利益三分主義

 サントリーの創業者鳥井信治郎(とりいしんじろう)さんは、人のやらないことを「やってみなはれ」というチャレンジ精神で有名ですが、創業の理念として、「利益三分主義」を掲げました。事業による利益の3分の1を顧客」に、3分の1を社会」に還元し、残り3分の1を事業拡大」に使うというものでした。企業が得た利益を自社の発展のために使うのみではなく、社会や顧客に還元するという精神です。事実、信治郎は経営に余裕が出た後に、戦災で苦しむ人々のために奉仕し、苦学生へ学資を援助しました。社会福祉と奨学資金のために寄付をしても、そのお金の出所を相手に知られないように細かい配慮をしていたと言われています。

 この「利益三分主義」は、今でも継承されています。東京・赤坂にある「サントリーホール」は、1986年にオープンした東京初のコンサート専用大ホールですが、二千人あまりの客席がステージを取り囲む形式を採用しています。「世界一美しい響き」をコンセプトに開館しました。都心の一等地であるために年間の赤字は、当時で十億円になるそうですよ。完全な奉仕の事業であることが分かりますね。1961年に出来、2007年にリニューアルオープンした「サントリー美術館」もサントリーの社会貢献の一つです。「美を結び美をひらく」というミュージアムメッセージを掲げ、さまざまな活動を展開しておられます。

 鳥井信治郎さんが行った最初の社会貢献活動が「邦寿会」です。貧しい人々のために1921年に大阪西成区に今宮診療所を開設して、無料診療と投薬を行ったのが活動の始まりでした。この活動は戦時下にも継続され、戦後も新たに必要とされた海外引き揚げ者のための寮や戦争未亡人のための母子寮などを開設しています。その後特別養護老人ホームや保育園、福祉施設、訪問介護、居宅介護支援など、幅広い活動を続けておられます。

 創業者・鳥井信治郎さんの「利益三分主義」は、戦前からの社会福祉活動に加えて、「美術・音楽を中心とした芸術文化の振興、学問の振興などによって、生活文化の豊かな発展に寄与する」ものでした。この精神は時代の変化を応じて、活動を進化させてながら、世代を超えて受け継がれています。上場にはメリットだけでなくデメリットもあります。最近よく耳にする敵対的買収もそのひとつでしょう。また上場した場合、費用もかかるし、その維持費用もかかります。その中で最も大きいのは、会社が「株主」のものになる、ということかもしれません。上場しなくても資金に事欠くことなく、優良企業と評価を得ている企業は少なくありません。上場しているか否かは、企業の優劣には関係がないという事と、それぞれの企業の選択という事でしょう。

 最近、孫 正義さんのソフトバンクが大赤字を計上しましたが、携帯電話の会社だと思っていたら、彼の会社は今や投資会社と化していますね。やり過ぎなくらい投資をして儲けに走っている図式です。野球のソフトバンクホークスには、十分過ぎる投資をしてその成果も十分発揮されていますが、もうちょっと社会奉仕に心を砕いてもらえないかな、というのが率直な印象です。♥♥♥

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