センターの過去問

 いよいよ最後の「センター試験」が間近に迫ってきました。今日の話題はこの「センター試験」です。

 私が教えている米子東高校内の「勝田ケ丘志学館」では、冬休み、お正月も返上で9回(!)の「パック模試」を行っています。この時期は、こうした本番並みの演習をやるのが一番効果があるんです。もちろん「やりっ放し」にせずに、間違えたところを自分なりに振り返っておく必要がありますが。以前の松江北高で、「模試→1日休み(自分なりに見直す)→フォロー講座(苦手な大問別に講座を開講)」という3日間を1セットで、最後の演習を行っていた頃が懐かしく思われます。

 チョット懐かしい話を。私がまだ若い30代の頃、島根県立松江南高等学校で、冬休みに自分のクラス担任の生徒たちが、点を取るために休み返上で頑張るというので、知り合いの模試業者にお願いして、すでに終わった(あるいは昨年の)古い模試を譲ってもらって(当時はまだ「パック模試」などという教材は全くありませんでした)、本番の時間帯通りに演習をやろうと思い立ちました。業者の中には私の熱意に、ご好意で無料で提供してくれた所、安く譲ってくれたところもあり、自腹で生徒人数分を調達しました。保護者からはお金を取ってくれと言ってきてくださった方もおられましたが、私が勝手にやることなので、やりたいようにやらせてもらいました(当時は辞典が売れて印税がたんまり入っていましたから。「利他の精神」です)。すると他クラスの熱心な生徒の中にも、ぜひ参加したいという者も出てきて、約100人が冬休み返上で毎日頑張りました。この生徒たちがものすごい結果を残してくれたので、翌年度から学校全体で「直前模試演習」というものが始まったのでした。我ながら、良いアイデアだったと思っています。

 この時期は、「センター試験」本試験・追試験にあたって、本番に少しでも慣れていくことと、一種の「勘」のようなものを培わなくてはいけません。実際に出題された問題に数多く触れることで、現在の自分の実力を把握することが必要なんです。一生懸命に市販のセンター問題集を解くのはこの時期にやることではない、というのが私の持論です。中にはヒドイ問題もたくさんあって、そういういい加減な問題で、本来養うべき力が削がれるのが一番怖いんです。特にこの時期、配点の高い長文問題で、「本文」「正解選択肢」の言い換えの『間合い』のようなものをしっかりと体感しておくことが重要だと思っています。私は、松江北高補習科・勝田ケ丘志学館で、秋口から「センター試験」の過去問演習を始め、現時点で、2019年~2010年の本試・追試まで10年分(20回)を解き終わり、解説をしました。もちろん、各大問の解き方のコツを最初に指導しておかねばなりません。年末に米子東高の現役生徒たち(⇒詳細はコチラです)に指導した「センター試験のツボ」資料を、「ダウンロードサイト」に登録しておきました。ご参考にしてください。

・「センター試験のツボ」 (編)八幡成人 ⇒コチラで読むことができます

 尊敬する竹岡広信(たけおかひろのぶ)先生(駿台予備校・竹岡塾)が、「センター過去問」の有用性について、『Q&A即決英語勉強法』(教学社、2016年)に、こんなことをおっしゃっておられました。私が『間合い』と呼ぶものを、逆の視点から、竹岡先生『濁る』と表現しておられますね。全面的に賛成します。

 センター本試験の切れ味のある問題に対処するには過去問以外は考えられません。よくある質問に「古い傾向の問題をやる意味はありますか?」というのがあります。これに対しては「センター試験の根幹は変わっていない。すべてやりなさい」と答えることにしています。また「過去問2週目が終わりましたが、次はどの問題集をやればいいですか?」という質問を受けたときには「変な問題集をやると、『濁る』からダメ。ひたすら過去問を繰り返せ!予想問題集よりも過去問。ひたすら過去問。しみじみ過去問!」と言います。すると「過去問を5周もやったので答えを覚えてしまいました」なんて言う生徒がいるので、そんな場合には「僕なんか、問題文を覚えているけど、それでもやり直すと新たな発見があるよ。とにかく、ぶつぶつ文句を言わないで過去問をやること!」と言います。「書き込みを一杯して使えなくなりました」なんて言う生徒には「2冊目を買いなさい。1年浪人すれば生涯賃金を含めて1,000万円ぐらいの損害が出る。1,000円もしない過去問の本が高いというのはcrazyとしか言いようがない」と言っています。センター試験は良問ですから、高校1年からやるべきです。センター試験という枠にとらわれずに、良質な問題集として使えばいいのです。直前期だけにやるなんて「なんてもったいない!」 (p.142)

