ジャネーの法則

▲2013年宮崎での講演会にて柴田紘一郎先生

 数年前、柴田紘一郎(しばたこういちろう)先生(さだまさしさんの名曲「風に立つライオン」のモデルになったお医者さんです)からいただいた年賀状の冒頭に、「ジャネーの法則」についての言及があって、私は知らなかったのでいろいろと調べてみました。「いやあ、一年って早いね~。あっという間だね~。」というアレです。

 「ジャネーの法則」は、19世紀のフランスの哲学者・ポール・ジャネが発案し、甥の心理学者・ピエール・ジャネの著書において紹介された法則です。主観的に記憶される年月の長さは、年少者にはより長く、年長者にはより短く評価されるという現象を、心理学的に説明したものです。簡単に言えば、生涯のある時期における時間の心理的長さは年齢の逆数に比例する(=年齢に反比例する。例えば、50歳の人間にとって一年の長さは人生の50分の1ほどであるが、5歳の人間にとっては5分の1に相当する。よって、50歳の人間にとっての10年間は5歳の人間にとっての1年間に当たり、5歳の人間の1日が50歳の人間の10日に当たることになります。つまりは、生きてきた年数によって、1年の相対的な長さがどんどん小さくなることによって、時間が早く感じるということです。

 この「ジャネーの法則」の、「年齢に比例して感じる時間が短くなる」というのは、分かりやすく言うと、
1才のときを1とすると、
2才のときは1/2
3才のときは1/3
5才のときは1/5となりますから、
数式にすると、Y(体感時間)=1/n(年齢)となりますね。

 注意すべきは、これは今現在進行している時間の体感速度ではなくて、過去を振り返ったときに感じる時間の長さの印象を言っているということです。子どもの頃は見るもの、聞くものすべてが新しく未経験なので、驚きがあるもので、それが強く意識に残り時間が長く感じられます。一方、大人になると、新鮮味のあるものに接する機会が少なくなり、時間があっという間に過ぎ去ってしまうのです。同じことを繰り返す頻度も多くなり(マンネリ化)、それによってさらに時間の経過が早くなるのでしょう。年寄りの一年は早いのです〔笑〕。

 ブッダは、修行者たちに「命の長さ」について尋ねられました。1人目が命の長さは数日間でございますと言うと、そなたはまだ分かっていないと言われました。2人目が私は命の長さは食事の間くらいのものと感じますと言うと、そなたもまだ分かっていないと言われました。3人目が命の長さは一息つく間もありませんと答えると、ブッダはは大いにほめられてそなたのいう通りだと言われています。またこんな喩えもしておられます。「たとえばここに、弓を射る名人が四人いる。1人は東に、1人は南に、1人は西に、1人は北に向かって、同時に矢を放つ。その矢が落ちる前に、目にもとまらぬ早さで、4本とも矢をとらえてしまう男がいたら、この男は足が速いだろう」―「はい、それは速いです」―「その何倍も何倍も早いのが、人間の命だ。命は実に足が速い」

 より充実した満足感を実感できるよう、時間を長く感じるためには、次のようなことを心がけるとよいでしょう。私はできるだけこのような生き方を心がけているんです。新しい人と出会う。関わりあう。②挑戦を続ける。知識に貪欲になる。③知らない場所、新しい環境に足を踏み入れる。④何事も自発的に必死に取り組む。 生活の仕方ひとつで、充実した毎日を過ごし、時間の流れを遅くすることができるのです。ということで、来年も①~④を実践しながら、頑張ることといたします。♥♥♥

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