長崎の路面電車

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 現在、全国で路面電車」が走っている街は、札幌、函館、荒川、世田谷、江ノ島、豊橋、富山、高岡、福井、大津、京都、大阪、堺、岡山広島、高知、松山長崎熊本、鹿児島くらいでしょうか(下線は私が乗った路線)。車が走る道路を、鉄道が併走しているのはなんとも風情がありますね。私は「路面電車」が大好きなんです。そんな「路面電車」好きには堪らない本が、昨年末に出ました。西森 聡『そうだったのか、路面電車 知られざる軌道系交通の世界』(交通新聞社新書、2018年12月)がそれです。「路面電車」の定義は難しく、日本の法律では「軌道法」によりいわゆる「鉄道」とは明確に区分されています。が、併用軌道を走る「鉄道」は存在するし、道路上を走らないのに「路面電車」に区分されているものもあります。これは一体どういうことなのか?そもそも「路面電車」は馬車に由来する古典的な交通機関であり電車の原点である一方、ヨーロッパでは省エネ・環境意識の高まりとともに次世代の都市交通(あるいは都市間交通)として復活しており、日本でもLRTとしてそのムーブメントが起こりつつあります。辿ってきた歴史もさまざまで個性派ぞろいの「路面電車」の世界を、深掘りしつつも分かりやすく紹介した興味深い一冊でした。

 グラバー園、浦上天主堂、平和公園、出島、オランダ坂、大浦天主堂、めがね橋、等々。大好きな長崎市内を観光してまわるのに強い味方になってくれるのが、この「路面電車」だと思います。まずは値段が安い。どこまで行っても一律120円という安さ!乗り換えのときには運転手さんに「乗り継ぎ券」をもらえば次の電車もOKです(500円で「1日乗車券」というのもあってコチラは乗り放題です) 。渋滞に巻き込まれる可能性もありません。乗ったら現地着の時間がほぼ見えるのでとても便利ですね。結構ひんぱんにやって来ます。日中は約5分間隔で走っているので、時刻を気にIMG_8995せずに、まずは停留所に行けばいいと思います。長崎の路面電車」は、青・赤・黄・緑」で色分けされた4系統の路線で運行されています。電車の前面にある行き先案内板が、系統の色になっているので大変分かりやすいと思います。電車で「みんなで譲り合って乗っている」という雰囲気もとても感じがいいんです。観光の移動にも、旅の旅情を感じるにもおすすめな長崎の「路面電車」。ぜひ利用してみてくださいね。私は以前、間違った電車に乗ってしまったんですが、終点に着いてから運転手さんが「そのまま乗っていてね」と、親切に目的地まで連れて行ってもらいました。いっぺんに好きになった次第です。レトロで可愛らしくて、道路上を車と同じように走る姿がとっても素敵。長崎の「路面電車」は国内で現役の車体の中では最古だったり、運賃が一律120円で最安だったり、長崎市内の移動と、街の雰囲気作りには欠かせない交通手段ですね。

 私の大好きな西村京太郎先生は、『十津川警部 長崎 路面電車と坂本龍馬』(祥伝社ノンノベル、2018年)において、この長崎の路面電車の歴史と現状について、詳しく描いておられます。そこでは、長崎路面電車の特性について、次の4つを並べておられます。

(1)日本初の車体全面広告

(2)日本で初めて商業ビルの中を走った

(3)日本一安い料金 全線120円である

(4)新しい路面電車が走っているが、同時に日本一古い木造の電車も共存している。これは明治44年の製造である  

 この日本一安い乗車運賃というのが、長崎の路面電車の売りです。運賃は大人一名120円、子供一名60円。また均一制の運賃体系なので何処まで乗っても運賃が変わらないのも魅力の一つですね。安い運賃を持続させるのは、企業努力が積み重なってこそ。様々なアイデア、知恵を絞って日々の運営に当たられているのだと思います。運賃が安い理由としては、(1)市街地の人口密度が高いこと、(2)路線が市街地に行き渡っていて便利なこと、(3)観光客校も含めて利用者数が多いこと、(4)運行効率がよく経営が安定していること、(4)車両寿命が長いこと、などが挙げられるでしょう。しかしながら、長崎電気軌道は昨年末、ついに国土交通省九州運輸局へ軌道運賃の上限運賃変更認可申請を行ないました。かつて「100円電車」の異名を取っていた同社は、2009年10月に現在の120円に運賃を改定。消費税が8%となった2014年には上限運賃を124円とする改定が認可されていましたが、この時点でも120円に据え置かれていました。今回の上限運賃の改定申請は、沿線人口の減少により輸送人員が1994年度をピークに減少し続けていること、停留場のバリアフリー化や超低床電車の増備、ICカード「nimoca」の導入などによる経費増が見込まれることなどが、主な理由です。申請が認可されれば、定期外普通運賃の上限運賃は現行より10円アップの130円(改定率8.33%)となります。1日乗車券は、大人500円・子供250円に据え置かれます。改定は2019年4月1日を予定しているとのこと。

 あ、そうそう、長崎「路面電車」には「動く路面電車の博物館」という要素があります。箱根登山鉄道、都電、仙台市電、西鉄など、全国各地で廃車となった名電車が、長崎の街を今でも現役で走っているのです。運営会社「長崎電気軌道」自身も長寿で、1914年(大正3年)に創立以来、一度も社名変更をせず、路線の付け替えはあったものの、廃線は一度もありません。

 ただ一つだけ、不満があるとすれば、長崎駅前停留場の「不便さ」でしょうか。乗り場が分かれているし、歩道橋を渡らなければ停留場へ行けないこと(初めての人はどっちの歩道橋を降りたらいいのか分かりません)、路線がここで本線と支線に分かれるので、電車が詰まってスムーズに動かなくなってしまったりすることくらいでしょうか。❤❤❤

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