尊敬する松下幸之助(まつしたこうのすけ)さん(私の家の家電製品はすべてパナソニックです)が、松下電器の社長から会長になられてまもない頃の話です(昭和36年)。ある新聞記者の取材で、「松下さん、あなたの会社は非常に急速な発展を遂げてこられましたが、どういうわけでそうなったのか、その秘訣をひとつ聞かせてくれませんか?」との質問を受けました。松下さん曰く、「あなたは雨が降ったらどうされますか?」 よほど予想外の質問だったのでしょう。その記者はびっくりした顔つきでとまどいながら、「そりゃあ傘をさします」と答えます。「そうでしょう。雨が降れば傘をさす。そこに私は発展の秘訣というか、商売のコツ、経営のコツがあると考えているのです」
「雨が降ったら傘をさす」、そうすれば濡れないですみますね。それは天地自然の理に順応した姿で、いわば万人の常識、ごくごく平凡なことです。商売や経営に発展の秘訣があるとすれば、それはその平凡なことをごく当たり前にやるということに尽きます。松下さんは、総計520万部を売り上げた国民的ベストセラー名著『道をひらく』(PHP研究所)の「前書き」で、次のように述べておられました。
雨が降れば 人はなにげなく 傘をひらく
この 自然な動きに その素直に
私たちは日ごろから あまり気づいていない
だが この素直な心桜 自然な心のなかにこそ
物事のありのままの姿 真実をつかむ
偉大な力があることを 学びたい
100円で仕入れたものは適正利益を加味した110円なり120円なりの価格をつけて売る、売った物の代金は必ずきちんと集金する、売れない時には無理に売ろうとせずに一休みする、売れるようになれば懸命に作る、こういった当たり前のことを着実に力強く実践していくなら、商売は必ず上手くいくはずだ、というのが松下さんの基本哲学でした。
このことは、商売・経営に限りません。「勉強」においても同じことが言えます。「基礎・基本」を大切にして、間違えたら、理解できるまで徹底的に解き直す。定期試験・課題テスト・模擬試験なども、間違えた箇所を繰り返し反復・復習する。私は生徒達にこのような姿勢を、「ABC(当たり前のことをバカになってちゃんとやる)」と呼んで強調しています。最近の松江北高を見るに、こういう当たり前のことができていません。せっかくのチャンスである模擬試験も「やりっ放し」です。「テスト直しノート」を提出させても、答えの丸写しです。こういう状態が長く続くと、「井の中の蛙」ではなく、「湯の中の蛙」となってしまいます。湯に浸かっている時間が長いと、麻痺している度合いもひどいので、自分が「ゆでガエル」になっていることすら分からなくなっています。これだけ長い期間低迷が続いている松江北高は、「湯の中の蛙」という例えがピッタリします。
最近の模擬試験の「見直しプリント」を「ダウンロードサイト」に登録しておきました。一つの試験を6回も利用していた当時(「模試の活用法~一粒で6度美味しい!?~模試の活用法」をご覧ください⇒コチラでダウンロード可)が懐かしく思い起こされます。力がつくわけだ。生徒たちと一緒に必死で解くことで、教員も見えないものが見えるようになってきます。忙しさにかまけて、「見ておきなさい」では、生徒も教員も力がつきません。私は今でもこの「見直しプリント」を試験翌日に生徒に配布して、見直しを迫っています。❤❤❤
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