加賀屋(その1)

◎日本一の旅館「加賀屋」に泊まってきた!!

 石川県・和倉温泉「加賀屋」は創業は明治39年(1906年)。創業112年の歴史ある伝統と格式・心のこもったおもてなしが評価され、「プロが選ぶ日本のホテル・旅館ランキング100選」36年連続総合1位を獲得している、日本を代表する老舗旅館です。年間宿泊客が20万人を超える歴史ある大規模な和風旅館です。良質な温泉も人気ですが、日本の四季の移ろいを心ゆくまで感じることのできる和風情緒あふれるお宿です。一番人気は、北陸の素材に拘った季節感に溢れる料理だといいます。昨年の「第45回プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」(旅行新聞新社主催)でも、3年連続、39回目の総合1位に輝きました(2016年に一度だけ3位に転落し、これは事件だと思いましたが、すぐに復活しています)。この100選には、総合、もてなし、料理、施設、企画の5部門があり、全国の旅行会社による投票で選ばれるものです。ぜひ一度泊まってみたいと思っていましたが、予約が取れたので(いつもの「日本旅行」田中さんのお世話です)出かけてきました。楽しみですね。

 石川県は、能登半島のある「能登」と、金沢小松がある「加賀」の二つに大きく分かれます。旅館は、能登半島にあるのになぜ「加賀屋」なのか?が、私の素朴な疑問でした。加賀地域の津幡という地で農業を営んでいた小田與吉郎「一生のうちに、庭を草履ばきで歩いて過ごせる暮らしがしたい。そうできる商売はないか」と考えて、目をつけたのが父がリウマチの湯治で頻繁に訪れていた和倉温泉でした。父が定宿としていた宿の向かい側に、ほぼ営業停止状態であった旅館があったので、それを買い取り、12室で30人収容の旅館を始めたのが最初です。名前は、出身地の加賀にちなんで、「加賀屋」と名付けました。これがルーツです。などを、下の三冊の本で予習をして出かけました。購読している月刊『致知』4月号(2017年)の女将・小田真弓さんのインタビュー記事もチェックしています。何事も予習が大切です〔笑〕。果たして日本一の旅館とはどんな体験を提供してくれるのか?

 和倉温泉駅に、特急「花嫁のれん」号で着き、改札を出ると、「加賀屋」の方がバスでお迎えに来て下さっていました。10分ほどバスを走らせ到着です。バスを降りると、若女将以下、仲居さんたちのお出迎えです。

 素敵なロビーです。フロントで手続きを済ませると、ラウンジに案内されます。お琴の生演奏が響く中で、抹茶と和菓子のサービスです。ここに出された「波の華」(なみのはな)という、加賀屋特選の和倉銘菓が実に美味しかったので、売店でお土産に大量に買って帰りました。波の華」というのは、海岸付近で波が花のように見える現象だと聞きました。ペッチャンコの薄焼きクッキーが 餡子を挟んでいて、実に美味です。日本一の旅館の和菓子はやはり違いますね。ここからすでにファンになっています。係の方がお迎えに来られ、荷物を持ってお部屋まで案内してくださいます。「さっきのお菓子が美味しかったので買って帰ろうと思うが、どこで手に入りますか?」とお尋ねすると、わざわざ売店の売っている場所まで案内してくださいました。その間いろいろな施設を説明してもらいながら歩いて行きます。お部屋に入ると、滅茶苦茶広~い和室です。部屋数が4つも!(和室3洋室1)窓からは雄大な七尾湾が眼下に迫ってきます。この壮大な眺めだけでも泊まる価値のある一級品です。高級そうな輪島塗の素敵なテーブルで、お茶と和菓子をいただきます。係の方と記念撮影、パチリ!

 館内を巡っていると、この旅館そのものが「美術館」です。至る所に、当地の珍しい工芸品や美術品がさりげなく飾られています。「加賀屋」では実際に、「当館の美術品めぐりコース」なる企画も行われていました。私は残念ながらその時間に他に行くところがあったので、参加できませんでしたが、館内をブラブラと歩いているだけでも、十分そのことは伝わってきます。本当にすてきなお宿です。

 振り返って見て、何か特別なことをしてもらったかといえば、特に何もありません。従業員の方々は、みなさりげない笑顔で楽しそうに親切に接してくださいます。あ、そうそう、こんなことがありました。私は心臓の他、持病の「薬」を毎日8種類ほど服用しているんですが、七尾湾の絶景を眺めながら「朝食」をいただいているときに、うっかり薬を飲むのを忘れてテーブルの上に置き忘れたみたいです。食事を終えて、離れたエレベータのところまで歩いてきました。すると若い仲居さんが、全力ダッシュでエレベーターまで追いかけて来られ、笑顔で「お客様、大切なお薬をお忘れでございます」と。この言葉が心にズシンと響きました。帰る時にも、若女将の絵理香(えりか)さんに、このことをお伝えして感謝の気持ちを述べました。喜んでくださって、一緒に写真を撮りましょうということで、パチリ。待たせていたタクシーで、「のとじま水族館」を目指しましたが、ずーっと手を振って送ってくださいました。

 「加賀屋は何が日本一なんですか?」という問いには、こう答えが返ってきます。それは、旅館として当たり前のことを、日々、確実に地道にこなす努力を怠らないことです」 長年十分に経験を積んだ客室係の皆さん一人一人が、それぞれの言葉で心から誠意を尽くし、各の個性を発揮しながら、個々のお客さんの思い出作りを演出してもらいます。宿泊客が求めていることを、求められる前に提供する、そんなさりげない日々の積み重ねの中から、加賀屋」には感動と満足を呼び込む正確なサービスが根付いているのでしょう。私がいつも教室で高校生たちに言っている、「ABC」(たり前のことをカになってゃんとやる)と相通ずるものがあるなあ、と感じていました。非日常性と最高満足度を提供するための努力。自分の家族や親戚、友達が来たような温かい気持ちでお迎えする、お客さまが今どうしてほしいかってことに気づいて、して差し上げる、そうして喜ばれる、その喜びが自分の喜びになる、この繰り返しだと言います。

 徹底していることは、お客様からいただいた意見を「捨て子」にしないということだそうです。客室のテーブルの上には、簡単なアンケート用紙が準備されていて、それをチェックアウトの際に提出すると、加賀屋特製の「クリアファイル」をいただくことができました。さらには帰ってから 詳しい感想を返送する用紙も準備されていて、私も感想を添えて送り返しました。このアンケートを月に一度「アンケート会議」で詳しく分析して、小さな点まで改善の目が行き届くように心掛けているそうですよ。確かに値段は高いんですが、加賀屋にとって、サービスとはお値段を安くすることではないんです。お着きになられてから、お帰りになるまで、気持ちよくお過ごしいただく、その一点に徹することが私たちの宿のサービスです」と。若女将にも申し上げたんですが、また泊まりに来ます。(明日は「加賀屋」の料理をご紹介します)♥♥♥

 「これをすればお客さまは喜ぶに違いない」とか、「これはきっとサプライズだろう」と考えているうちは、「おもてなし」ではありません。そういうある種の「駆け引き」のようなものは「おもてなし」には不要で、極めて普通に、至って自然に、お客さまの希望を叶えることが本当の「おもてなし」なんだと思います。


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