 「センター試験」の本番の問題は、非常によく練られていて(稀にひどい問題もありますが…)、私たちがつけるべき英語の力の指標をはっきりと提示してくれています。これを利用しない手はありません。過去問を解く度に、大問ごとに得点率を一覧表に記入させていましたが、こうすることで自分の弱点分野がはっきりと現れてきます。そこを集中的に征服することで、得点力をアップさせることができます。大切なことは、本番の問題を使って、今の自分の「立ち位置」を正確に知ることなんです。それに対して、市販の問題集の中には、本文そのままの表現が正解選択肢に使われていたり、どうしてそれ一つに正解が絞られるのかが疑問なものや、なぜそれが正解なのか根拠すら不明瞭な問題も数多く見られます。やはり長文問題(第3問~第6問)は本番のもので、「本文」とは違う形で言い換えられた「正解選択肢」を見抜く「間合い」のようなものを磨いておきたいですね(「原文典拠の法則」にしたがって「同一内容異表現の法則」を練習するのです)。特に、第1問と第2問の知識問題では、「お色直し」が頻繁に起こりますから、余計に過去問をさらいながら本番に備えておく必要があります。

 私が勤務していた松江南高校では、「二次の力をつければセンターの勉強などはしなくても大丈夫」という教育方針で、伝統的に二次試験の指導ばかりをやっていました。私もまだ若かったので、物も言えずに方針に従って指導していました。ただこれではセンターで取りこぼす生徒も多く、欠陥が生じていました。勤務13年目の最後の年に、私のわがままを言わせていただいて、8月からセンター試験の準備を始めました。福崎伍郎先生『決める!』(学研)を夏休み前に配布して、私がそれまでに指導で溜めてきたセンター試験の資料を整理してプリントにまとめ、少しずつ「センター対策」を計画的に始めたんです。この時のプリント資料が、後の私の「センター対策本」(14版まで改訂版を出しました)となっていきます。今では信じられないかもしれませんが、

▲松江北高で最後に使った黒本

松江南高校時代の若い頃は、過去問の問題集などは出版されていませんでしたから(やって来る出版社の営業の方に片っ端からお願いしていましたが、どこも作ってはくれませんでした。絶対に売れますからと保証したんですが…今では考えられないことです)、自分でセンター本番の問題を縮小コピーして、切り貼り編集をして、版下を作り、印刷屋さんにお願いをして印刷・製本をしてもらって、「過去問題集」として生徒に配布し、演習を行っていました。大変な手間暇をかけましたが、生徒たちは平均180点を取ってくれましたから、やはり効果は絶大であったと言わねばなりません。今は、各社からこぞって「過去問題集」が出版されていますね。松江北高では例年(今は買っていません…)、河合塾『センター試験過去問レビュー』(河合出版)[通称「黒本」]を全員購入して、センター対策のフォローに使っていました。どこの会社よりも解答・解説が詳しいところが魅力の本です(写真上)。「志学館」の生徒たちは現在この本を使って、振り返り学習をしています。

 親しくさせていただいている中川右也先生(三重県鈴鹿高等学校)から、「センター試験」にまつわる詳細な最新データをお送りいただきましたので、「ダウンロードサイト」に登録しておきました。中川先生、いつもありがとうございます。

・「センター試験データ」 三重県鈴鹿高等学校 中川右也先生 ⇒コチラで読むことができます

カテゴリー: 日々の日記 パーマリンク

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中