「共通テスト」はこう変わる<リスニング>

 先日、「「共通テスト」はこう変わる<リーディング>」として、変更点を解説したところ(⇒コチラです)、とんでもない数のアクセスをいただき、現場の関心の高さを実感したことでした。まだ現場では、よ~く理解して対策が進んでいるとは、およそ言えない混乱状況です(この時期にいたって、外部試験のTOEICが撤退するなど「どうなっているんだ?」と疑問を抱くほど、予断を許さない状況でしょう)。2回行われた「試行テスト」の問題すら見ていない先生方も大勢おられます。今日は「試行テスト」に見られた変更点のリスニング編をお届けします。先日、「大学入試センター」「令和3年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト問題作成方針」を発表しましたので、先生方はぜひお読み下さい。⇒コチラです そこでは次のような作成方針が述べられていました(下線は八幡)。それを踏まえて変更点を取り上げます。

○「リスニング」については,⽣徒の⾝近な暮らしや社会での暮らしに関わる内容について,概要や要点を把握する⼒や必要とする情報を聞き取る⼒等を問うことをねらいとする。⾳声については,多様な話者による現代の標準的な英語を使⽤する。
 読み上げ回数については,英語の試⾏調査の結果や資格・検定試験におけるリスニング試験の⼀般的な在り⽅を踏まえ,問題の数の充実を図ることによりテストの信頼性が更に向上することを⽬的として,1 回読みを含める⼗分な読み上げ時間を確保し,重要な情報は形を変えて複数回⾔及するなど,⾃然なコミュニケーションに近い英語の問題を含めて検討する。全ての問題を1 回読みにする可能性についても今後検証しつつ,当⾯1回読みと2 回読みの両⽅の問題を含む構成で実施することとする。
○ グローバル⼈材の育成を⽬指した英語教育改⾰の⽅向性の中で⾼等学校学習指導要領に⽰す4技能のバランスの良い育成が求められていることを踏まえ,「リーディング」と「リスニング」の配点を均等とする。ただし,各⼤学の⼊学者選抜において,具体的にどの技能にどの程度の⽐重を置くかについては,4技能を総合的に評価するよう努めるという「⼤学⼊学共通テスト実施⽅針」(平成29年7⽉)を踏まえた各⼤学の判断となる

(1)配点比率と試験時間の変更

まず押さえておきたいことは、リーディングリスニングの配点比率が1:1となり、100点:100点となったこと。リンスニングの比重が高くなりました。そしてリーディング80分に対して、リスニングの時間が60分です(うち解答時間30分)。1回読みが混在しますから、従来よりも当然分量は多くなります(25問⇒37問)。

(2)読み上げ回数の変更

英文の読み上げの回数にも変化が見られます。現行のセンター試験ではすべての問題が2回読みでしたが、共通テスト」では、2回読み1回読みが混在しています。問題が短く単純な前半部分(第1問~第3問)は全部2回読まれ、長く複雑で難しい内容の後半部分(第4問~第6問)は1回読みです。これは逆ではないかという先生がおられますが、よ~くその意味を考えてください(宿題ね)。他の外部試験や私大の入試は大半が1回読みですから、これは当然の変更でしょう。

(3)3種類の英語が出題

異なる出身の話者が登場しています。(A)米音、(B)英音、(C)非ネイティブ英語の3種類の英語が出題されています。これは大きな特徴として注意が必要です。東京大学の二次試験では米音と英音が出題されていましたね。

(4)読み上げスピードの変化

読み上げスピードがセンター試験に比べ速くなっています。ナチュラルスピードに近づけているのでしょう。「つながる、消える、変わる」という、英語の音変化への対策が今まで以上に必要となるでしょう。

(5)すき間時間の短縮

すき間時間が短くなっています。1回目の読みと2回目の読み、さらに問いと問いの間にあったすき間時間が大きく短縮されていました。

(6)複数解答

複数解答を求める問題も出題されます。当然、難度が上がります。

(7)「思考力・判断力・表現力」が問われる!

リーディングでもそうでしたが、「思考力・判断力・表現力」が問われます。スクリプトの内容がそのまま正解の選択肢に反映されるのではなく、読み上げられる内容からどのような状況かを思考・判断することが求められる設問が見られます。話者の立場を判断したり、複数の説明の中から最も条件に適するものを比較して選ぶ問題など、判断力も求められています。

(8)文法が問われることも!

従来の「知識としての文法」ではなく、その文法の意味するところをイラストから選ぶ、という文法の活用を意識した問題が出題されています。正答率も低くなっています。この出題には感心しました。「この手があったか!」文法は出ないのでやる必要はない、とはなりません。

(9)幅広い話題について出題

講義を聞いてメモを取る場面など、実際のコミュニケーションの場面が想定されています。「問題作成方針」でも明言されている通り、日常的な「身近な話題」だけでなく、難度の上がる「社会的な話題」についても出題されています。新学習指導要領の先取りと考えることができます。

 要するに、今まで以上に、「リスニング対策」が重要になる変更と感じています。

 6月に、河合塾ベネッセの「進学説明会」に参加してみました(何十年ぶりです)。この新テストに関する何か新しい情報でも出るかなと思って期待して行ったんですが、何にも収穫はありませんでした。 特に河合塾は、資料をただ読み上げるだけの会で(2時間も!)、人間は一体何のためにいるのか、と疑問に思いました。私が進路部長をしていた時代は、説明会も、「ここだけの話」「大学関係者から得たマル秘情報」「お得な情報」「生徒達に伝えたい情報」、担当者が自分で勉強・研究して分析したコメントがゴロゴロと転がっていて、ずいぶん勉強になったのを覚えています。人が育っていないのでしょうね。やはり教育は「人」です。亡くなられた河合塾井悦夫(まついえつお)先生などは、私は若い頃、追っかけをしていたんです。それぐらいに学ぶところの多いお話でした(その後、名古屋の本部に戻られて河合塾のナンバー2にまで出世されました)。⇒コチラにその松井さんの想い出が   駿台屋木さん(現近畿大学)しかり。それぞれ人間的魅力に富んだ人でした。❤❤❤

◎講演会のご案内◎

【お知らせ】 8月31日(土)に、東京で、この「共通テスト」の講演会を行います。私は「英語」を担当し、試験がどう変わり、それに対応するためにはどんな力が必要で、その力をつけるために、日頃何を使いどのような指導が有効かをお話しさせていただきます。この講演会は、東京だけでなく、仙台・名古屋・大阪・博多を結んで同時中継されます。すでに各会場ごとに申し込みが始まっていますので、ぜひご覧ください。⇒コチラから申し込むことができます

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