「お金を追うな、仕事を追え」

 私が最近のぼせて読んでいる、小宮一慶(こみやかずよし)さんの本によく出てくる言葉がこれ、「お金を追うな、仕事を追え」です。小宮さんの人生の師匠である故・藤本幸邦老師(曹洞宗・円福寺)の言葉だそうです。お金を追いかけているうちは一流にはなれません。もちろん、お金を全く稼げないというのもまた一流ではありませんがね。「良い仕事をして、その結果、お金を稼ぐ」という気持ちを持つことが大切です。この順番が大切なんです。もっと言えば、お金を稼げるくらいの良い仕事をしなければならないのです。良い仕事を通じて周りの人に喜んでもらい、さらにそれをもっと工夫して、多くの人に喜んでいただく。そうすれば、仕事は間違いなく楽しくなってきます。それが仕事に対する正しい考え方だと私は思っています。良い仕事を一生懸命追いかけていれば、お金や地位や名声などは後からついてくるものです。私もその思いで、今までずっと誠心誠意仕事をしてきました。お金に執着することは一切ありません。私は人にご馳走することも多いのですが、本当に不思議なことに、おごった後は、思いもかけないところからお金が転がり込んだりします。とにかくいい仕事を追いかける。これに尽きます。お金に執着しないことです。

 何か仕事をする際に、いくらになるか?お金の計算ばかりしている人がいます。ちょっとそれは割に合わないと思えば、手を抜いたり、断ったりする。そういう人には、大きな仕事を任せようという気にはなりませんね。私が尊敬するパナソニックの創業主の松下幸之助さんは、「仕事の喜びをお金に代えられると思っているうちは、本当の仕事の喜びを知らない」とおっしゃっています。そして、とても逆説的ですが、お金に代えがたいほどの仕事の喜びを知った人のほうが、お金を稼げるようになっているのです。お金云々ではなく、仕事をすることが好き。そして実際に良い仕事をしている。そういう人物のところに仕事は集まってくる、そしてお金も稼ぐことができる。お金を稼ぐ人はお金を追わない。良い仕事に集中する。そうすれば、楽でない仕事も楽しくなる。お金はあくまでも結果です。

 そんな一例をご紹介しましょう。大田高校に勤めていたときにお世話になった、松江の電気店さんから紹介してもらった、「モリイデンキ」さんというパナソニックのお店がありました。引っ越しのときの電気関係のことは全部やってもらったんですが、とても丁寧な仕事ぶりで、いっぺんでファンになりました。何か困ったことがあれば電話一本ですぐ飛んできてくださるのも有り難かったです。その頃ちょうどハイビジョン・テレビが出た頃で、家にデモで持ってきてもらい見せてもらったんですが、画質がめちゃきれいで(松任谷由実のコンサートだったと思うんですが、彼女の顔の化粧の細かいところまで鮮明に映っていたのを覚えています)勧めてくださいました。ちょうどその時に、大好きなさだまさしさんのコンサート番組がハイビジョン放送されるということで、「観たいな~」と話していると、ご主人の森井直行さんがわざわざその番組を録画して家まで届けてくださいました。こういう親切さが、お客の心をつかむんですね。すぐに大田で第1号のハイビジョン・テレビを購入したのは言うまでもありません。パナソニックの電動自転車に乗り始めたのも、森井さんの紹介でした。それから津和野に転勤して(3年)、松江北高に帰ってきて(10年)、定年で退職しました。すると森井さんから、長年のご勤務お疲れ様でした、と大田の珍味を届けていただきました。もう十何年もお会いしていないし、製品の購入もしていないのに、覚えていてくださってお心遣いをいただきました。こういう仕事をしている人には、お客さんがついていくんでしょうね。私がわざわざ出かける「そごう広島」5階の「ラコステ」岡本さんも、そんなお一人です。私は買った商品を全部自宅に送ってもらうんですが、その荷物の中にはいつも丁寧な心温まるお手紙が入っている。ちょっとしたことですが、これでもう何十年も通い続けています。松江にも「ラコステ」のお店はあるんですが、私はいつも広島で買っています。

 多くの外国の英語学者さんとご一緒に仕事をしてきましたが、文化の違いからか、お金のことにうるさい人が多かった印象です。事細かくお金の条件について「これをしたらいくらくれるか?」「支払いがないので、解答できない」「仕事の報酬はいくらだ?」と、辟易することも度々でした。プロだからお金にこだわるのは当然と言えば当然なんですが、あまりにもお金、お金と言われると嫌になります。ただ一人だけ、例外がおられました。アメリカ言語学会の会長もなさった言語学者、Dwight Bolinger博士です。若い頃から、幾たびと質問をするとすぐにお返事が返って来ます。『ライトハウス英和辞典』(研究社)の編集顧問として、同辞典の記述を細かく見ていただきましたが、お金のことを言われたことは一度もありませんでした。本当に言葉の世界を愛しておられる、それを極めようとしておられる先生で、尊敬できる先生でした。⇒私とボリンジャ-先生の出会いの紹介はコチラです  「お金を追うな、仕事を追え!」というお話しでした。♥♥♥

▲お孫さんのBruce McClureさんと(1987年10月1日)

カテゴリー: 日々の日記 パーマリンク

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中