東大寺の「お水取り」

 東大寺二月堂修二会」(お水取り)は、奈良で最もよく知られた年中行事ですね。3月1日からの2週間、「修二会は、奈良時代の天平勝宝4年(752年)に始められて以来、さまざまな危機を乗り越えて、以来一度の中断もなく続けられており、今年はなんと1268回目を迎えることとなりました。私は昨年の3月、生(なま)で念願の「修二会」(しゅにえ)を見る夢が叶いました。⇒私の現地レポートはコチラです  私はこの行事を歌ったさだまさしさんの「修二会」という歌が大好きなんですが、生で「お水取り」を見てから、この歌の理解が一段と深まったような気がします。「修二会(しゅにえ)」は、東大寺での境内にある「二月堂」という国宝のお堂で営まれる法要のことです。2月20日からの前行、3月1日から14日の本行を合わせると約3週間続きます。東大寺や同じ華厳宗の末寺から選ばれた錬行衆」(れんぎょうしゅう)という11人の僧侶が、俗世間から離れて集団生活を送り、お堂で1日に6度の祈りを繰り返します。「二月堂」の十一面観音に、 社会や人々が犯した罪を懺悔し、「五穀豊穣」や「天下泰平」を祈念する儀式です。

▲東大寺二月堂

 「お水取り」は年に一度3月13日未明、錬行衆の中でも選ばれた者のみが、二月堂」の階段を下って「若狭井」(わかさい)と呼ばれる井戸から「お香水」(こうずい)を汲み上げて、二月堂本尊の十一面観音に供える儀式です。「二月堂」に入った僧が走る沓音もドンドンと響き渡ります。 さださんの歌詞にある「五体投地」(ごたいとうち)「達陀」(だったん)も儀式の一つです。達陀」「二月堂」の内陣で松明を地面にたたきつける儀式です。これも歌詞にある「青衣の女人」(しょうえのにょにん)は、「修二会」で過去帳(東大寺に縁のある人の名が書かれたもの)を読み上げていた時に、「なぜ私の名を読み上げてくれないのか」と現れたと言われる、青い服をまとった謎の幽霊のことです。さだまさしさんの歌は、寒い中行われる「修二会」の荘厳な雰囲気と感動、それに絡めて女性(思いを寄せているのか、特別な存在の女性?)の神秘的な様子を表現した歌と思います。

 3月12日夜、本行中に毎夜灯されるたいまつの中でも、最も大きな「籠松明」(かごたいまつ)が登場しました(写真上)。長さ約8メートル、重さ約70キロもある「籠松明」が11本登場すると、お堂の下に詰めかけた約1万人の参拝者からは、どよめきと歓声が上がります。私も昨年、炎で真っ赤に染まったお堂で、この歓声を上げた一人でした。午後7時半頃、「練行衆」11人を補佐する「童子」(どうじ)11人が「籠松明」を1本ずつ担ぎながら、「二月堂」に先導します。その後、「籠松明」「二月堂」の舞台の欄干から突き出したり、激しく回転させたりしながら走り、豪快に火の粉を降らせます。たいまつから出る火の粉は粉雪のように舞い散り、闇夜の境内に消えていきます。この火の粉を浴びると1年を健康で過ごすことが出来るとの言い伝えがあります。私も昨年、この火の粉を浴びるために、数時間もじーっと待ち続けたものです。

★さださん、お松明を被災地に!!

 大好きなさだまさしさんが、この「お水取り」のことを、岩波書店『図書』2、3月号に2回に渡って書いておられます。さださんは1980年の秋、「東大寺大仏殿昭和大修理落慶記念法要」の際に大仏殿でコンサートを奉納し、2010年には「光明皇后1250年御遠忌」に、30年ぶりに再び大仏殿でコンサートを奉納しておられます。その御縁もあり、さださんは幾度も「修二会」への参籠をお許しいただいておられます。その経験を歌にしたものが名曲「修二会」です。さださんと友人が、東日本大震災の被災地の人々に元気を出してもらうために、「修二会」に復興祈願のお松明を奉納しよう、そして奉納したお松明を御用後に被災地に運ぼうということになり、東大寺別当北河原公敬師にご相談申し上げたところ、松明が東大寺の外に出された例はこれまでにないけれど、そういうことならと快諾してくださいました。二月堂に上がったお松明を、友人が翌日、気仙沼に向かい夜通しトラックを走らせました。13メートルの長さのお松明をトラックに積んで高速道路を走っていると、パトカーに停止を命じられます。「あなたは車体をはみ出すような長いものを積む場合の原則を知っていますか?」と聞かれたので、「はい、ちゃんと一番後ろに赤い布を結んでありますけれども」と胸を張って答えます。すると警察官から「高速道路上では布では駄目だ、殊に夜は危険なので赤いランプを点けるよう義務づけられている」と叱られ「第一、一体その荷物は何で、何の目的で何処へ行こうとしているのか?」と職務質問。友人は上記の事情を説明し、明日行われるさださんの気仙沼のコンサートの会場に朝までには辿り着き、開演までにはロビーに飾り付けたい旨を告げました。すると警察官は共感してくれ「よし、わかった。では僕の赤ランプをこの竹の先に付けてあげるから気をつけて行ってください。このランプは僕の私物だから君に差し上げる」と励まされたと言います。こうして温かいおまわりさんの善意に護られ、お松明は無事にコンサート会場に着いたのでした。「おまわりさんの善意です。良き心の連鎖は繋がるのです」 さださんが奉納した復興祈願の「東大寺のお松明」は、その後もいくつかの被災地へ運ばれ、災害に疲れ果てた人々の心を照らしてきました。こうしておまわりさんの赤いランプは、今も友人のトラックの最後尾に点り続けているそうです。いい話ですね。以下はさださんの言葉です。❤❤❤

 2012年から、僕は東大寺様にお願いをして、二月堂修二会の練行衆上堂の際に上がるお松明を「復興祈願」の願いを込めて奉納しています。東日本大震災の被災地へ毎年お届けしています。災害の多い国ですから、毎年大切などこかの町で苦しむ人があります。何の役にも立たないけれど、精一杯応援することだけ、忘れないでやって行きます。まだまだ仮設住宅で暮らす方々があります。まだまだ故郷に帰ることさえ出来ない人々があります。「忘れない」「応援し続ける」事だけが僕らに出来ることです。力を合わせて応援しましょう!!! (「まっさん旅日記」3月17日)

【追記】 4月21日(日)、さだまさしさんのアコースティックコンサートが、米子・ビッグシップで開催されます。先日「チケットぴあ」から、コンサート・チケットが送られてきました。前から8列目でした。今から楽しみです。

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