「窓と鏡の法則」

 失敗や不幸を絶えず自分に引き寄せて、反省し考えることを一生やり続けた人間と、常に他人のせいに責任転嫁し続け、何もしない人間とでは、かなりの確率で、運の良さがだんだん違ってくることは間違いないでしょう。こうした態度の違いは、長い間に大きな差となって、運のある人とない人の差に、つまりは成功する人と失敗する人の差となって現れることになるのです。幸田露伴(こうだろはん)は、このことを、運命をたぐり寄せる二本の紐に喩えて紹介しています。一本の紐はザラザラゴツゴツとした針金のような紐で、それを引くと掌は切れ、指は傷つき、血がにじんできます。耐えがたい苦痛に耐えて、それでも我慢して引き続けると、大きな幸運を引き寄せることができます。しかし、手触りが絹のように心地よい感触の紐を引っ張っていると、引き寄せられてくるのは「不運」だというのです。私が卒業生たちに求められて、色紙や卒業アルバムにサインをする際に、力を尽くして狭き門より入れ」(聖書ルカ伝)と添えるのも、これと同じ気持ちからです。長い間教員をやっていて、成績の伸びる生徒と、伸び悩む、あるいは全く伸びない生徒の違いは、ここに求めることができると感じています。部活動でも同じだと思いますよ。どこが悪かったのか、何を間違ったのか、どうすればもっと良くなるのか、と常に考えて行動している生徒は、必ず結果をつかんでいるように思います。失敗したことをどのように捉え、考えるか?その時の姿勢が、成功者をつくり、失敗者をも作るのです。私がいつも言っている「やりっ放しにしない」、あるいは、成功したら窓の外を見よ、失敗したら鏡を見よ」(=「窓と鏡の法則」)とは、まさにこのことなんです。今日のテーマはこの「窓と鏡の法則」です。

 この「窓と鏡の法則」は、ジェームス・C・コリンズの『ビジョナリー・カンパニー』第2章の「飛躍の法則」に出てくる一文です。人は失敗をしたり、思うように上手く物事が運ばなかった時には、「窓の外」を見て失敗の原因を外部に探そうとします。やれ「あの人が悪い」「景気が悪い」「社会が悪い」と。しまいには「運が悪い」等々といった感じです。ところが一方で、成功したり、物事が上手くいくと、「鏡」を見て、自分の実力で成功したと悦に入ります。ここでいう、「窓の外」とは外的要因を表し、「鏡」を見るとは内的要因を表しています。逆に事を成す人は、成功したり、上手くいっているときには「窓の外」を見て、周りの人や、自分を取り巻く環境に感謝し、失敗したときには、「鏡」を見て自分自身に対し深く反省するものです。結果が悪い時は、「鏡」を見て決して他人のせいにせず、自分に責任があると考え、逆に、結果が良かった場合には「窓の外」を見て、何事にも周りの人に感謝の気持ちを持つように生きることが大切です。これが「窓と鏡の法則」の言わんとするところです。

 幸田露伴『努力論』には、「大きな成功を遂げた人は、失敗を人のせいにするのではなく、自分のせいにするという傾向が強い」とあります。あのノーベル賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授は、「うまくいった時はおかげさま。うまくいかなかった時は身から出た錆(さび)」を信条に研究を進めてきたそうです。私の尊敬するあの松下幸之助さんも、「僕はな、物事がうまくいった時にはいつも皆のおかげと考えた。うまくいかなかった時はすべて自分に原因があると思とった」と述べています。みんな、同じことを言っておられるではないですか!

 すべてを自分の責任と考え、自分の全力を尽くす、これが「自反尽己(じはんじんこ)」安岡正篤)の精神です。勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」(松浦静山)であるならば、失敗と書いて成長と読む」(野村克也)の気持ちで取り組むとよいと思います。模試が終わる度に、このことを強調していますが、残念ながら実践している人は少ないようです。だから伸びません。同じ失敗を何度も何度も繰り返すことになります。❤❤❤ 

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