「共通テスト」の演習

 来年から新しく始まる「共通テスト」の演習を、各学校が進めておられることと思います。どの学校も、各社から出ている問題集を使っての演習になると思いますが、いくら演習をしても力のつかない生徒たち・学校をたくさん見てきました。実は、それらには共通点があります。(1)問題を何となく解き ⇒ (2)答え合わせをして自己採点 ⇒ (3)間違えた問題を解説で確認して ⇒ (4)以上、おしまい というサイクルでいくら演習を重ねても、力はつきません。こんな演習で問題集をたとえ何冊こなしても、高得点は望めないでしょう。分かっていながら、このような形で「演習」と称している学校が結構たくさんあるんですね。ここでは、私が毎年やっている方法をご紹介します。

 私は8月に入ってから、『直前演習2021共通テスト 英語(リーディング)』(ラーンズ)バラ版(全14回)を使って、演習を開始しました。2回に分けて時間を計って解答して、まずは自己採点」をします。この「自己採点」を正確にできない生徒がかなり多いんです。「きちんとやりなさい」の一言で済ませて、後は生徒任せという学校も多くあります。私が10年勤務した松江北高では、模試の度に追跡をかけて、回を重ねる毎に自己採点の精度が上がっていきましたが、最近ではあまりやっていないようですね。○×だけの採点がどうしてキチンとできないのか?その原因に向き合っておかないと、本番でも同じことが繰り返されます。「横断歩道、みんなで渡れば怖くない」が実態で、全国の8割以上の生徒が正確な自己採点が出来ない現状があるので、少々違っていても合格できてしまい、学校に危機感が生まれないのです。私はこういったいい加減な「自己採点」にならないように、最初にキチンと指導しておきます。方法論も大切なんです。⇒「自己採点」の重要性と問題点に関しては、詳しくはコチラに書きました。ぜひご覧ください。

 ここで、間違えた問題の解答・解説を見て終わりでは、実に勿体ない使い方と言わねばなりません。私は出来なかった問題だけを、何も見ずにもう一度解かせます。「共通テスト」では全ての問題が長文問題ですから、その際に、根拠とした箇所をきちんとマークさせて正解を求めます。こうして「自分の答案と向き合う時間」が、とても重要なんです。ここで「自己採点用紙」を回収して、次回へ向けて、出来なかった問題だけでなく、何となく選んで偶然正答であった問題も「見直し」をしてくるように指示をします。正解の根拠だけでなく、間違いの選択肢(ダミー)がなぜ誤りなのかにも注意を払うように指示しています。⇒ダミーに関しては、最近コチラに詳しく書きました  その際に、正確に読めなかった英文もチェックして、理解をしてくるように伝えます。解答・解説を参考にしても良いとします。私の方は、自宅に自己採点用紙を持ち帰り、エクセルシートに、問題毎に得点を入力をして、誤答の多かった箇所を明らかにします。間違える箇所は集団でも共通しているんです。

 次の時間、第1問より1問ずつ、生徒たちにどのようにして解いたのか、を簡単に解説してもらいます。根拠となる箇所やダミーが誤りである理由も尋ねます。こうして、各問を解く際の「戦略」を共有していきます。生徒たちに特に誤りの多かった問題は、「戦略」が分かっていないか、間違った解き方をしていることが多いので、正答率のデータは欠かすことができないのです。「事実」と「意見」を峻別する問題、複数の文書を往復しながら解答する問題、感情の推移や出来事を時系列で並べる問題、要旨・タイトルを問う問題、解答にイラストが重要な役割を果たす問題などは、この「戦略」の有る・無しでずいぶん成績が異なってきますからね。さらに、ダミーの検討をしておくと、出題者がどのような方法でダミーを作っているかが分かるようになってきて、今後の演習にずいぶん役立ちます。こうやって時間をかけて、徹底的に「見直し」をやっておくと、だんだん「勉強の仕方」が分かってくるんです。模擬試験を受験した時にも、これと同じ事をやり、同時に「見直しプリント」を配布して、再度の「見直し」を求めます。⇒私の「模試は見直してこそ!」コチラです

 問題文に見られた自分の知らなかった英単語は、全部「洗い出し」をするように求めています。このような作業を一通り終えた後で、今回の問題に見られた必須単語の演習をテスト形式で50問やってもらいます。読解に必要な重要単語をもう一度確認してもらうんです。さらに、長文問題〔特に第5問・第6問〕で、読むことが難しかったであろう英文を取り上げて、和訳練習をしてもらいます。この演習は、二次対策にもつながっていきます。単語も、出てきたその単語だけで終わりにせずに、分解をして、関連語も併せて増やすようにすると「語彙力」がついてきます。あるいは今までに当たり前だと思っていた単語の理解が一層深まります(上写真参照)。こうやって演習した問題を使って、いろいろな作業を通じて、英語の力をつけていくのが私の役目です。こうやって英語の「勉強の仕方」を仕込んでいっています。力のつかない生徒たちの共通点は、「やりっ放し」なんです。♥♥♥

【追記】 私はお盆休みもなく、勝田ケ丘志学館で授業をしていました。私の住んでいる島根県・松江市で、新型コロナウィルスの大型クラスター感染が発生したために(一躍全国ニュースに!)、余計にどこにも出かけることが出来ず、ひたすら自宅で教材の作成に精を出しておりました。ご心配いただいた先生方、卒業生のみなさん、どうもありがとうございます。八幡は元気に(今週は3軒病院通いですが)生きております。

カテゴリー: 英語指導に関して パーマリンク

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中