本屋通い

 3月は授業もなく、頼まれていた「共通テスト」の特別授業も、新型コロナウィルス拡大防止で一斉休校になったために、キャンセルとなりました。頼まれていた原稿も全て手を離れ、本当に完全フリー状態です。5年前に松江北高を定年退職したときに、2ヶ月だけこのような天国の日々を過ごしましたが、それ以来のことです。

 気がついてみると、毎日のように本屋通いをしています。近くの「今井書店学園店」に、ちょっと気が向いたら、田和山にある「今井書店センター店」まで遠出したりしています(上の写真はこの3日間で買った本です)。気になったありとあらゆるジャンルの本を、どんどん買って枕元に積んでおくんです。今日は、ジェームズ・M・バーダマン『ネイティブが教える 日本人が絶対間違える英語大全』(KADOKAWA、2020年3月)という面白い新刊書を見つけてきました。この本、先生方に結構勉強になりますよ。帰りには、松江に3店舗ある「BOOKOFF」に立ち寄ったりして、昔の本を漁ったりしています。根っからの本好きなんですね。藤原正彦さんの言う「自ら本に手を伸ばす子」が、私です。“読書三昧”の日々を過ごしています。

 先週は、特急「やくも」号(ガラガラ!)で、岡山「丸善」まで出かけてきました。重宝しているOxford Advanced  Leaner’s Dictionary(Oxford University Press)の最新第10版が出たので(日本での販売権は旺文社)、辞書屋としてはいち早く手に入れておきたかったものですから。第9版から新たに約1,000項目が追加されています。さらに、Collins COBUILD English Usage (Collins) の最新第4版が、桐原書店から発売になりましたので、それも併せて買いに行ったわけです。世界最大45億語のコリンズ・コーパスのデータから実際の用例を紹介したもので、ビジュアルアイコンで分かりやすく掲載しています。新コーナー「Language Change and Society」が目に止まりました。過去10年の英語の語法の変化をまとめた興味あるテーマ(social media, mental health, gender等)の記事を掲載しており、現代英語の研究に参考になります。

▲目標の2冊をゲット!!

 今から40年も前の思い出を少し。島根県立平田高校(初の甲子園出場が決まっていたのに可哀想な結果になりました)で、教員なりたての頃は、8万円ちょっとの月給で、毎月5,000円本を買うのがやっとでした。平田市にある「小村書店」という小さな本屋さんから、毎日学校に配達してもらっていました。ボーナスをもらうと、親戚のあった岡山市「丸善」「紀伊國屋」に出かけて、島根県では手に入らない洋書類をどっさりとまとめ買いして帰ったものです。忘れられない思い出があります。ボーナスを懐に岡山の「丸善」で洋書漁りをしていました。すると棚にR.W.McCoard, The English Perfect : Tense-Choice and Pragmatic Inference. (1978, Amsterdam)という、オランダから出ている面白そうな研究書を見つけました。めちゃくちゃ値段が高くて(当時1万5千円ぐらいした)買おうか買うまいかずいぶん購入を迷いました。何度もレジに持って行こうとし、いや高すぎる、と棚に戻したりを繰り返していました。迷った挙げ句、思い切って買って帰りました。面白くて、なめるように読みました。中でも注意を引いたのが、英語の副詞recently latelyの意味上・統語上の違いについての記述でした。この本で、イリノイ大学R.Stockという教授が、この問題を深く掘り下げておられることを知り、アメリカから同大学の図書館から論文を取り寄せて勉強しました。その成果は、私の「LATELYとRECENTLYは同義か」『英語教育』2(1980年、大修館)という論文にまとめられることになりました。この二つの副詞の使い方は、実にやっかいな問題を含んでいるんです。決して、recently(最近) = lately(最近)などという安易な扱いはできません(現場の単語集の多くがそれで済ませていますが)。興味のある方はご覧ください。♥♥♥

・「LATELYとRECENTLYは同義か」八幡成人 『英語教育』2月号 1980年 ⇒コチラで読むことができます

◎オリンピックはどうなる??

 アメリカの『ワシントン・ポスト』紙が、「東京五輪」の開催にNOを突き付けました。ご紹介しておきます。「予防策を講じるのは良いが、全世界が歴史に残る脅威‥パンデミックと闘う中、五輪と日本の関係者が、東京五輪を開催できるかのように行動していることは、完全にばかげている‥いや、全くの無責任だ。」「(東京五輪は)ウィルスにとってふ化器のようなもの。致命的な広がりをもたらす」「五輪と日本の当局者が現実を認めることを拒否する裏には、危機にひんしている金と名声がある」「日本は建設とインフラ改善に多額の投資を行い、IOCも数十億ドルの放送権を活用している」「五輪の投資は選手の利益を含む他の利益を、最終利益より優先することはなかった。ある時点で大会を続けることができないことに気付くだろう」 ここまで言われて、果たして予定通り実施できるんでしょうかね。

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