さだまさしさんの新しいアルバム『存在理由』を、仕事場で毎日かけて聞いています。一番の目玉曲は2007年の「クリスマスの約束」で小田和正さんと共演した「たとえば」であることは、すでにお話ししましたね。⇒コチラです さださんがこのアルバムにかける思いを「会報 まさしんぐworld」(Vol.261)の中で語っています。
年を重ねてくると、自分のポジションというものが見えてくる。自分の椅子、さだまさしの椅子…そんなものは不安定なものだし、意味のあるものなのかどうか、分からない。お客さまが来てくださるうちは責任があるけれども、自分にまだ役割があるのか、という問い掛けを常にしています。僕の(音楽の)手法は、今風ではないし、今風に合わせる気も、さらさらない。46年もやってくると、みんなは(さだまさしを)空気みたいに思っているのかもしれない。何曲かは知っているけれども、それで“さだまさし”を知ったような気持ちになっていて、実は、ちゃんとは聴いていない。そんな“さだまさし”が、今、現場で、こうして最前線でやれている理由は何だろう?これでやっていていいのか?素朴な疑問ですよね。いらないのなら、やらない方がいい。でも、やらなくていいよと言われて、やめるかといえば、やめないだろうと思う。それほど不思議な…、まあ、レゾンデートルですね、まさに。
2019年のカウントダウンコンサートの最終盤に、さださんはこんな言葉を語りました。
こんなに頑張っているのに、なかなか評価されない。こんなに頑張っているのに、誰も褒めてくれない。でも、自分がいるじゃないか、と僕は言いたいんですよね。自分だけは、ちゃんと自分のことを分かっているから。