再びbe willing toを考える

◎「喜んで~する」ではない!!

 以前にも、このbe willing to Vという成句について、私は「be willing toの語感」と題して詳しく述べたことがあります。⇒コチラです  決して私が高校時代に習ったような「喜んで~する」という意味ではありません。この成句は、「やってもいい、異存はない」程度の意味で、積極性は含まれず「本当はやりたくないけれど…」という気持ちを暗に示しています。デイビッド・セイン先生は、be willing to …ifと、後ろにifの条件文がついていると考えるとよい、と的確なアドバイスをしておられますね。最新の著作でも取り上げておられます。

    A  I'm willing to help.
    B I want to help.
 be willing to...を、「喜んで…する」という前向きな意味で覚えている人が
多いようです。しかし本来は「(条件次第で)…する意思がある」と、限定的な
状況でのみ使うフレーズになります。そのためAのI'm willing to help.をネイ
ティブが聞くと、「喜んでお手伝いします」という積極的な申し出ではなく「
(条件次第で)お手伝いします」という、やや後ろ向きな提案と受け止めます。
 それに対しBのI want to help.ならI want to...(…したい)なので、自主的
な「お手伝いします」という申し出になります。交換条件もなく、親切心から手
助けを申し出る、Please let me help you.(お手伝いさせてください)と同様
のフレーズです。これならカジュアルにもフォーマルにも、また状況を選ばずに
使うことができます。
 条件付きで手伝いを申し出るならAのI'm willing to help.を、条件なしで積
極的に手伝うならBのI want to help.を使うといいでしょう。ちなみにI'm 
willing to help, if you write me a recommendation.(推薦状を書いてくれ
れば、手伝ってもいいですよ)といった言い回しなら、I'm willing to help.
のニュアンスがうまく伝わるはずです。
  ―デイビッド・セイン『誤解しやすい英語表現使い分けドリル』(DHC,2019
年)p.34.

 松江北高のALTのジーノ先生は、「あなたは掃除をして住宅を退去しなければなりませんよ。もし大変だったらお手伝いしていいですよ」というのが、be willing toの典型的な使い方だとの観察を示されました。参考になりますね。

 最近刊行された『アクシスジーニアス英和辞典』(大修館、2019年)には、Question Box」という、日本人学習者がつまづきやすい盲点を解説した39個のコラムが収録されていて、とても勉強になります。高校生の英語に関する素朴な疑問にていねいに答えています。リストも挙がっていますので、先生方にはぜひ全部読まれることをお薦めします。 この辞典の詳しい特徴に関しては、次のサイトが参考になります。⇒コチラ  そこには、このbe willing  to~も取り上げられており、実に明快な解説が見られます。まさにこの説明に尽きます。

<Q> be willing toは「喜んで‥する」という意味ではないのですか。

<A>  違います。「‥してもかまわない」という意味を表します。be willing toは、自分から積極的になにかをしたいという意味を表しません。特に反対する理由もないので同調する場合に「‥してもかまわない」という意味で用いる表現です。強調する副詞のperfectly やquiteをつけても、そのことは変わりません。I’m (perfectly[quite]) willing to do that, but it may take several days.(それをしても別にかまっわないけど数日かかりますよ) 「喜んで‥する」の意味は be ready[glad] to で表します。gladの方が「喜んで」の気持ちが強くなります。I’m ready[glad] to drive you into town any time you want to go. (あなたが行きたい時にいつでも車で町までお送りします) ただしwillingが名詞を修飾する場合、また副詞形の willinglyは、「喜んで(‥する)」という意味を表します。

 木村達哉先生『ユメジュク』(アルク、2010年)には、「快く~する、~するのをいとわない;~する用意がある」として、I’m willing to assist you.(喜んであなたのお手伝いをします) という、いかにもちぐはぐな記述があります。昨年出た改訂版では、「~するのをいとわない、進んで~する」という訳語に変わり、訳文も「あなたのお手伝いをするのは構いませんよ」と正しく変更になっているものの、「備考 「やりたくないことでも進んでする」というニュアンス」というトンチンカンな注記が添えられています。どこまで分かっておられるのか不思議な記述です。

 『英熟語ターゲット1000』(旺文社)には、「~してもかまわない ▲be glad[pleased] to do などに比べ、積極的な気持ちは弱い」と正しく解説されています。私が尊敬する竹岡広信先生『LEAP』(数研出版)には「嫌がらずに~する  ▲(必要に応じて)~しても構わない」と、さすがの記述です。関 正生『英単語Stock』(文英堂)は、「willの「~する意思がある」という意味から発展し、「進んで~する」となりました。be willing to~「進んで~する」という形で使われます I’m willing to help you anytime.いつでもよろこんでお手伝いしますよ」と、いつもの関先生らしくない誤った記述です。まだまだ正確な理解には至っていないことがよく分かることでしょう。♥♥♥

 

 

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