「サンシャイン水族館」

 池袋サンシャインシティ」の最上階にある、「サンシャイン水族館」(2200円)に行かれたことがありますか?サンシャイン国際水族館」としてオープンしたのが、1978年10月のこと。世界初(もちろん日本初)の屋上にある水族館です。1980年代のラッコ・ブームの際には、年間来館者数は170万人を記録しています。ところが、時代の流れと共に来館者数は伸び悩み状態になり、2009年には年間70万人にまで落ち込んでいました。水族館プロデューサーの中村 元(なかむらはじめ)さんに、経営するサンシャインシティから水族館リニューアルの打診があったのは、2009年春先のことでした。オープンから30年が経った古い施設を新しくするのを機に、もっと人を呼べる水族館にしたいという意向でした。リニューアル後には110万人を超えてもらいたいというのが、会社側からの希望だったそうです。中村さんは「私を使っていただいているんですから、140万人から150万人を目指しましょうよ」と、最初から自分を追い込んでアピールしたそうです。結果的には、リニューアル後の一年で、約3倍の224万人になりました。理想・究極の水族館を目指す中での、水族館スタッフとの衝突の詳細や、議論・計画の進捗などは、中村 元『常識はずれの増客術』(講談社α新書、2014年)に見ることができます。これ実に面白い本でした。

 高層ビルの10階と11階にある、世界一の高層水族館なので、荷重制限が厳しく設定されていて、水槽に使う水の量をなるべく抑えないと建物が重さに耐えられない、という点からも、大規模改装がしにくいといった難点がありました。屋上は小さな動物ばかりを集めたミニ動物園化していました。議論を戦わす中で、知恵を絞りあい、海の広がりや奥行き感、ブルーの透明感、心地よい浮遊感と清涼感という「水塊」を全面に押し出した、理想の水族館が完成しました。コンセプトは「天空のオアシス」です。さらには「屋上を緑化」することで、景観がよくなり癒やしの効果が生まれました。「日本一気持ちのいい屋上」を目指しています。私も卒業生に案内してもらって、一昨年初めて訪れましたが、実にユニークな仕掛けが至る所に見て取れます。

    目の前に流れ落ちる人工滝の爽やかな音と、青い池を包むように緑の植物により、心は一瞬にして南洋のリゾート地へと連れて行ってくれます。どこまでも広がる青い水中世界、漂う浮遊感、大量の水による清涼感、どこまでも広がる南海のサンゴ礁を想起させます。屋内エリア(10階)は、南国海中オアシスをイメージした「サンシャインラグーン」です。240トンもの水を使ったこの大きな水槽には、30種類約3,000匹の魚が暮らしています。ここで行われるパフォーマンスタイムでは、ダイバーさんが水中マイクを使って魚たちを解説してくれます。海、河川、湖ほか、様々な生き物が暮らす水のある風景を楽しむことができ、光り射すオアシスの青色に染まり、世界初の「クラゲトンネル」を抜けていきます。屋外エリア(11階)は、奥には大きな滝、青々とした芝生、ビルの屋上とは思えない自然あふれる空間が広がっています。自然の緑と花々、青空の下、生き物を至近距離で楽しめる開放感溢れるくつろぎのエリア。輝く緑が溢れる川のオアシスのエリアが広がります。日本初となる頭上に設置されたドーナツ型水槽「サンシャインアクアリング」では、アシカやペンギンが都会の空を飛ぶように泳ぎます。そのほか、360°どの方向からも楽しむことができる、新感覚のアシカパーフォーマンス、生き物の生き生きとした姿を見られるよう工夫された環境展示、生態展示など、心動かす発見にきっと出会える水族館です。

 中でも私が心を奪われたのはペンギンの展示でした。従来のペンギンの展示と言えば、岩場ばかりが一般的なイメージかと思われます。しかし実際のペンギンは、花咲く緑の草原で営巣もします。そんな生態を「草原のペンギン」コーナーで見ることができます。見上げると、東京の空を悠々と飛んでいるかのように泳ぐ姿を目の当たりに体感することのできる「天空のペンギン」の美しい展示もあります。「空飛ぶペンギン」です(写真下)。この街並みは写真や映像ではなく、正真正銘の本物の街で、水槽の正面の壁が透明なアクリル板になっているので、空やビルが水槽越しに見えるという仕掛けです。大きな羽を広げているモモイロペリカンも可愛かったですね。

 私の尊敬する出版プロデューサー・評論家の川北義則(かわきたよしのり)さんの『死ぬまで好奇心!』(海竜社、2017年12月)に、こんな一節がありました。

 都心の水族館といえば、池袋の高層ビルの最上階にある『サンシャイン水族館』だろう。この水族館のコンセプトは「天空のオアシス」だそうだ。ここに足を踏み入れると、一瞬にして少し前まで都会の雑踏の中にいたことが嘘のように感じる。
 『サンシャイン水族館』に入ってみると、まず目の前の人工の滝とうっそうと生い茂った樹木に驚かされる。「これが水族館?」という」というのが第一印象だ。
 そして大きな水槽の前に立てば、目の前に広がる魚たちの泳ぐさまと海中の鍾乳洞のような情景に思わず息を飲む。
 クラゲがゆったりと泳ぐトンネルをくぐって、オアシスエリアに進む。思わずペンギンが空を泳いでいるように錯覚してしまう「天空のペンギン」も見どころの一つだ。季節によっては、夜8時まで営業しているので、ひと仕事追えてからでも行ける。    (pp.46-47)

 この「サンシャイン水族館」では、新展示エリアの「海月空感(くらげくうかん)」が、7月9日にオープンしました。水槽の形状や水流、照明、音など空間全体への演出の数々で、クラゲ最大の魅力である“浮遊感”や“ゆったり感”を、より一層強く感じられる新たなクラゲ展示エリアです。無数にゆらゆらと浮かぶクラゲの様子は、眺めているだけでもヒーリング効果を得られるので、私の大好きな生物です。コロナ騒動が落ち着いたら、ぜひ再訪してみたいと思っています。♥♥♥

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