「バックシャン」

 年末からお正月にかけて、峰 隆一郎(みねりゅういちろう)さんのトラベル・ミステリーをまとめて読んでいましたところ、バックシャン」という、耳慣れない言葉が出てきました。

 高級な女だろう。歩き方もきれいだ。もちろん、こんな女とは縁がない。バックシャンというのがある。もう古い言葉になってしまった。後ろから見て美人ということだ。バックシャンは顔を見てはならない、という。顔を見ればがっかりするからだ。  ―峰 隆一郎『四国発「瀬戸」殺人夜行』(廣済堂ブルーバックス)

 「むかし、バックシャン、って言葉があった。後ろから見れば、すごくいい女だ。前に回れば、ブスだったりして。尾戸さんは後ろからも前からもシャンだ。シャンとは美人だということ。もう古い言葉だよね」「あたし、バックシャンなの」「そう、後ろから見てもいい女だ。足も長くてきれいだし、腰も細い。柳腰だね」「ほんとに」  ―峰 隆一郎『寝台特急「瀬戸」鋼鉄の棺』(講談社ノベルス)

 上の記述からも分かるように、バックシャン」というのは「魅力的な後ろ姿の女性」という意味です。後ろ・背中(背部)」といった意味の英語“back(バック)”と、美しい」という意味のドイツ語“schoen(シャン:左記は英語表記。独語表記ではschon(oの上にウムラウトが付く)と書く)”の合成で、「和製英語」の一種です。ただし、後姿だけが美人(後姿だけで期待したほど顔は良くない)といった否定的なニュアンスが強く、褒め言葉として使われたものではありません。当時は、正面から見ても美人という意味の反対語「トイメンシャン」という言葉もありました。しかし、「シャン」という言葉自体が使われなくなり、バックシャン」も今では死語となっています。誰も知らない言葉です。♥♥♥

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