明朗であれ~渡部昇一先生

 尊敬する渡部昇一(わたなべしょういち)先生がお亡くなりになったのは、2017年4月17日でした。早いものでもう三年が経とうとしています。⇒私の追悼記事はコチラ  今、私は、先生が若い頃にお書きになったご著書を(私の自宅の「書庫」には先生のほぼ全ての本が並んでいます)、少しずつ読み返しているところなんですが、先生が当時予測しておられたことが、すべて現実になっているのを見ると、改めて先生のご慧眼に感銘を受けることです。私は、あまり知られていない渡部先生のエピソードを、不定期でまとめているところです。現在、(1)~(7)までまとめました。⇒コチラです

 保守論壇を代表する碩学で、「知的正直」をモットーに研鑽を深め、その自宅の蔵書は15万冊にのぼり、個人のライブラリーとしては世界最大と言われています。若き日から、幸田露伴『努力論』を座右の書として、自助努力で言論人となる道を切り拓かれました。私は大学生の時に、先生の『知的生活の方法』(講談社現代新書)〔100万部を超える超ベストセラーとなりました。今でも版を重ねており、若い人たちも薦めている名著です〕を読んで、カルチャー・ショックを受けて以来、ずーっと先生の著書、雑誌を読み続けてきた大ファンなんです。今から30年ぐらい前に、松江市「ホテル一畑」にご講演(「日本の果たしたこと、そして果たすべきこと」)に来られたときに、知人の計らいでお会いすることができ、控え室で握手してもらった感激は忘れることが出来ません。以来、私たちのライトハウス英和辞典』の推薦文を書いていただいたり、折に触れてお手紙をいただいたり、思い出は尽きません。私が退職した時にも、あの達筆の書で、ねぎらいの言葉をいただきました。宝物です。

 「ホテル一畑」で初めて個人的にお会いした時に、ビックリしたことがあります。ホテルのお部屋(控え室)まで行ったところ、部屋の入り口には警備の方が立っておられました。そしてお部屋に入った中にも警備の方がおられました。何て厳重な警備態勢だろうと、正直驚きました。先生は右寄りの思想ということで、敵も多いと聞いていましたが、これほどまでかと感じたことでした。最近、息子さんの渡部玄一(わたなべげんいち)さんが、お父さんの思い出を綴った『明朗であれ~父、渡部昇一が遺した教え』(海竜社、2020年3月)という本を出版されました。その中にこんな記述が出てきて、「そうだったのか!」と膝を打ちました。私たちの知らない渡部先生の家族との思い出話が詰まっていて、涙しながら読みました。ご長男の渡部玄一さんの著作には、『ワタナベ家のちょっと過剰な人びと』(海流社、2013年)、『知的生活の方法・音楽篇』(ワック、2009年)もあり、渡部家の絆を垣間見ることができます。

 父は確かに物議を醸し出す論戦を多く戦ってきた。父が正しかったか、間違っ
ていたか、私は論じる立場にない。だが、戦後にタブーとされた多くの問題や批
判を、マスコミの中ではほぼ最初といっていいくらいに取り上げた果敢な先駆者
であったことは事実だ。そのことが、多くの人が父を尊敬してくれる理由の一つ
になっている。
 しかしその多くの人たちも、父に殺害の脅迫電話があり警察が毎日警邏してい
た時期があったことを知らないであろう
 夜中郵便ポストを見ると「○月○日 午前零時、異常ありませんでした」という
警察からのメモ書きが投函されている日々であったことも知らないであろう
 私たち家族は気が気でなかったが、本人はまったく動じることがなかった
 学生運動盛んな頃、毎日教室にやってくる過激派にもまったく動じず、結局自
己批判も謝罪もせず撃退して、他校の教授から方法を伝授してほしいと頼まれて
いたことも知らないであろう
 こうしたことは、たとえ愚息といえども「信念」がなければできないことぐら
いはわかる。
 父の信念に基づいた強い言説はときに誤解を受け、一部の人々を不愉快にさせ
たであろうことも理解できる。
 ただ、父が個人である他人に、その立場がいかなるものであっても、侮辱的な
態度をとるということはなかった。
 これは父に直接接した人なら、皆知っていることである。   (p.194)

 最近、渡部先生の昭和史の名講義が活字化されて出版されました。『これだけは知っておきたいほんとうの昭和史』(致知出版、2020年3月)です。これは平成19年に致知出版主催で行われた『渡部昇一「歴史講座」子々孫々に伝えたい日本の昭和史』での講演を書籍化したものです。日本の歴史の「虹」を垣間見ることのできる貴重な歴史書です。♥♥♥

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