小野坂トン特集!

 アメリカから、「フェザータッチマジック」経由で届いたばかりの最新の『GENII』7月号を見てビックリしました。表紙をデカデカと小野坂 東(おのさかあずま)=通称「トンさん」が飾っているではありませんか!雑誌では10ページにわたる特集記事が掲載されていました。1933年生まれのトンさんは、現在86歳になられます。マジック・コーディネーター、マジック・アドバイザー、プロデューサー、イラストレーター、マジック専門店「マジックランド」創立者・店主、マジックマガジン社編集長、「マジック・キャッスル」ライフメンバー、マジック・サークルゴールド・スターメンバー…と、これまでに様々な肩書きを背負ってこられました。自称・「マジックヒッピー」の小野坂  トンさんは、「第14回石田天海賞」を受賞しておられます。

 日本のマジック界発展のために、世界中から一流のマジシャンを日本に招き、若手マジシャンたちのためにレクチャーの機会を設けられました。日本マジック界を裏で支えたのは、この方の尽力無くしては語れない人物です。マジックの書籍に数々のイラストを描かれ、本の価値を高めてこられました。実に味のあるイラストは、マジックの解説にはなくてはならない貴重な作品でした。ご自分でも「マジックランド」から数々のユニークな作品を出しておられ、その大半を私は持っています。日本でまだ知られていない超一流マジシャンを、日本のマジック界に紹介されたのもトンさんの貢献です。「マジックランド」からは、彼らの作品やレクチャーノートが続々と公刊されました。

 東京に出る度に、茅場町にある「マジックランド」にお邪魔するんですが、店頭でデモをしてくださるのは、奥さんの「ママさん」で、トンさんはいつもお店の奥の方で、机に向かって、創作・製作に励んでおられました。時々、ママさんに声をかける程度です。店内には所狭しと並べられた商品の数々。マジックランドを訪れた国内外のマジシャンたちによるポートレート、マジック関連書籍、歴史的なポスターが陳列され、まるで博物館のようです。私のお気に入りのショップで、マジック関係の誰かに必ず出会える聖地です。

 今回の『GENII』最新号の表紙と特集記事の中身を読んで、トンさんのこれまでの偉業が報いられた気がしました。今回の特集では、今まであまり語られることのなかった、「マジックランド」設立以前の、お若い頃のトンさんの活動に焦点が当てられていました。幼少期に縁日で見た大道芸のマジックに魅せられ、独学で練習を開始。中学生でプロマジシャン・マギー信沢に師事し、本格的にマジックを学びました。大学に進み、都庁に就職しつつ、日本奇術連盟の幹事となり、趣味としていたマジックの比重が大きくなり、40歳頃都庁を退職。デザイン・マジック・クリエーターとしての活動を本格的に開始しました。日本と海外のマジシャンを繋ぐコーディネーターとしての活躍、海外のマジック関連書籍の紹介、翻訳・監修に尽力。日本のマジック界の普及と発展を支え続けました。非常に興味深く読ませていただきました。トンさん、おめでとうございます!♠♣♥♦

【追記】 ディアゴスティーニ社から現在隔週で刊行されている全100巻シリーズの、The Magic, No.10に「マジックランド」の紹介記事が掲載されました。トンさん、お元気そうです。

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