『ハンターキラー 潜航せよ』

《あらすじ》 ロシア近海で1隻の米海軍原子力潜水艦「タンパ・ベイ」が消息を絶った。ジョー・グラス艦長率いる攻撃型原潜「ハンターキラー」は捜索に向かった先で、現場付近に無残に沈んでいたロシア原潜を発見、生存者の艦長を捕虜とする。同じ頃、地上ではネイビーシールズ精鋭部隊の極秘偵察により、ロシア国内で世界を揺るがす壮大な陰謀が企てられていることが判明する。未曾有の緊急事態を回避するため、「ハンターキラー」には限りなく0に近い成功率の任務が下る。それは、絶対不可侵の水中兵器ひしめくロシア海域への潜航命令でもあった。グラスは任務遂行のため、シールズとタッグを組み、禁断の作戦実行を決断するが・・・。世界の運命は、一隻の潜水艦に託された。

 4月12日に公開された『ハンターキラー 潜航せよ』(Hunter Killer)を、早速出雲Tジョイ」に見に行ってきました。私の見たい映画はどういうわけか、松江東宝」では全然やってくれないものですから、こうして電車でいつも出雲まで出かけています(私はシニア料金の1,100円で見ることができます)。もちろん英語の勉強を兼ねています。タイトルの「ハンターキラー」というのは、潜水艦を狩り出し(Hunter)、これを攻撃・撃沈する(Killer)能力を併せ持った攻撃型潜水艦のことです。

 警戒態勢の中、新たな音を探知した「ハンターキラー」が、その正体であるロシア原潜と激しい交戦を繰り広げるシーンから物語が始まります。ソナー音に耳を澄ませ緊張が走る乗組員たち。両艦の距離わずか260メートルという至近距離から突然魚雷の襲撃を受けた上に、敵艦に分厚い氷の真下の陣を取られ、一瞬の猶予も許されない圧倒的不利の状態で、グラス艦長はとっさの判断で魚雷の進行方向を変えることを指示。敵艦を見事に撃沈させ、喜びの声を上げる乗組員たち。が、敵側の魚雷はまだ生きていました。まさに「そこは音だけが《見える》戦場」という本作のキャッチコピーそのものを体現した緊迫のシーンです。

 『レッド・オクトーバーを追え!』『クリムゾン・タイド』『U-571』といった潜水艦アクション傑作映画の魅力をしっかりと継承しつつ(「潜水艦モノ」にハズレずれなしと言いますね)、最新鋭艦の描写で新次元のリアリティーを実現し、最新鋭のテクノロジーを取り入れた、さらには陸上戦と海上戦も融合して、壮大なスケールで描かれた映画でした。米国防省米海軍の全面協力を得られたおかげで、2004年就役の最新艦であるヴァージニア級攻撃型原潜の実物を撮影しており、海軍顧問のアドバイスで、艦内の様子を細部に至るまでセットで再現しています。パール・ハーバーに着岸している原子力潜水艦が2日間にわたり開放され、撮影が許可されたそうです。原作も元米海軍潜水艦艦長によるものです。

 潜水艦映画の面白さは、水深数百メートルの海中という閉鎖空間が舞台であるがゆえに、死と隣り合わせの緊迫した空間で、運命共同体である乗組員たちの濃密なドラマが繰り広げられる点です。さらには、潜水艦も魚雷も、海中の抵抗の大きさゆえに速すぎずほどよいスピード感の中で、艦長の対抗措置・操艦など、頭脳戦が見応えあるアクションで描かれる点でしょう。

 この映画を見終わって、爽快感が漂ったのは、本作が人間の信頼』をテーマとしてからでしょう。グラス艦長と若い乗員との信頼関係。またアメリカとロシアの信頼関係。攻撃型原潜「ハンターキラー」を指揮するグラス艦長は、敵艦ロシア原潜に置き去りにされたアンドロポフ艦長を、救出して捕虜とします。グラスの説得に、最初は警戒心をあらわにしていたアンドロポフ艦長が、心の揺れを感じさせる場面なども実に印象的でした。敵ながらこの二人の間に芽生えた揺るぎない「信頼」こそが、「ハンターキラー」を救うことになります。アンドロポフ艦長を演じていたのは、『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』の敵役のミカエル・ニクヴィストです。彼は2017年6月、肺ガンとの闘病で56歳の若さで惜しくも亡くなり、この作品が遺作の一つとなりました。彼は撮影現場のインタビューでこんなことを言っていました。「我々は、多くの人が恐れを抱いている時代に生きている。だが、もっと信じ合い、語り合えるかもしれない」

 ロシア国防相が自国の大統領を監禁するクーデターを起こし、アメリカを巻き込み第三次世界大戦を引き起こそうとします。この事実が明らかになると、ネイビーシールズの精鋭3人がロシア大統領のSPと共に、無数の兵士がひしめく国防相の拠点に突入し、決死の大統領救出劇を繰り広げる様子が捉えられていました。クーデター側との激しい銃撃戦の末、シールズのひとりが負傷、大統領をその場から救出する約10分間の場面も迫力満点でした。アメリカが敵のロシアの大統領を救出する、まさに「信頼」なくしては不可能な筋書きです。ロシア艦隊と対峙して攻撃される場面でも、グラス艦長は最後の最後まで「信頼」にかけて、攻撃を踏みとどまりました。その勇気ある決断が第三次世界大戦を防ぎます。そしてかつてアンドロポフ艦長の薫陶を受けた若いロシア兵たちが、正しい行動を起こします。最終的には、人と人との信頼関係こそが、世界を平和に導くのです。

 スクリーンを前に、英語に耳をそばだてて聞いていましたが、分からない単語や表現が山のようにありました。乗員たちのスラングも山ほど出てきました。bunkie, chicken switches, fish, joe navy, skimmer, S.S.N.,crazy Ivanなどはその一例です。「潜水艦乗員用語集」のようなものがないと、きちんと聞くことができませんでした。いい勉強です。スリルと感動を味わえながら、楽しめた2時間2分の映画でした。❤❤❤

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