石部金吉

 しばらくして、食事とビールが運ばれると、治子が姿を見せた。そして酌をする。東京では洋服を着ていたせいか、こんなに魅力のある女とは思わなかった。「高比良はんは、真面目な方どすやろな」「どう見えますか」「石部金吉?」「真面目に見えて損しています」  ―峰隆一郎『函館発「日本海」27分の殺意』(集英社文庫)

 峰 隆一郎の推理小説を読んでいて、「石部金吉」(いしべきんきち)という表現に、久しぶりに出会いました。江戸時代から使われてきた表現ですが、もうすでに古風になった表現かもしれません。若い人たちはご存じない人も多いのではないでしょうか?私の周りの若い先生方は誰もご存じありませんでした。

 「石部金吉」の意味は、「非常にきまじめで実直な性格、あるいはきわめて物堅い人、さらには、融通の利かない人間性、女色に迷わされない人」といった意味合いで使われます。まるで石材や金物でできたかのような、生真面目でお固い頭(考え)を持った相手に用いる。特に男女の機微に疎い相手に用いたりもします。この表現を英語で表してみるとより理解しやすいと思われます。「man of incorruptible character」と表現されるので、腐敗していない人柄、あるいは清廉潔白な人とも訳せます。石と金の二つの硬いものを並べて人名めかしたもの」(『広辞苑』)が由来です。実在の人物ではないようです。石部金吉を使った例文を幾つか紹介しますね。―「あの人は石部金吉のような人です。」「毎日、寄り道せずに真っすぐ家に帰るとは、まさに石部金吉ですね。」「石部金吉のような性格の持ち主は貴重ですよ。」

 「石部金吉金兜(いしべきんきちかなかぶと)」は、さらに極端な堅物を指して言われます。「石部金吉」に鉄の兜を着せたような男というのだから、極端に物堅く融通の利かぬ人間を指して言います。♥♥♥

▲JR松江駅もお正月らしくなりました

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