鼓門・もてなしドーム

 金沢駅「兼六園口」を出ると、すぐに向き合うのが「もてなしドーム」です。金沢は雨や雪が多いため『駅を降りた人に傘を差し出すおもてなしの心』をコンセプトに誕生したものです。金沢を訪れた人を幾何学模様のガラスの天井がやさしく迎えてくれます。フォトスポットとして人気なのが、その先にある荘厳な印象の「鼓門」(つづみもん。金沢の伝統芸能である能楽で使われる鼓をイメージしています。高さが13.7mもある2本の太い柱に支えられた門構えは圧巻ですね。金沢を訪れた多くの観光客が、まずここで記念写真を撮影しています。金沢駅は、アメリカの旅行雑誌『トラベル&レジャー』web版にて「世界で最も美しい駅」14駅の1つ(第6位)に選出されています。ちなみに1位はベルギーのアントワープ中央駅。2位はイギリスのセント・パンクラス駅。3位はモザンピークのCFMマプト中央駅です。

 近代的なデザインの「もてなしドーム」は、昼には降り注ぐ日の光とともに、夜にはライトアップされた姿で人々を魅了します。まず目を見張るのが、ガラスとアルミ合金からなる巨大な天井ドームです。半径90㍍の巨大な球の一部を、広場中央の歩行者空間の形に合わせ、ちょうど三味線のバチの形に切り出した形状です。使用した強化ガラスは屋根と壁に3,019枚、アルミフレームは6,000本になるそうですよ。その様はまさに巨大なオブジェ!ガラスとアルミ合金の組み合わせはまるでアートのように素晴らしく、太陽の光や夜のライトアップによって様々な表情を見せてくれます。このガラスは180㎝の積雪にも耐える強度を持っているそうです。この天井ドームは、通称「もてなしドーム」と言われ、大きな傘をイメージしているのですね。雨や雪の多い金沢で、駅を降りた人にそーっと傘を差し出す、そんな粋な心意気を表現しているのです。

 ドームの先端で厳かにたたずんでいるのが鼓門」(つづみもん)です。このモチーフとなったのは、金沢で昔から盛んだった能の鼓。プロジェクションマッピングが行われることもあります。高さ13.7mの太い2本の柱に支えられた門は、伝統芸能である能楽・加賀宝生(かがほうしょう)の鼓をイメージしています。この「鼓門」には、米松の構造材が使われており、らせん状に組み上げられた柱と、緩やかにカーブを描く面格子の屋根が一際美しく、風格のなかにある繊細さが、とても素晴らしいです。この「鼓門」「もてなしドーム」が一体となった金沢駅の風景は、観光スポットとしても見応え十分です!そして建築美もさることながら、注目したいのが構造面。「鼓門」の2本の柱の内部には送水管が通っており、もてなしドームの屋根に降り注いだ雨水は、この2本の柱の内にある送水管へと流れ、貯水槽に送られています。雨や雪がとても多い金沢で、大きな傘であるドームの水が柱の下に流れ込んでいく。そんなところにも「おもてなしの心」が表れているのです。

 ではなぜ、能楽の「鼓」が玄関口に選ばれたのでしょうか?金沢は、加賀藩の初代藩主・前田利家の時代から、代々能楽を愛好してきました。能には5つの流派がありますが、5代藩主・綱紀になると、当時の徳川将軍・綱吉にならい宝生流を愛好。綱紀は宝生流をとても手厚く保護し、武家だけでなく庶民にも広がっていきました。
「金沢へ行くと松の上から謡が降ってくる(植木屋)」のたとえもあるほど、暮らしの中に能楽が溶け込み、多くの人々に愛されていたのですね。金沢は今でも、その文化が脈々と受け継がれていて、「石川県立能楽堂」「金沢能楽美術館」という能楽専門の立派な美術館もあります。能楽の鼓をイメージした門構えで、観光客をお出迎えしている理由がよく分かりました。城下町である金沢は、伝統芸能でおもてなしをする文化が息づいているのです。

    2015年「北陸新幹線」も開通して、ホットな街・金沢の新しいシンボルとなった金沢駅。近くから細部をじっくり観察するもよし、遠くから全景をとくと眺めるもよし。ライトアップされた夜景もきれいですよ。♥♥♥

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