にホームを歩いてみた映像がコチラ 「トワイライトエクスプレス瑞風」もここから発車です。

 ちなみに、先の英作文問題は、2010年の京都大学の二次試験の出題でした。和文和訳をして日本語を読み替えないと、手に負えませんね。いかに読み替えるか、という指導を一生懸命やっているところです。❤❤❤ 

 子供のころには列車での旅行というのは心躍るものであった。年に一度、夏休みに祖父母の家に行くときには、何時間も列車に乗ると考えただけでわくわくした。今では長距離列車を見ても、子供のころのように気分が高まることはないが、大きな駅のホームに日本各地に向かうさまざまな列車が並んでいる光景は鮮明に覚えているし、発車の瞬間の独特の高揚感を思い出すこともある。

広告
カテゴリー: 日々の日記 パーマリンク

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中