大学受験ラジオ講座

 10月3日(土)付の『朝日新聞』が、かつての「大学受験ラジオ講座」(1952年~1995年)を取り上げていて(「元祖リモート教育 DNAは今も」)、 当時を知る私は、懐かしく思い出しました。当時、広瀬町に住んでいた私は、文化放送の電波がよく入らない地域だったもので、雑音だらけの背景の中で、聞こえたり聞こえなかったりする放送に耳を澄ましながら、聞き入ったものでした。ろくな参考書も、まだ予備校の講座もネットもない頃の時代です。受験生の頼りと言えば、この①「大学受験ラジオ講座」、②受験雑誌の『蛍雪時代』(旺文社)、③旺文社模試、の三つでしたね。今は②の『蛍雪時代』を除いてみんな無くなってしまいました。わずかに残っている『蛍雪時代』も当時に比べると、売れ行きは激減しています。当時の私は、今はもうない『高3コース』(学研)を定期購読していました。

 旺文社の創業者・赤尾好夫が、大学受験教育の地域格差を放送を通じて解消していく」という理念を掲げ、自ら設立に関与した日本文化放送協会(現・文化放送)に企画を持ち込んで、1952(昭和27年)3月31日の開局と同時に放送開始したのが、「大学受験ラジオ講座」でした。月刊のテキストを元に、基本的には毎日1講座30分単位で2本放送されていました。講座の始まりには、ブラームスの「大学祝典序曲」がテーマ曲として流れてきたものです。後に、同じく教育の地域格差解消をテーマに「百万人の英語」が立ち上げられました。これも大好きな番組でした。

 月刊のテキストは、各回の放送で扱う過去の入試問題練習問題で構成されており、解説・解答編の別冊が付録についており、放送を聞けなくても、問題集・参考書として使うことができました。結構時間をかけて予習していたのを覚えています。最盛期には50万部にまで達したそうですよ。ここから、1980年代以降の予備校の人気看板講師が登場していくのです。その後、大手予備校の地方進出や、後発の通信添削講座の伸長など、受験産業界も多様化の時代を迎え、テキストの需要も落ち込み、1995年に「ラジオ講座」は43年の幕を閉じました。

 看板講師だった寺田文行先生(数学)や、J.B.ハリス先生(英語)の授業が懐かしく思い出されます。私は、大島好道先生(専修大学)の英語が大好きでしたね。語呂合わせ・ダジャレの大好きな先生でした。『大島式英単語増殖法』(旺文社)としてまとめられました。接頭辞接尾辞などを利用して語彙の増強を図るという、今私が授業で指導していることは、全部大島先生の受け売りです「しょんめんたんす意地悪わい」「ある朝行くわい降るあぶるいぶっていぶる一種類」「ネスに会いていわい」「縁があったらハイいーぜと合図する」「あんみついんですのん」などは、今でもフル活用させていただいています。興味のある先生は、ダウンロードサイト」に公開されている私の資料「単語の効果的な覚え方」の中にある接頭辞・接尾辞の「語呂合わせ」の項を参考にしてください。⇒コチラです  ♥♥♥

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